ナースの勉強部屋

関連図の書き方|どこから描くか、矢印・枠・記号のルール、看護問題へのつなげ方とA4 1枚に収めるコツ

関連図の書き方|どこから描くか、矢印・枠・記号のルール、看護問題へのつなげ方とA4 1枚に収めるコツ

関連図は、中心に置く1つを決め、「原因→いまの状態→生活への影響→看護問題」の順に、上から下へ一方向に矢印を流すと描けます。白紙を前に手が止まるのは、情報が足りないからではなく、置く順番と矢印の決まりが決まっていないからです。

実習で求められる関連図も、新人看護師がプリセプターから求められる関連図も、骨組みは同じです。違うのは、どこまで細かく描くかと、何に使うかだけです。

この記事では、架空の患者を例に、描き始めの手順と矢印・枠・記号のルールを整理します。病気ごとの病態の中身には触れず、どの患者にも使える「図の組み立て方」に絞ります。最後に、よくある失敗の直し方と提出前のチェックリストを載せます。

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目次
  1. 関連図の書き方は「描く前に決める3つ」で半分決まる
    1. 病態関連図と全体関連図の書き方の違い
  2. 関連図はどこから書き始めるか:6つのステップ
    1. ステップ1:紙の中央より少し上に「中心」を置く
    2. ステップ2:中心の上に「原因・背景」を置く
    3. ステップ3:中心の下に「いまの状態」と「治療」を並べる
    4. ステップ4:さらに下へ「生活への影響」を描く
    5. ステップ5:外側に心理・社会の情報を足す
    6. ステップ6:まだ起きていないリスクを点線でつなぐ
  3. 関連図の書き方ルール:矢印・枠・記号の決まり
  4. 関連図に置く情報の分け方:事実と解釈を分け、枠組みで抜けを探す
    1. ゴードンやヘンダーソンの枠組みは「抜けの点検」に使う
    2. 身体・心理・社会を3色に分ける
  5. 関連図から看護問題へのつなげ方:矢印が集まる所と出ていく所を見る
  6. 関連図の書き方でよくある失敗と直し方
  7. 関連図をA4 1枚に収める工夫
  8. 新人看護師がプリセプターから関連図を求められたときの書き方
  9. 関連図の提出前チェックリスト
  10. よくある質問
    1. 関連図は何日目までに書けばいいですか?
    2. 病態がよく分からず、矢印が引けません。
    3. 手書きとパソコン、どちらで書くべきですか?
    4. 関連図に患者の名前を書いてもいいですか?
  11. まとめ
  12. 参考

関連図の書き方は「描く前に決める3つ」で半分決まる

関連図は、看護過程の「情報収集・アセスメント」と「計画立案」の間をつなぐ図です。厚生労働省の看護師国家試験出題基準(令和5年版)でも、看護過程は情報収集、アセスメント、計画立案、実施、評価の流れで示されています。関連図は、このうちアセスメントの結果を1枚に並べ、看護問題を選ぶための下準備と考えると迷いません。

描き始める前に、次の3つだけ決めます。

  1. 何のための図か。看護問題を絞り込むためか、患者の全体像を指導者に説明するためか
  2. 病態関連図か全体関連図か。学校や実習要項で指定されていれば、それに従う
  3. 中心に何を置くか。主な健康問題(診断名や手術名)を置くのが基本。学校によっては「患者の名前の代わりのイニシャル」や「いちばんの困りごと」を置く

病態関連図と全体関連図の書き方の違い

関連図には大きく2つの形があります。どちらを描くかで、紙の使い方が変わります。

種類 中心に置くもの 描く範囲 向いている条件
病態関連図 主な健康問題(疾患・手術) 原因、体の中で起きていること、症状、治療 実習の前半、急性期の病棟、病態の理解を指導者に確かめてほしいとき
全体関連図 主な健康問題、または患者本人 病態に加えて、日常生活、心理、家族、退院後の暮らし 実習の後半、慢性期・回復期・在宅の実習、看護問題を絞り込むとき

