ナースエイドと看護助手の違い|呼び方が違うだけの職種と、本当に線を引くべき相手
先に結論を書きます。ナースエイドと看護助手は、同じ職種の別の呼び名です。
厚生労働省は、この職種を「看護補助者」という名前で扱っており、その説明のなかで「看護助手、看護アシスタント、ナースエイド、ケアワーカー等」と、呼称が複数あることをそのまま示しています。制度のうえで2つを区別する線は引かれていません。
では何を比べればいいのか。求人を選ぶときに本当に迷うのは、看護助手と介護職、そして看護助手と准看護師の間です。この記事ではその線を引きます。
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なぜ呼び方が分かれているのか
制度上の正式な名称は「看護補助者」です。ただし、この言葉が求人票や院内でそのまま使われることは多くありません。
代わりに、それぞれの職場が自分たちの呼び方を使います。
| 呼び方 | よく使われる場面 |
|---|---|
| 看護補助者 | 診療報酬や医療法など、制度・書類のなか |
| 看護助手 | 病院・クリニックの求人票でもっとも一般的 |
| ナースエイド | 病院の院内呼称、募集ページのタイトル |
| 看護アシスタント | 比較的新しく設けられた職種名として使う施設 |
| ケアワーカー | 介護施設寄りの職場や、介護職と兼ねる場合 |
つまり「ナースエイド募集」と「看護助手募集」を並べても、名前だけでは何も判断できません。呼称の違いは、その病院の言葉づかいの違いでしかないからです。
見るべきなのは名称ではなく、募集要項の業務内容欄です。
看護補助者の業務は3つに分かれる
厚生労働省は、看護補助者の業務を次の3つに整理しています。
- 生活環境に関わる業務(病室の清掃、シーツ交換、ベッドメイキング、備品の整理)
- 診療の周辺業務(診療材料の補充、検体や書類の搬送、器材の準備)
- 日常生活に関わる業務(配膳、食事の介助、移動の付き添い、入浴や排泄の介助)
そして重要なのが、これらに専門的な判断は必要ないと明記されている点です。無資格・未経験でも働けるのはこのためです。
逆に言えば、医行為や診療の補助にあたる行為は、看護補助者の業務ではありません。ここは資格によって決まる範囲なので、呼び方が「ナースエイド」でも変わりません。
具体的に何をどこまでやるかは、看護師長や看護職員の指導のもとで決まります。日本看護協会も、看護チームのなかでの業務の分担についてガイドラインを出しています。
境界線1:看護助手と介護職のどちらを選ぶか
ここが実際に迷うポイントです。仕事の中身は重なりますが、置かれる場所と求められるものが違います。
| 看護助手(看護補助者) | 介護職(介護施設) | |
|---|---|---|
| 主な職場 | 病院・クリニックの病棟、外来、手術室 | 特別養護老人ホーム、老健、有料老人ホーム |
| 一緒に働く相手 | 看護師・准看護師が中心 | 介護福祉士・生活相談員が中心 |
| 業務の比重 | 環境整備・物品搬送・診療の周辺業務が多い | 生活支援・介助が中心 |
| 対象となる人 | 治療のために入院している患者 | 生活の場としてそこにいる利用者 |
| 資格 | 無資格でも可 | 無資格でも可(介護福祉士で待遇が変わる) |
| 夜勤 | 病棟配属だとあることが多い | 施設によりあり |
選ぶときの判定はこの3つです。
医療の現場に慣れたいか、生活を支えたいか
将来的に准看護師や看護師を目指すなら、病院の看護助手のほうが現場の流れに触れられます。病棟の1日、申し送りの様子、看護師の動き方を間近で見られる環境です。
一方、一人ひとりの生活にじっくり関わりたいなら、介護施設のほうが向いています。病院は在院日数が決まっているため、関わる期間が短くなります。
体力の使い方が違う
看護助手は物品の搬送や環境整備で院内を動き回る時間が長く、介護職は移乗や入浴介助のように特定の動作の反復が多くなります。どちらもきつさはありますが、きつさの種類が違います。
取った資格がどこにつながるか
介護の道に進むなら、介護職員初任者研修や介護福祉士がそのまま待遇に反映されます。看護の道に進むなら、准看護師の資格を目指すのが次の段階です。
どちらの資格が自分のキャリアにつながるかで決めるのが、いちばん失敗しにくい選び方です。看護助手として持っておくと役立つ資格は看護助手に資格は必要?無資格で働ける理由と、取っておくと役立つ4つの資格にまとめています。
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境界線2:看護助手と准看護師
