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mMRC息切れスケールの評価表|グレード0〜4の聞き方と迷う境目、ヒュー・ジョーンズ分類・修正ボルグとの使い分けと看護記録の例文

mMRC息切れスケールの評価表|グレード0〜4の聞き方と迷う境目、ヒュー・ジョーンズ分類・修正ボルグとの使い分けと看護記録の例文

mMRC息切れスケールは、ふだんの生活のなかで、どのくらいの動作で息切れが出るかを、グレード0から4の5段階で表す尺度です。COPD(慢性閉塞性肺疾患)の患者の評価でよく使われ、呼吸器内科の外来や病棟、訪問看護の記録にも出てきます。

その場の苦しさを聞く修正ボルグスケールと違い、mMRCは「最近の生活で、どこまで動けるか」を聞きます。同じ患者でも、聞く内容が違うので、どちらで付けたかを記録に残すことが大切です。

この記事では、mMRCの評価表、患者への聞き方、迷いやすい境目の付け方、ほかの尺度との使い分け、記録の書き方を整理します。息切れの原因の判断や、治療・吸入薬の選び方は扱いません。

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目次
  1. mMRC息切れスケールのグレード0〜4の評価表
  2. mMRC息切れスケールの聞き方
  3. mMRC息切れスケールで迷う境目の付け方
    1. グレード1と2で迷うとき
    2. グレード3と4で迷うとき
    3. 息切れ以外の理由で歩けないとき
  4. mMRC・ヒュー・ジョーンズ分類・修正ボルグスケール・CATの使い分け
    1. MRCとmMRCの番号のずれに注意
  5. mMRC息切れスケールの看護記録の書き方と例文
    1. 入院時の記録の例
    2. 経過で変わったときの記録の例
  6. よくある質問
    1. mMRCは看護師が付けてもよいですか
    2. グレードが前回より上がったら、どうすればよいですか
    3. 毎日付けたほうがよいですか
  7. まとめ
  8. 参考

mMRC息切れスケールのグレード0〜4の評価表

mMRCは、患者の自覚にもとづいて、当てはまる段階を1つ選びます。

グレード 状態
0 激しい運動をしたときだけ息切れがある
1 平坦な道を早足で歩く、または緩やかな上り坂を歩くときに息切れがある
2 息切れのため、同年代の人より平坦な道を歩くのが遅い。または自分のペースで平坦な道を歩いていても、息切れのために立ち止まることがある
3 平坦な道を約100m、または数分歩くと、息切れのために立ち止まる
4 息切れがひどく家から出られない。または衣服の着替えでも息切れがある

数字が大きいほど、軽い動作で息切れが出ている状態です。国際的なCOPDの指針(GOLD)では、mMRCがグレード2以上だと「症状が強い」側に分けて考えます。

mMRC息切れスケールの聞き方

mMRCは表を見せて選んでもらうこともできますが、高齢の患者には読み上げるだけでは伝わりにくいことがあります。生活の場面に置き換えて聞くと答えやすくなります。

聞く順番 聞き方の例 当てはまれば
1 「着替えのときや、家の中を歩くだけでも息が切れますか」 グレード4
2 「家の前からバス停くらいまで(100mほど)歩くと、立ち止まりたくなりますか」 グレード3
3 「一緒に歩く人に置いていかれたり、途中で休んだりしますか」 グレード2
4 「急いで歩いたときや、ゆるい坂道で息が切れますか」 グレード1
5 「駆け足など、きつい運動をしたときだけですか」 グレード0

重いほうから順に聞くと、当てはまったところで止められるので、聞き取りが短く済みます。

「最近」がどのくらいの期間かは、施設で決めておくとばらつきが減ります。目安として「ここ1〜2週間のふだんの状態」で聞き、風邪をひいた直後など一時的に悪い時期は、そのことも記録に残します。

mMRC息切れスケールで迷う境目の付け方

グレード1と2で迷うとき

分かれ目は「平坦な道でも影響が出ているか」です。坂や急ぎ足のときだけ息切れするならグレード1、平坦な道でも人より遅い、または立ち止まるならグレード2です。

「坂は避けているので、息切れはしない」と答える患者もいます。この場合は、避けている理由が息切れなら、避けなければ息切れが出る状態として扱います。

グレード3と4で迷うとき

分かれ目は「家の外に出られるか」と「着替えのような身の回りの動作で息切れするか」です。100mほどで立ち止まるが外出はできるならグレード3、着替えでも息切れする、または息切れのために外出できないならグレード4です。

