ナースの勉強部屋

OHスケールとは?褥瘡リスク4項目の採点表と危険度の判定、迷いやすい付け方と看護記録の例文

OHスケールとは?褥瘡リスク4項目の採点表と危険度の判定、迷いやすい付け方と看護記録の例文

OHスケールは、褥瘡ができやすいかどうか(褥瘡発生のリスク)を、4つの項目の点数で判定する尺度です。考案者の大浦武彦・堀田由浩の頭文字をとって「大浦・堀田スケール」とも呼ばれます。

公益財団法人テクノエイド協会の資料によると、OHスケールは日本人の高齢者660人について、褥瘡に関わる81項目を3年間追跡した結果から、褥瘡の発生に関わる危険要因を4つに絞って点数にしたものです。項目が少なく、数分で付けられるのが特徴で、体圧分散マットレスを選ぶ目安としても使われています。

この記事では、OHスケールの採点表、合計点の判定、迷いやすい項目の付け方、記録の書き方を整理します。褥瘡の治療や、どのマットレスを使うかの最終的な判断は扱いません。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

目次
  1. OHスケールの4項目と採点表
  2. OHスケールの合計点と危険度の判定
  3. OHスケールで迷いやすい項目の付け方
    1. 自力体位変換は「自分で動ける力」に換算して付ける
    2. 病的骨突出は仙骨部で、判定器を使って見る
    3. 浮腫は指で押して戻るかで見る
    4. 関節拘縮は全身のどこか1か所でも「あり」
  4. OHスケールの看護記録の書き方と例文
    1. 例文
  5. OHスケール・ブレーデンスケール・DESIGN-R 2020はどれを使うか
  6. よくある質問
    1. OHスケールは何点から危険ですか?
    2. 判定器が無いときは病的骨突出をどう付けますか?
    3. OHスケールはどのくらいの間隔で付け直しますか?
  7. まとめ
  8. 参考

OHスケールの4項目と採点表

OHスケールは、次の4項目の点数を足して合計点を出します。

項目 0点 1.5点 3点
1. 自力体位変換 できる どちらでもない できない
2. 病的骨突出(仙骨部) なし 軽度・中等度 高度
3. 浮腫 なし 薬を内服中(下記) あり
4. 関節拘縮 なし — あり=1点

4項目のうち、関節拘縮だけは「あり」でも1点です。ほかの3項目は最大3点なので、合計点は0〜10点になります。

浮腫は「なし0点・あり3点」の2段階で付けるのが基本です。テクノエイド協会の資料では、採点表に浮腫の1.5点として「薬を内服中」の段階が載っており、本文でも、浮腫があって利尿薬などで治療している場合は1.5点と評価することもできる、と説明されています。病棟でどちらの扱いにしているかを確かめておきましょう。

OHスケールの合計点と危険度の判定

合計点で、褥瘡が発生する危険度を4段階に分けます。

合計点 危険度
0点 リスクなし
1〜3点 軽度
4〜6点 中等度
7〜10点 高度

点数が高いほどリスクが高いのがOHスケールの向きです。ブレーデンスケールは点数が低いほどリスクが高いので、2つを使う職場では向きを取り違えないよう注意します。

危険度は、体圧分散マットレスを選ぶときの目安として使われます。ただ、同じ危険度でも、本人の自立度や介護の手の多さによって合うマットレスは変わります。実際に何を使うかは、施設の褥瘡対策の基準や褥瘡対策チームの判断に従います。

OHスケールで迷いやすい項目の付け方

自力体位変換は「自分で動ける力」に換算して付ける

自力体位変換は、原因を問わず、自分で動く能力に換算して点数を付けます。テクノエイド協会の資料には、次のような例が挙げられています。

状態 点数の目安
意識がなく全介助 3点
麻痺が両側にある 3点
麻痺が片側だけ、片方の脚が固定されている 1.5点
医師から絶対安静の指示 3点
2時間以上ベッド上で安静の指示があり、有効な体位変換が行われない可能性がある 1.5点
痛みで全く動けない/動くことが制限されている 3点/1.5点
動く力はあるが、本人に動く意思が全くない 3点

最後の例のように、体の機能に問題がなくても、テレビに熱中して声をかけないと動かないような場合は3点として扱う、とされています。「動ける」ではなく「実際に自分で動いているか」で考えると付けやすくなります。

病的骨突出は仙骨部で、判定器を使って見る

病的骨突出とは、寝たきりや低栄養で臀部の筋肉や皮下脂肪が減り、仙骨が相対的に飛び出して見える状態のことです。OHスケールでは仙骨部で判定します。

資料では、仙骨の中央から8cm外側で、臀部がどのくらい低くなっているかを見るとしています。専用の判定器(骨突出判定器)を当てたときの目安は次のとおりです。

判定器の状態 点数
中央がかえって凹む(突出なし) 0点
突出があるように見えるが、判定器の脚が浮かない(ベンチ状態) 1.5点
判定器がシーソー状態になり、片方の脚が浮く 3点

おむつ交換や入浴のときに判定すると、本人の負担が少なく済みます。判定器が無い病棟では、見た目の印象だけで「高度」と付けやすいので、迷ったときは判定器のある部署や褥瘡対策チームに確かめましょう。

