ナースの勉強部屋

感染管理認定看護師になるには|831時間の内訳と、働きながら通うための段取り

感染管理認定看護師になるには|831時間の内訳と、働きながら通うための段取り

感染管理認定看護師を目指すとき、最初に知りたいのは「何年かかるのか」ではなく「いま働いている職場を続けたまま通えるのか」だと思う。

日本看護協会が示す感染管理分野(B課程)のカリキュラムは、総時間数831時間。この数字だけ見ると通えないように思えるが、内訳を見ると事情が変わる。この記事では時間の中身と、働きながら進めるときに実際に詰まる場面を整理する。

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目次
  1. 831時間の内訳
    1. 共通科目(380時間)
    2. 認定看護分野専門科目(195時間)
    3. 特定行為研修区分別科目(61時間)
  2. 受講までに満たす条件
  3. 働きながら通うときに詰まる3つの場面
    1. ① eラーニング期間と勤務の両立
    2. ② 臨地実習150時間の勤務調整
    3. ③ 費用
  4. 取ったあとに何をする役割なのか
  5. よくある質問
    1. A課程とB課程の違いは何ですか。
    2. 実務経験は何年必要ですか。
    3. 働きながら取得できますか。
    4. 認定を受けたあと、更新は必要ですか。
  6. まとめ
  7. 出典

831時間の内訳

感染管理分野のB課程は、次の4つで構成されている。

区分 時間数
共通科目 380
認定看護分野専門科目 195
演習/実習 195
特定行為研修区分別科目 61
合計 831

共通科目(380時間)

分野を問わず共通する土台の部分。

  • 臨床病態生理学 40
  • 臨床推論 45 / 臨床推論:医療面接 15
  • フィジカルアセスメント 基礎30・応用30
  • 臨床薬理学 薬物動態15・薬理作用15・薬物治療・管理30
  • 疾病・臨床病態概論 40 / 状況別 15
  • 医療安全学 医療倫理15・医療安全管理15
  • チーム医療論(特定行為実践)15 / 特定行為実践 15
  • 指導 15 / 相談 15 / 看護管理 15

ここが全体の46%を占める。 感染管理そのものではなく、臨床推論とフィジカルアセスメントが厚い。

認定看護分野専門科目(195時間)

ここが感染管理の中核。

  • 臨地実習(認定看護分野)150
  • 医療関連感染サーベイランス 45
  • 疫学・統計学 30 / 微生物学 30 / 感染防止技術 30
  • 感染管理学 15 / 職業感染管理 15 / 感染管理指導と相談 15
  • 洗浄・消毒・滅菌とファシリティ・マネジメント 15
  • 統合演習 15

臨地実習150時間が最大の塊で、これは自施設以外の病院で行うのが一般的である。

特定行為研修区分別科目(61時間)

B課程は特定行為研修を組み込んだ課程である。感染管理では次の2区分。

  • 感染に係る薬剤投与関連 39
  • 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 22

A課程(特定行為研修を含まない、600時間以上の課程)と比べると、この61時間ぶんが上乗せされる。

受講までに満たす条件

日本看護協会の認定看護師制度では、認定看護師になるまでに次を満たす必要がある。

  1. 看護師免許を持ち、看護師として5年以上の実践経験があること
  2. 日本看護協会が定める認定看護師教育課程を修了すること
  3. 認定看護師認定審査に合格すること

実務経験の内訳や、通算年数のうち感染管理に関連する分野での経験をどれだけ求めるかは、教育機関の募集要項によって異なる。志望する教育機関の要項を先に読むことが、遠回りに見えていちばん確実である。

働きながら通うときに詰まる3つの場面

① eラーニング期間と勤務の両立

多くの教育機関は、集合研修の前にeラーニング期間を設けている。仕事を続けながら自宅で進める形になるため、この期間の負荷が最初の山になる。

集合研修は日程が決まっているので予定を立てやすいが、eラーニングは自分で時間を作る必要がある。夜勤のある勤務との組み合わせで消耗しやすい。

② 臨地実習150時間の勤務調整

臨地実習は自施設以外の病院で行うのが一般的である。連続した日数の休みが必要になるため、シフト調整だけでは吸収しきれないことが多い。

ここで所属先の支援制度の有無が効いてくる。

  • 研修派遣の扱いにできるか(勤務として扱われるか)
  • 長期休暇・休職の制度があるか
  • 受講費用の補助があるか

「通えるかどうか」は本人の意欲より、所属先が制度を持っているかで決まる場面が多い。 出願前に確認しておく。

③ 費用

受講料のほか、教育機関が遠方であれば交通費・滞在費がかかる。B課程は特定行為研修を含むぶん、A課程より受講料が高く設定されている場合がある。金額は教育機関ごとに違うため、募集要項で確認する。

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取ったあとに何をする役割なのか

日本看護協会が示す感染管理分野の教育目的は、次の4つに整理されている。

  1. 医療関連感染予防のための高度な管理力と、臨床推論力・病態判断力にもとづく水準の高い看護実践
  2. 看護職に対する指導
  3. 看護職等に対するコンサルテーション
  4. 多職種と協働し、チーム医療のキーパーソンとしての役割を果たすこと

つまり、自分がベッドサイドで感染対策を行う役割ではなく、組織全体の感染対策を設計し、他職種を動かす役割である。サーベイランス45時間、疫学・統計学30時間がカリキュラムに入っているのはそのためで、データで現状を示し、対策の必要性を説明する仕事が中心になる。

「看護技術を極める資格」ではなく「組織を動かす資格」という理解のほうが実態に近い。

よくある質問

A課程とB課程の違いは何ですか。

B課程は特定行為研修を組み込んだ教育課程です。感染管理分野のB課程では、特定行為研修区分別科目として61時間(感染に係る薬剤投与関連39時間、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連22時間)が含まれます。

実務経験は何年必要ですか。

看護師として5年以上の実践経験が必要です。そのうち感染管理に関連する分野での経験をどれだけ求めるかは、教育機関の募集要項によって異なります。

働きながら取得できますか。

eラーニング期間は勤務と並行できますが、集合研修と臨地実習150時間はまとまった時間が必要になります。所属先の研修派遣制度や長期休暇制度の有無が、実際に通えるかどうかを大きく左右します。

認定を受けたあと、更新は必要ですか。

認定看護師の認定には有効期間があり、更新審査があります。要件は日本看護協会の定めによるため、最新の情報をご確認ください。

まとめ

感染管理認定看護師のB課程は総時間数831時間。内訳は共通科目380・専門科目195・演習実習195・特定行為研修区分別61で、共通科目が全体の46%を占める

働きながら進めるかどうかを分けるのは、次の3点。

  1. eラーニング期間に自分で時間を作れるか
  2. 臨地実習150時間ぶんの勤務調整ができるか(自施設以外で行う)
  3. 所属先に研修派遣・費用補助の制度があるか

このうち2と3は本人の努力では動かせない。出願を決める前に所属先の制度を確認することが、最初の一歩になる。

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出典

  • 公益社団法人日本看護協会「認定看護師教育 感染管理」(教育目的・カリキュラム・総時間数831時間)
  • 公益社団法人日本看護協会「認定看護師教育基準カリキュラム(B課程認定看護師教育機関)」
  • 公益社団法人日本看護協会「認定看護師」制度概要

※ 本記事は2026年9月時点の情報にもとづきます。受講要件・時間数・費用は教育機関および年度によって異なるため、志望先の募集要項をご確認ください。