在宅酸素療法の患者では、酸素を使っている状態で聞くのか、使っていない状態で聞くのかを決めて、記録に書き添えます。

息切れ以外の理由で歩けないとき

膝の痛みや下肢の筋力低下で歩けない患者は、mMRCの段階が実際より重く見えます。歩けない理由が息切れなのか、それ以外なのかを聞き分け、息切れ以外が理由なら記録にそう書きます。

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mMRC・ヒュー・ジョーンズ分類・修正ボルグスケール・CATの使い分け

息切れや呼吸器症状を表す尺度はいくつかあり、聞いていることが違います。

尺度 何を表すか 向いている場面
mMRC息切れスケール(0〜4) ふだんの生活で、どの程度の動作で息切れが出るか 外来・入院時の評価、経過を月単位で追うとき
ヒュー・ジョーンズ分類(Ⅰ〜Ⅴ) 健康な同年代と比べた歩行や階段の能力 施設で以前から使っている記録との比較、身体障害の認定に関わる書類
修正ボルグスケール(0〜10) いま、この動作をしているときの息苦しさの強さ リハビリや歩行訓練、酸素の調整中など、その場の苦しさを追うとき
CAT(COPDアセスメントテスト) 咳・痰・息切れ・睡眠・活力など8項目の生活への影響 息切れ以外の症状も含めて、生活への影響をみるとき

mMRCは息切れだけを見るので、咳や痰、だるさはわかりません。生活への影響全体を知りたいときは、CATなど別の質問票と組み合わせます。

その場の苦しさを測る修正ボルグスケールは、ボルグスケールの評価表で詳しく整理しています。

MRCとmMRCの番号のずれに注意

もとのMRC息切れスケールは1〜5の5段階で、mMRCは0〜4です。中身はほぼ同じなのに、番号が1つずれています。紹介状や他施設の記録に「MRC 3」とあれば、mMRCではグレード2に相当する可能性があります。どちらの尺度か書かれていなければ、確かめてから写します。

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mMRC息切れスケールの看護記録の書き方と例文

mMRCの記録には、グレードの数字だけでなく、根拠になった患者の言葉や場面を残します。数字だけだと、次に評価する人が同じ基準で付けたか確かめられないからです。

入院時の記録の例

S:「家の前のゴミ捨て場まで行くと、途中で一度止まって息を整える」「着替えは自分でできる」
O:mMRC息切れスケール グレード3(約100mで立ち止まる。着替えでの息切れなし)。在宅酸素なし、室内気で聞き取り。
A:平坦な道でも短い距離で立ち止まる状態。入院前の生活での息切れの程度として共有する。
P:退院前に再評価し、入院時と比べる。歩行訓練の場面では修正ボルグスケールで別に記録する。

経過で変わったときの記録の例

S:「最近は廊下の端まで休まずに歩ける」
O:mMRC グレード3→グレード2(自分のペースなら平坦な道を休まず歩けるが、同室者より遅い)。
A:入院時より、平坦な道で立ち止まらずに歩ける距離が延びている。
P:退院後の生活の場面(買い物・通院)に合わせて、聞き取りを続ける。

評価や記録の様式は施設ごとに決まりがあります。施設の手順書やマニュアルがあれば、そちらを優先してください。

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よくある質問

mMRCは看護師が付けてもよいですか

mMRCは患者の自覚にもとづく問診の尺度なので、看護師が聞き取って記録することは多くの施設で行われています。誰が評価するかは施設の決まりに従ってください。

グレードが前回より上がったら、どうすればよいですか

グレードの変化は、医師やチームと共有する情報です。上がった理由として、患者が話した生活の変化(風邪、活動量の低下など)も一緒に伝えると、判断の材料になります。

毎日付けたほうがよいですか

mMRCはふだんの生活の状態を表すもので、日々の変化を追う尺度ではありません。入院時・退院前・外来の定期受診など、場面を決めて付けるのが一般的です。

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まとめ

mMRC息切れスケールは、ふだんの生活でどの程度の動作で息切れが出るかをグレード0〜4で表す尺度です。重いほうから生活の場面で聞き、1と2は平坦な道、3と4は外出と着替えで分けます。その場の苦しさは修正ボルグスケールで別に記録し、数字だけでなく根拠の言葉を残してください。

参考

  • 一般社団法人日本呼吸器学会『COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン』 https://www.jrs.or.jp/
  • GOLD(慢性閉塞性肺疾患の国際的な指針) https://goldcopd.org/