ナースの勉強部屋

ボルグスケールの評価表|6〜20のRPEと0〜10の修正ボルグスケールの違い、聞き方のコツと看護記録の例文

ボルグスケールの評価表|6〜20のRPEと0〜10の修正ボルグスケールの違い、聞き方のコツと看護記録の例文

ボルグスケール(Borg scale)は、スウェーデンの心理学者グンナー・ボルグが考案した、本人が感じている「きつさ」を数字で答えてもらう尺度です。看護の現場では、離床やリハビリ、歩行のときの運動のきつさ、COPDや心不全の患者の息苦しさを共有するときに使われます。

同じ「ボルグスケール」という名前でも、6〜20の15段階のものと、0〜10の修正ボルグスケールの2種類があります。数字の幅も、言葉の付き方も違うため、どちらを使っているのかを取り違えると記録の意味が変わってしまいます。この記事では、2つの評価表、使い分け、聞き方、記録の書き方を整理します。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

目次
  1. ボルグスケールは2種類ある(6〜20と0〜10)
  2. ボルグスケール(6〜20)の評価表
  3. 修正ボルグスケール(0〜10)の評価表
  4. どちらを使うかの見分け方
  5. ボルグスケールの聞き方のコツ
    1. 数字で答えにくい患者のとき
  6. ボルグスケールの看護記録の書き方と例文
    1. 例文
  7. よくある質問
    1. 修正ボルグスケールの「3」には言葉がありませんか?
    2. ボルグスケールとNRSは何が違いますか?
    3. 数字が大きくなったら、すぐに運動を止めるべきですか?
  8. まとめ
  9. 参考

ボルグスケールは2種類ある(6〜20と0〜10)

最初に、2つの違いを表で並べます。

ボルグスケール(RPE) 修正ボルグスケール(CR10)
数字の幅 6〜20の15段階 0〜10(0.5を含む12段階)
何を聞くか 運動したときの全身のきつさ 息苦しさ・きつさの強さ
よく使う場面 運動負荷・リハビリ・歩行訓練 呼吸困難の評価、COPDの運動、呼吸リハビリ
数字の特徴 健康な若い成人では、10倍するとおおよその心拍数に近くなるよう作られた 4は2の倍、8は4の倍の強さとして扱えるよう工夫されている

6〜20のスケールは、主観的運動強度(RPE:Rating of Perceived Exertion)とも呼ばれます。0〜10のものはCR10(Category-Ratio 10)とも呼ばれ、日本では「修正ボルグスケール」「修正Borgスケール」の名前で広まっています。

ボルグスケール(6〜20)の評価表

日本語版は、小野寺孝一・宮下充正(1976)による訳が広く使われています。奇数の段階に言葉が付いています。

数字 感じ方
20 (最大)
19 非常にきつい
18
17 かなりきつい
16
15 きつい
14
13 ややきつい
12
11 楽である
10
9 かなり楽である
8
7 非常に楽である
6 (安静)

言葉の付いていない偶数の段階も選んでかまいません。「ややきついときついの間」と感じれば14です。

修正ボルグスケール(0〜10)の評価表

日本緩和医療学会のガイドラインに掲載されている図をもとにすると、言葉が付いている段階は次のとおりです。

数字 感じ方
10 非常に強い
9
8
7 かなり強い
6
5 強い
4 やや強い
3
2 弱い
1 かなり弱い
0.5 非常に弱い
0 なにも感じない

修正ボルグスケールは、各段階の間隔がそろうように工夫されているため、同じ患者の変化を追うのに向いています。同じガイドラインは、使用にあたって著作者の承諾は不要としています。

日本語の言葉は資料によって少しずつ違います(「かなり弱い」を「やや弱い」とする表もあります)。病棟で使っている表の言葉に合わせ、途中で別の表に替えないことが大切です。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

どちらを使うかの見分け方

病棟で決まっている表があれば、それに従います。決まっていない場合や、記録を読むときに迷ったときは、次の目安で見分けます。

こういうとき 使われることが多いもの
「どのくらい息が苦しいですか」と聞く 修正ボルグスケール(0〜10)
呼吸リハビリ、COPDの患者の歩行・運動 修正ボルグスケール(0〜10)
「運動がどのくらいきついですか」と全身の疲れを聞く ボルグスケール(6〜20)
心臓リハビリ、運動負荷試験の記録 ボルグスケール(6〜20)が多い
痛みを聞く どちらでもない。NRSなどのペインスケールを使う