同じ病棟にいても、この2つはまったく別の職種です。
| 看護助手(看護補助者) | 准看護師 | |
|---|---|---|
| 資格 | 不要 | 都道府県知事免許 |
| 養成期間 | なし | 2年 |
| できること | 環境整備・生活援助・診療の周辺業務 | 医師・看護師の指示のもとで診療の補助 |
| 配置基準への算入 | 看護職員の人数には入らない | 看護職員として算入される |
| 給与 | 資格手当なし | 資格手当がつくことが多い |
この表でいちばん大きいのは「配置基準に入るかどうか」です。病院は医療法や診療報酬で看護職員の人数が決められていますが、看護補助者はその人数に含まれません。だから准看護師の資格があると、病院にとっての価値が変わり、それが給与に反映されます。
看護助手として働きながら准看護師を目指す人は多くいます。ただし看護助手としての経験年数は、看護師養成課程の入学要件にはなりません。入学資格として認められるのは准看護師としての実務経験だけなので、進学の設計をするときは注意してください。
准看護師との業務範囲の違いは准看護師にできないことは? 看護師との違いは?で詳しく扱っています。
求人票で見るべき4つの欄
「ナースエイド」でも「看護助手」でも、確認する場所は同じです。
配属先
病棟・外来・手術室・中央材料室で、仕事の内容はかなり変わります。外来なら日勤のみになりやすく、病棟なら夜勤が入ります。手術室や中材は器材の準備・洗浄・滅菌が中心で、患者と直接関わる場面が少なくなります。
夜勤の有無と回数
病棟配属だと夜勤が入ることが多くなります。「夜勤あり(月4回程度)」のような記載があるかを確認してください。記載がない場合は面接で必ず聞きます。
介助業務がどこまで含まれるか
同じ看護助手でも、排泄・入浴の介助まで担当する職場と、環境整備と搬送が中心の職場があります。ここは募集要項に書かれていないことが多いので、見学か面接で確認する項目です。
資格手当と経験加算
無資格でも働けますが、介護職員初任者研修などを持っている場合に手当がつく職場があります。求人票の給与欄に「資格手当」の項目があるかを見てください。
看護助手・ナースエイドの求人を実際に見る
呼び方の違いに迷うより、実際の募集条件を並べて見たほうが早く判断できます。
勤務地・施設形態・こだわり条件で絞り込めます。病院と介護施設の両方を並べて、夜勤の有無と業務内容欄を見比べてみてください。同じ地域でも職場によってかなり違います。
地域から探す場合はこちらからどうぞ。
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よくある質問
ナースエイドと看護助手で、仕事内容に違いはありますか。
制度上の違いはありません。どちらも厚生労働省のいう「看護補助者」で、同じ呼称の並びに挙げられています。実際の仕事内容は、名称ではなく配属先と職場の方針で決まります。
ナースエイドのほうが給料は高いですか。
呼び方で差がつくことはありません。給与は病院の規模、夜勤の有無、地域、保有資格で決まります。求人票の金額で比べてください。
看護補助者と看護助手はどちらが正式名称ですか。
制度上の名称は「看護補助者」です。求人票では「看護助手」がもっとも一般的に使われています。
無資格・未経験でも応募できますか。
できます。厚生労働省も、無資格・未経験で医療現場で働ける職種として案内しています。ただし職場によっては経験者を優先する募集もあります。
看護助手から看護師になれますか。
なれます。ただし看護助手としての経験年数が入学要件になるわけではありません。准看護師養成所や看護師養成課程に進む必要があります。現場に慣れた状態で学べる点が利点です。
看護助手は医療行為をしますか。
しません。看護補助者の業務は、専門的判断を必要としない範囲と定められています。医行為や診療の補助は看護職員の業務です。
まとめ
- ナースエイドと看護助手は同じ職種。厚生労働省は「看護補助者(看護助手、看護アシスタント、ナースエイド、ケアワーカー等)」と並記している
- 呼び方の違いは職場の言葉づかいの違いで、待遇や業務の差ではない
- 業務は生活環境・診療の周辺・日常生活の3分野で、専門的判断は必要としない
- 本当に線を引くべきは看護助手と介護職、そして看護助手と准看護師
- 准看護師は配置基準の人数に算入されるが、看護補助者は算入されない。ここが給与差の根拠
- 求人票では名称ではなく、配属先・夜勤・介助の範囲・資格手当の4つを見る