全体関連図は、病態関連図の外側に生活・心理・社会の情報を足した形です。最初から全体関連図を求められている場合も、中心部分は病態関連図と同じ手順で描きます。

関連図はどこから書き始めるか:6つのステップ

ここでは、次の架空の患者を例にします。特定の病気の説明ではなく、図の組み立て方を示すための例です。

70代の女性。下肢の手術を受けて3日目。傷の痛みがあり、ベッドから離れる時間が短い。食事は半分ほど残す。夜は何度も目が覚めると話している。自宅では一人暮らしで、退院後の生活を心配している。

ステップ1:紙の中央より少し上に「中心」を置く

主な健康問題(この例では「下肢の手術後」)を、紙の中央より少し上に二重枠で書きます。真ん中ちょうどに置くと、下に書く生活への影響が収まらなくなります。上に3分の1、下に3分の2の空間を残すのが目安です。

ステップ2:中心の上に「原因・背景」を置く

中心に至った原因や背景(既往歴、年齢、もともとの生活習慣など)を、中心の上に置き、下向きの矢印でつなぎます。原因は上、結果は下という向きを最後まで守ることが、読みやすい関連図のいちばんの決まりです。

ステップ3:中心の下に「いまの状態」と「治療」を並べる

中心から下へ、いま起きていること(傷の痛み、ベッドから離れる時間が短い)と、行われている治療・処置(鎮痛薬の使用、安静の指示など)を横に並べます。治療は中心の横に別の列として置くと、「症状」と「治療による影響」を見分けやすくなります。

ステップ4:さらに下へ「生活への影響」を描く

いまの状態が、日常生活にどう響いているかを描きます。例では「痛み→動く時間が短い→食事を残す」「痛み→夜間に目が覚める」のように、1つずつ矢印でつなぎます。この段が、看護問題の候補が見つかる場所です。

ステップ5:外側に心理・社会の情報を足す

全体関連図の場合は、紙の端に心理面(退院後の生活を心配している)と社会面(一人暮らし)を置き、生活への影響とつなげます。本人の言葉は「 」で書くと、事実と解釈を見分けやすくなります。

ステップ6:まだ起きていないリスクを点線でつなぐ

動く時間が短いことから起こりうること(転倒、皮膚のトラブル、体力の低下など)は、点線の矢印と点線の枠で描きます。起きている事実と、起こりうることを線の種類で分けておくと、あとで看護問題を「問題焦点型」と「リスク型」に分けるときに迷いません。

関連図の書き方ルール:矢印・枠・記号の決まり

関連図には全国共通の決まりはなく、学校や実習先ごとに凡例が違います。学校から凡例を渡されている場合は、そちらを優先してください。指定が無いときは、次の決まりで描くと指導者に伝わりやすくなります。

記号 意味 使い方
実線の矢印(→) 確かな因果関係 原因から結果へ、上から下・左から右に向ける
点線の矢印(⇢) 可能性・リスク まだ起きていないことへ向ける
二重枠 中心(主な健康問題) 図の中に1つだけ
実線の四角 観察・記録で確かめた事実 数値や観察した内容を短く書く
点線の四角 起こりうること 「〜のおそれ」と書く
「 」で囲んだ文 本人・家族の言葉 言い換えずにそのまま書く
色付きの枠、または #1・#2 看護問題 番号は看護問題リストと一致させる

矢印についての決まりは、もう2つあります。

  • 双方向の矢印(⇄)は使わない。「痛みで眠れない、眠れないから痛みを強く感じる」のような悪循環は、2本の矢印に分けて描く
  • 矢印の上に言葉を書かない。矢印に説明が必要なときは、間に枠を1つ増やす

図の右下か左下には、必ず凡例を書きます。凡例が無いと、点線が「リスク」なのか「推測」なのかが読む人に伝わりません。

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関連図に置く情報の分け方:事実と解釈を分け、枠組みで抜けを探す

関連図に置く情報は、「事実」と「解釈」に分けます。観察した内容や本人の言葉は事実、そこから考えたこと(「痛みで動く時間が減っている」)は解釈です。枠の中には事実を、矢印のつながりで解釈を表すと、図全体がアセスメントの要約になります。

