ナースの勉強部屋

介護医療院で働く看護師の仕事内容とは?役割や転職の注意点・メリットを徹底解説

介護医療院で働く看護師の仕事内容とは?役割や転職の注意点・メリットを徹底解説

2018年に新たな介護保険施設として創設された「介護医療院」。医療ニーズの高い要介護高齢者を支える施設として注目を集めていますが、他の介護施設や病院とどのように違うのか、看護師として働く上でどのような役割が求められるのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護医療院への転職を検討している看護師に向けて、介護医療院の基本情報から、具体的な仕事内容、働くメリット・デメリット、転職時の注意点までを徹底的に解説します。

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目次
  1. 介護医療院とは?
    1. 他の介護施設との違い
  2. 介護医療院の2つの種類(Ⅰ型・Ⅱ型)と人員配置基準
    1. Ⅰ型介護医療院
    2. Ⅱ型介護医療院
  3. 介護医療院で働く看護師の仕事内容
  4. 介護医療院で働く看護師の給料・年収相場
  5. 看護師が介護医療院で働くメリット・デメリット
    1. メリット
    2. デメリット
  6. 介護医療院へ転職する際の注意点
  7. まとめ:介護医療院は看護師のキャリアを広げる新たな選択肢

介護医療院とは?

介護医療院は、「住まいと生活を医療が支える新たなモデル」として2018年4月に創設された介護保険施設です。日常的な医学管理が必要な要介護高齢者に対し、長期療養のための医療と、生活の場としての介護サービスを一体的に提供します。

これまでは、医療ニーズの高い高齢者が安心して長期療養できる生活の場が不足しているという課題がありました。介護医療院は、そうした高齢者の「終の棲家」としての役割を担い、プライバシーに配慮した住環境の中で、看取りやターミナルケアまでを含めたサービスを提供しています。

他の介護施設との違い

  • 介護老人保健施設(老健): 在宅復帰を目的とし、リハビリテーションを中心に行う施設です。一方、介護医療院は「長期療養・生活の場」を目的としています。
  • 特別養護老人ホーム(特養): 主に生活介護を提供する施設であり、配置されている医療職が限られているため、対応できる医療処置に限界があります。介護医療院は特養よりも医療提供体制が手厚いのが特徴です。
  • 介護療養型医療施設: 2024年3月末に廃止され、その機能の移行先として介護医療院が創設されました。病院の一部門という色合いが強かった療養病床に対し、介護医療院はより「生活施設」としての環境整備(パーテーションの設置や面積基準など)が求められています。

介護医療院の2つの種類(Ⅰ型・Ⅱ型)と人員配置基準

介護医療院は、受け入れる利用者の状態や提供する医療機能に応じて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」に分かれており、看護職員の配置基準はともに「利用者6人に対して1人以上」ですが、その他の基準に違いがあります。

Ⅰ型介護医療院

旧・介護療養病床に相当する施設で、比較的重篤な状態の方や、手厚い医療処置が必要な利用者が多く入所します。

  • 医師の配置: 利用者48人に対して1人以上(宿直義務あり)
  • 看護職員の要件: 配置される看護職員のうち、20%以上は正看護師であること

Ⅱ型介護医療院

旧・介護老人保健施設以上に相当する施設で、Ⅰ型と比較すると容体が安定している利用者が中心です。

  • 医師の配置: 利用者100人に対して1人以上(宿直義務なし)

施設の種類によって医療依存度が異なるため、看護師として求められるスキルの比重や急変時の対応頻度も変わってきます。

介護医療院で働く看護師の仕事内容

介護医療院における看護師の役割は、医療的ケアと生活支援の両立です。主な仕事内容は以下の4つに分けられます。

  1. 利用者の全身管理(バイタルチェック・急変対応)
    日々の検温、血圧、脈拍、呼吸などのバイタルサインを測定し、利用者の健康状態を把握します。高齢者はちょっとした環境の変化で体調を崩しやすいため、日々のわずかな変化を見逃さない観察力が求められます。また、容体が急変した際の一次対応や、医師への報告・連携も重要な業務です。
  2. 医療処置(胃ろう・経管栄養・喀痰吸引など)
    介護医療院には、経管栄養や喀痰吸引、インスリン注射、褥瘡(床ずれ)の処置など、日常的な医療的ケアを必要とする利用者が多く在籍しています。決められた時間での確実な服薬管理や点滴の管理など、看護師としての専門知識と技術が直接的に活かされる業務です。
  3. 日常生活の援助・介護業務のサポート
    介護医療院は生活の場であるため、食事介助、排泄介助、入浴介助、体位変換といった介護業務も発生します。基本的には介護職が中心となって行いますが、看護師もチームの一員として協力し合います。特に入浴介助の際は、利用者の皮膚状態を観察する重要な機会にもなります。
  4. 看取り・ターミナルケア
    終の棲家として入所される方が多いため、終末期のケア(ターミナルケア)や看取りも重要な役割です。利用者の身体的・精神的な苦痛を和らげる緩和ケアのほか、ご家族への精神的なフォロー、医師や他職種と連携した最期の時間のサポートを行います。