記録の数字が「13」なら6〜20、「3」なら0〜10とほぼ判断できますが、6〜10の数字はどちらでもあり得ます。記録では「修正ボルグ」「RPE」とスケール名を必ず添えましょう。

運動を続けてよいか、どの数字で止めるかといった目安は、医師やリハビリ職の指示で決まります。看護師はスケールで得た数字を、指示された範囲と照らして報告・記録する役割です。

クリアス看護では、正社員の看護師求人を掲載しています。気になる職場があれば、条件で絞り込んで探せます。

正社員の求人を見る

ボルグスケールの聞き方のコツ

ボルグスケールは本人の感じ方を聞く尺度なので、聞き方がそろっていないと数字がぶれます。

  1. 表を見せて指してもらう。口頭で「何点ですか」と聞くより、表を見せて「いまの感じはどのあたりですか」と指してもらうほうが答えやすくなります
  2. 何について聞いているかを先に伝える。足の疲れなのか、息苦しさなのか、全身のきつさなのかで答えが変わります
  3. 最初に両端を説明する。「0はまったく感じない、10は想像できるいちばん強い苦しさです」のように端を伝えると、真ん中の数字が選びやすくなります
  4. タイミングをそろえる。運動の直後に聞くのか、終わって数分後に聞くのかで数字は変わります。病棟で決めたタイミングで聞きます

数字で答えにくい患者のとき

認知機能が低下している、視力が弱い、言葉で答えにくいなどの場合は、無理に数字を出さず、表情・呼吸の様子・会話できるかどうかを観察して記録します。「スケールでの評価困難のため観察で記載」のように書いておくと、数字が抜けている理由が伝わります。

ボルグスケールの看護記録の書き方と例文

記録には、数字だけでなく次の4つを書くと、読み手が状況を再現できます。

  • どちらのスケールか(修正ボルグ/RPE)
  • いつ聞いたか(安静時、歩行直後、リハビリ終了5分後など)
  • 何をしたときか(歩行の距離、酸素の量、休憩の有無)
  • 一緒に見た所見(呼吸数、SpO2、表情、会話の様子など、施設で決まっている観察項目)

例文

病棟内歩行50m後、修正ボルグ 4(やや強い)。歩行前は 1。会話は途切れながら可能。休憩2分で 2 まで低下。

リハビリ後、RPE 13(ややきつい)と本人。「足が重い」との発言あり。前日の同じメニュー後は 11。

夜間、息苦しさの訴えあり。修正ボルグ 5(強い)。ベッドアップ後10分で 3。医師へ報告。

前回の数字を並べて書くと、変化が一目で分かります。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

この記事の内容に近い正社員の看護師求人を、クリアス看護で探せます。

正社員の求人を見る

よくある質問

修正ボルグスケールの「3」には言葉がありませんか?

日本緩和医療学会のガイドラインに載っている図では、3には言葉が付いていません。資料によっては「中くらい」などの言葉を付けているものもあります。病棟で使っている表に合わせてください。

ボルグスケールとNRSは何が違いますか?

NRSも0〜10で答えてもらう尺度ですが、各段階に言葉は付いていません。修正ボルグスケールは主な段階に言葉が付いていて、段階の間隔がそろうように作られています。息苦しさの評価ではどちらも使われるため、施設で決まっているほうを使い、途中で替えないようにしましょう。

数字が大きくなったら、すぐに運動を止めるべきですか?

止める目安は患者ごとに医師やリハビリ職が決めます。指示された目安を超えたときは、その時点の数字と一緒に見た所見を報告し、指示に従います。

まとめ

  • ボルグスケールには、6〜20のRPEと、0〜10の修正ボルグスケール(CR10)の2種類がある
  • 息苦しさを聞くなら修正ボルグ、運動の全身のきつさを聞くならRPEが使われることが多い
  • 6〜10の数字はどちらでもあり得るので、記録にはスケール名を必ず書く
  • 表を見せて指してもらい、聞くタイミングをそろえると数字がぶれにくい
  • 記録には数字に加えて、いつ・何をしたときか・一緒に見た所見を書く

参考

  • 日本緩和医療学会「進行性疾患患者の呼吸困難の緩和に関する診療ガイドライン 2023年版」Ⅱ章 背景知識(呼吸困難の評価) https://www.jspm.ne.jp/files/guideline/respira_2023/02_03.pdf
  • Borg GA. Psychophysical bases of perceived exertion. Medicine and Science in Sports and Exercise. 1982;14(5):377-381.
  • 小野寺孝一、宮下充正「全身持久性運動における主観的強度と客観的強度の対応性―Rating of perceived exertionの観点から―」体育学研究 1976;21(4):191-203.