ゴードンやヘンダーソンの枠組みは「抜けの点検」に使う

学校で使っているアセスメントの枠組み(ゴードンの11の機能的健康パターン、ヘンダーソンの14の基本的欲求など)は、関連図の配置に使うものではありません。描き終えた図を見て、「栄養」「排泄」「睡眠」「活動」「認知」「役割」などの項目のうち、情報が1つも無いものがないかを確かめるために使います。

抜けている項目が見つかったら、情報収集用紙に戻って情報を足します。ゴードンの枠組みと看護診断の領域の対応は、看護診断の書き方にまとめています。

身体・心理・社会を3色に分ける

色ペンを使ってよい学校なら、身体面・心理面・社会面で枠の色を分けます。色の偏りを見れば、情報が身体面だけに寄っていないかがひと目で分かります。全体関連図で心理・社会の枠が1つも無いときは、本人の言葉や家族の情報を拾い直すサインです。

関連図から看護問題へのつなげ方:矢印が集まる所と出ていく所を見る

関連図を描き終えたら、看護問題を選びます。見る場所は2つです。

  • 矢印がたくさん出ている枠。ほかの問題の原因になっている。例では「傷の痛み」から、動く時間、食事、睡眠へ矢印が出ている
  • 矢印がたくさん集まっている枠。いくつもの原因が重なって起きている。生活への影響の段に多い

矢印が多く出ている枠を先に手当てすると、その先の問題もまとめて軽くなります。看護問題に選んだ枠に色を付け、#1、#2と番号を振ります。優先順位の付け方は、生命に関わるか、本人が困っているか、ほかの問題の原因か、の順で考えます。詳しくは看護診断の書き方の看護問題リストの節を、生理的な欲求を優先する考え方はマズローの欲求5段階説を見てください。

看護問題が決まったら、それぞれに観察計画・ケア計画・教育計画を立てます。書き方は看護計画のOP・TP・EPで例を挙げています。

関連図の書き方でよくある失敗と直し方

指導者から赤ペンが入りやすい失敗を、直し方と一緒にまとめました。

よくある失敗 なぜ起きるか 直し方
矢印が四方八方に伸び、線が交差だらけになる 思いついた順に枠を置いている 原因は上、結果は下の向きを決め、置く場所を段で分ける
教科書の病態の流れを丸写ししている 病気の説明と受け持ち患者の図を混同している その患者に当てはまらない枠は消し、当てはまる情報だけ残す
生活への影響の段がほとんど無い 病態の理解に時間を使い切っている 中心から下の段を先に描き、病態の段は後から足す
看護問題が図のどこにも出てこない 関連図と看護問題リストを別々に作っている 看護問題の枠に色と番号を付け、リストの番号と一致させる
事実と推測が同じ線で描かれている 線の種類の決まりが無い 確かめたことは実線、起こりうることは点線に分ける
1つの枠に文章が3行以上ある 記録の文章をそのまま貼っている 1枠1語〜1文にし、詳しい内容はアセスメント用紙に書く
本人の言葉が1つも無い 観察した数値だけを集めている 本人や家族の言葉を「 」でそのまま入れる

いちばん多いのは、2つ目の「教科書の丸写し」です。関連図は、その患者で起きていることを描く図です。教科書に載っていても、受け持ち患者に当てはまらない枠は描きません。

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関連図をA4 1枚に収める工夫

関連図は、A4 1枚かA3 1枚で指定されることが多い図です。枠が多すぎて収まらないときは、次の順に削ります。

  1. 1枠の文字数を減らす。「傷の痛みがあり、ベッドから離れる時間が短くなっている」は「傷の痛み」と「離床時間が短い」の2枠に分ける。1枠は15文字以内が目安
  2. 同じ意味の枠をまとめる。「食事を半分残す」「間食をしない」は「食事量の低下」にまとめ、詳細はアセスメント用紙に回す
  3. 看護問題に関係しない枠を外す。看護問題に1本も矢印がつながらない枠は、外しても図の意味が変わらない
  4. 用紙を横向きに使う。生活への影響が横に広がるので、横向きの方が収まりやすい