介護医療院で働く看護師の給料・年収相場

介護医療院へ転職するにあたり、気になるのが給料事情です。厚生労働省のデータや実際の求人傾向から、おおよその相場を見てみましょう。

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護施設で働く常勤の看護職員の平均給与額は月額38万4,620円、年収相場は約461万円となっています。

介護施設全体の中では、夜勤手当の有無などが給料水準に大きく関わります。介護医療院は医療依存度の高い利用者を受け入れるため、夜勤体制が敷かれていることがほとんどです。そのため、基本給に夜勤手当や諸手当が加算され、比較的高い給与になる傾向があります。

  • 常勤(夜勤あり)の月給目安: 約35万円〜43万円
  • 常勤(夜勤あり)の年収目安: 約450万円〜500万円以上
  • パート・非常勤の時給目安: 約1,700円〜1,900円前後

病院(急性期病棟など)と比較すると、平均月収は施設看護師の方が少し安くなる場合がほとんどです。しかし、「残業が少なくワークライフバランスを保ちながら、夜勤を含めて安定した収入を得られる」という点では非常にバランスの良い職場と言えます。

看護師が介護医療院で働くメリット・デメリット

メリット

  • 医療と介護のスキルを両立できる: 病院での急性期ケアとは異なり、利用者の生活に寄り添いながら慢性期の医療管理や高齢者看護のスキルを深めることができます。
  • 他職種との連携スキルが身につく: 介護職、ケアマネジャー、リハビリ専門職などと密にコミュニケーションを取りながらチーム医療を実践できるやりがいがあります。
  • 急変時の安心感: 特養などの他の介護施設と比較すると、医師の配置(特にⅠ型)や医療設備が整っているため、万が一の急変時でも医療的な対応がしやすい環境です。

デメリット

  • 体力的な負担が大きい場合がある: 介護職と連携して移乗や入浴介助などを行うため、腰痛などの身体的負担を感じるリスクがあります。
  • 看取りによる精神的負担: 長く関わってきた利用者との別れを経験する機会が多く、精神的なタフさが求められる場面があります。

介護医療院へ転職する際の注意点

介護医療院への転職を成功させるためには、事前の情報収集が欠かせません。以下のポイントを必ず確認しましょう。

  • 運営母体とこれまでの背景を確認する
    その介護医療院が「病院の療養病棟から転換したもの」なのか、「介護施設から転換したもの」なのかによって、職場の文化や業務の進め方が異なります。医療法人母体の場合は医療色が強く、社会福祉法人母体の場合は生活支援色が強い傾向があります。
  • 介護業務の範囲と設備の確認
    看護師がどこまで介護業務(特に入浴介助やオムツ交換)を担うのかは施設によってバラつきがあります。また、体力的な負担を軽減するための介護リフトや機械浴の設備が整っているかどうかも、長く働く上で重要なチェックポイントです。
  • 施設数自体がまだ少ない
    介護医療院は制度として新しいため、全国的に見ても施設数が限定的です。希望するエリアに求人が少ない場合もあるため、看護師専門の転職サイトやエージェントを活用し、非公開求人を含めて効率的に情報を集めることをおすすめします。

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まとめ:介護医療院は看護師のキャリアを広げる新たな選択肢

介護医療院は、医療ニーズの高い高齢者が安心して最期まで暮らせる「生活と医療の統合拠点」です。

そこで働く看護師には、確かな医療技術だけでなく、利用者の日々の生活に寄り添う温かな視点と、他職種と協働するコミュニケーション能力が求められます。急性期病院のような慌ただしさとは異なり、一人ひとりの利用者とじっくり向き合える環境は、高齢者看護を極めたい方にとって非常に魅力的な職場と言えるでしょう。

転職を検討する際は、施設の種類(Ⅰ型・Ⅱ型)や運営母体、実際の業務範囲をしっかりと見極め、自身のキャリアプランや働き方の希望に合った職場を見つけてください。