浮腫は指で押して戻るかで見る

足の甲や膝下、背中などを親指の腹でやさしく約5秒押し、離しても凹んだままなら「浮腫あり」です。足の甲が最も分かりやすい部位とされています。

関節拘縮は全身のどこか1か所でも「あり」

関節拘縮は、下肢に限らず、全身のどこか1か所でもあれば「あり」で1点です。関節リウマチなどで上肢に拘縮がある場合も1点になります。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

OHスケールの看護記録の書き方と例文

記録には、合計点と危険度だけでなく、どの項目で何点だったかを残します。次に評価する人が、どこが変わったかを比べられるようにするためです。

  • 合計点と危険度(「OHスケール 4.5点(中等度)」)
  • 項目ごとの点数(点数が付いた項目だけでもよい)
  • 点数の根拠(片麻痺、安静度の指示、判定器の状態など)
  • 前回からの変化

例文

OHスケール 4.5点(中等度)。自力体位変換1.5(右片麻痺)、病的骨突出3(判定器シーソー)、浮腫0、関節拘縮0。前回評価から変化なし。

術後1日目、医師の指示で床上安静。OHスケール 3点(軽度)。自力体位変換1.5(ベッド上安静の指示)、病的骨突出1.5(判定器ベンチ)。安静度の解除後に再評価予定。

入院時評価。OHスケール 7.5点(高度)。自力体位変換3(意識レベル低下、全介助)、病的骨突出3、浮腫1.5(利尿薬で治療中のため病棟基準で1.5)、関節拘縮0。褥瘡対策チームへ報告。

小数点のある点数は、合計を書き間違えやすいところです。記録する前に、項目の点数を足し直しておきましょう。

クリアス看護では、正社員の看護師求人を掲載しています。気になる職場があれば、条件で絞り込んで探せます。

正社員の求人を見る

OHスケール・ブレーデンスケール・DESIGN-R 2020はどれを使うか

褥瘡に関する尺度はいくつかあり、何を評価したいかで使うものが変わります。

こういうとき 使う尺度
寝たきりの高齢者の褥瘡リスクを、少ない項目で手早く見たい/マットレス選びの目安がほしい OHスケール
湿潤や栄養、摩擦とずれなど、ケアや環境の要因も含めてリスクを見たい ブレーデンスケール
すでにできている褥瘡の状態(深さ・大きさなど)を評価したい DESIGN-R 2020
施設の褥瘡対策の基準で尺度が決まっている 決まっている尺度(自分で替えない)

OHスケールとブレーデンスケールは、どちらも褥瘡ができる前の予測に使うもので、DESIGN-R 2020はできた褥瘡の評価に使うものです。予測の尺度で褥瘡の重さを表したり、DESIGN-R 2020でリスクを表したりはしません。

OHスケールとブレーデンスケールのどちらが優れているか、という順位は付けにくいところです。在宅で介護を受ける日本の高齢者69人を対象にした研究では、褥瘡がある人とない人を見分ける精度(AUC)はブレーデンスケールが0.814、OHスケールが0.794と近い値でした。対象が少ない研究なので、ここからどちらかに決めるより、施設で決めた尺度を同じ基準で付け続けることの方が大切です。

なお、入院患者の褥瘡対策で使う「褥瘡対策に関する診療計画書」にも、危険因子の評価の欄があります。厚生労働省が平成24年の通知で示した様式では、ベッド上の自力体位変換、病的骨突出、関節拘縮、浮腫など、OHスケールと重なる項目を「あり・なし」で付ける形です。OHスケールの点数を付けている病棟では、計画書と見比べて食い違いがないかを確かめておくと記録が整います。

ブレーデンスケールの6項目と採点はブレーデンスケールとは?6項目の採点表と危険点の考え方、DESIGN-R 2020の付け方はDESIGN-R 2020の採点表で解説しています。

この記事の内容に近い正社員の看護師求人を、クリアス看護で探せます。

正社員の求人を見る

よくある質問

OHスケールは何点から危険ですか?

合計1点以上で「軽度」以上のリスクありと判定します。1〜3点が軽度、4〜6点が中等度、7〜10点が高度です。どの危険度でどのケアを始めるかは、施設の褥瘡対策の基準に従います。

判定器が無いときは病的骨突出をどう付けますか?

仙骨部を横から見て、仙骨が臀部より飛び出して見えるかで判断することになりますが、見た目だけではぶれやすい項目です。病棟で判定器を用意できるか、褥瘡対策チームに相談してみましょう。

OHスケールはどのくらいの間隔で付け直しますか?

決まった間隔は施設ごとに違います。入院時や状態が変わったとき(手術、安静度の変更、麻痺の出現、浮腫の出現など)は、間隔を待たずに付け直すと、点数が実際の状態とずれにくくなります。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

まとめ

  • OHスケールは、自力体位変換・病的骨突出・浮腫・関節拘縮の4項目で褥瘡の発生リスクを点数にする。合計0〜10点で、高いほど高リスク
  • 0点はリスクなし、1〜3点が軽度、4〜6点が中等度、7〜10点が高度
  • 関節拘縮だけは「あり」でも1点。自力体位変換は、原因を問わず実際に自分で動けているかで付ける
  • 病的骨突出は仙骨部で、判定器のベンチ・シーソーの状態で付ける
  • 記録には合計点と危険度に加え、項目ごとの点数と根拠を書く
  • 褥瘡の予測にはOHスケールやブレーデンスケール、できた褥瘡の評価にはDESIGN-R 2020を使う

参考