描くときは、いきなり清書しないのが近道です。付箋に1枠ずつ書いて並べ替え、配置が決まってから清書すると、描き直しの回数が減ります。パソコンで作ってよい学校なら、図形ソフトで枠を動かしながら配置を決めても構いません。

新人看護師がプリセプターから関連図を求められたときの書き方

新人看護師が関連図を求められるのは、受け持ち患者の全体像をつかめているかを確かめるためです。厚生労働省の新人看護職員研修ガイドラインでも、看護技術を支える要素の1つに「看護計画の立案と実施した看護ケアの正確な記録と評価」が挙げられています。

学生の関連図との違いは、細かさです。病態の段は簡潔にし、次の3点がつながっていれば十分なことがほとんどです。

  • いまの状態と、受けている治療
  • 生活への影響と、今日の勤務で観察すること
  • 看護問題と、退院に向けて気がかりなこと

形式はプリセプターや病棟の決まりに合わせます。最初に「どのくらいの細かさで、いつまでに必要か」を聞いておくと、描き直しが減ります。

関連図の提出前チェックリスト

提出する前に、次の項目を上から確かめてください。

構造
– [ ] 中心(二重枠)が1つだけで、紙の中央より少し上にある
– [ ] 原因は上、結果は下で、矢印の向きが揃っている
– [ ] 双方向の矢印を使っていない
– [ ] 凡例が書いてある

中身
– [ ] 受け持ち患者に当てはまらない枠(教科書の丸写し)が残っていない
– [ ] 確かめた事実は実線、起こりうることは点線で描き分けている
– [ ] 本人・家族の言葉が「 」で入っている
– [ ] アセスメントの枠組みで、情報が1つも無い項目がない

看護問題とのつながり
– [ ] 看護問題の枠に色と番号が付いている
– [ ] 番号が看護問題リストと一致している
– [ ] どの看護問題にも、原因側から矢印がつながっている

提出の決まり
– [ ] 氏名・生年月日・患者IDなど、個人を特定できる情報を書いていない
– [ ] 用紙の大きさと枚数が実習要項の指定どおり

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よくある質問

関連図は何日目までに書けばいいですか?

学校の実習要項で決まっていることが多いので、まず要項を確かめてください。決まりが無い場合も、情報が揃うのを待たず、受け持ちが決まった翌日には下書きを始めるのがおすすめです。描きながら足りない情報が見えてくるので、情報収集の順番も決めやすくなります。実習記録全体の進め方は看護実習記録の書き方にまとめています。

病態がよく分からず、矢印が引けません。

分からないつながりを推測で実線にするのは避けましょう。教科書や実習先の資料で確かめ、それでも分からなければ点線にして「?」を付け、指導者に聞く項目としてメモしておきます。分からない所を正直に示した図の方が、指導を受けやすくなります。

手書きとパソコン、どちらで書くべきですか?

学校の指定に従ってください。指定が無ければ、配置を何度も変える下書きの段階はパソコンや付箋、提出用は指定の形式、と分けると効率的です。

関連図に患者の名前を書いてもいいですか?

書きません。実習記録と同じく、氏名・生年月日・患者IDなど個人を特定できる情報は、関連図にも書かないのが原則です。表記の仕方(「A氏」など)は学校と実習先の決まりに合わせてください。

まとめ

  • 関連図は、中心を1つ決め、原因→いまの状態→生活への影響→看護問題の順に、上から下へ描く
  • 確かめた事実は実線、起こりうることは点線、本人の言葉は「 」と、記号の決まりを凡例に書いておく
  • 矢印が多く出ている枠と集まっている枠から看護問題を選び、看護問題リストと番号を揃える
  • 収まらないときは、1枠の文字数を減らし、看護問題に関係しない枠から外す

参考

  • 厚生労働省「保健師助産師看護師国家試験出題基準 令和5年版」看護師国家試験出題基準 https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000919502.pdf
  • 厚生労働省「新人看護職員研修ガイドライン【改訂版】」(平成26年2月)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049578.html