ナースの勉強部屋

保健師の資格はどう取る?看護師からの3つのルートと、働きながら目指せるか

保健師の資格はどう取る?看護師からの3つのルートと、働きながら目指せるか

「夜勤のない働き方に変えたい」「病気になる前の段階で関わりたい」

そう考えて保健師を目指す看護師は少なくありません。ただ、資格の取り方を調べると「1年制」「大学編入」「大学院」といった選択肢が並び、自分にどれが合うのか分かりにくくなります。

この記事では、看護師資格を持っている人が保健師になるための3つのルートを整理します。働きながら目指せるのかという点にも触れます。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

目次
  1. 保健師になるには、2つの国家資格が要る
  2. 看護師から保健師になる3つのルート
    1. ① 保健師養成学校(1年制)— 最短ルート
    2. ② 大学の3年次編入 — 学士も取れる
    3. ③ 大学院(修士課程)
  3. 働きながら取れるのか
  4. 資格を取ったあと、どこで働くか
  5. 国家試験について
  6. 費用の目安
  7. よくある質問
  8. まとめ

保健師になるには、2つの国家資格が要る

まず前提です。保健師として働くには、保健師国家試験に合格したうえで、看護師資格も持っている必要があります。

保健師助産師看護師法により、保健師籍への登録には看護師免許を有することが要件とされています。つまり「保健師資格だけ持っている」という状態では働けません。

すでに看護師として働いている方は、この前提をすでに満たしていることになります。あとは保健師養成課程を修了し、国家試験に合格するだけです。

看護師から保健師になる3つのルート

ルート 期間 特徴
① 保健師養成学校(1年制) 1年 最短。専門学校・短大の専攻科
② 大学の3年次編入 2年 学士も同時に取得できる
③ 大学院(修士課程) 2年 研究職・教育職も視野に入る

① 保健師養成学校(1年制)— 最短ルート

看護師免許(または取得見込み)を対象とした1年制の課程です。専門学校の専攻科や短期大学の専攻科として設置されています。

最短で資格が取れる一方、設置している学校数が少なく、競争率が高い傾向にあります。地域によっては通学圏内に選択肢がないこともあります。

② 大学の3年次編入 — 学士も取れる

看護系大学の3年次に編入し、2年間で保健師課程を修了するルートです。

保健師資格に加えて学士(看護学)が得られる点が利点です。行政保健師を目指す場合、公務員試験の受験資格や昇進で学士が意味を持つ場面があります。

⚠️ 注意点があります。2011年のカリキュラム改正以降、多くの看護系大学で保健師課程が選択制になり、履修できる人数に定員が設けられています。編入したからといって自動的に保健師課程を履修できるとは限らないため、募集要項で「編入生が保健師課程を選択できるか」を必ず確認してください。

③ 大学院(修士課程)

大学院で保健師課程を置いている大学もあります。研究や教育の道を視野に入れる場合の選択肢です。

働きながら取れるのか

結論から言うと、フルタイムで働きながらの取得は現実的ではありません。

保健師課程には実習が含まれます。地域看護学実習、産業保健実習などで、平日の日中に数週間まとまった時間が必要になります。この期間は勤務との両立が困難です。

現実的な進め方は次のいずれかです。

  • 退職して1年間、学業に専念する(①の1年制が最も期間が短い)
  • 非常勤・パートに切り替えて通学する(授業のない日に単発勤務)
  • 勤務先の修学支援制度を使う(自治体や大規模病院に制度がある場合がある)

⚠️ 貯蓄と生活費の見通しを立ててから決めるべきです。1年制でも学費に加えて生活費が必要になり、その間の収入は大きく減ります。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

資格を取ったあと、どこで働くか

保健師の就業先は行政に大きく偏っています。厚生労働省の「令和6年衛生行政報告例」によれば、就業保健師63,536人のうち、

  • 市区町村 33,217人(52.3%)
  • 保健所 9,623人(15.1%)
  • 事業所 5,045人(7.9%)
  • 病院 3,987人(6.3%)
  • 都道府県 1,985人(3.1%)

市区町村・保健所・都道府県を合わせると70.5%が行政です。

🔴 ここが重要なのですが、行政保健師になるには公務員採用試験を受ける必要があります。資格を取っただけでは就職できません。

  • 募集は自治体ごとに年1回が基本
  • 試験は教養試験・専門試験・面接
  • 年齢上限が設けられている自治体がある

資格取得のスケジュールと、志望する自治体の採用試験の時期を合わせて計画する必要があります。資格を取った年に採用試験がない、という事態は避けたいところです。

就業先の選び方については、保健師の求人はどこにある?行政・産業・病院の違いと、自分に合う就業先の選び方 で詳しく整理しています。

国家試験について

保健師国家試験は年1回、2月に実施されます。看護師国家試験と同時期のため、看護学生が両方を受験するケースもあります。

すでに看護師免許を持っている方は、保健師国家試験のみの受験となります。

費用の目安

学校の種別によって幅がありますが、1年制の専攻科でも入学金と授業料を合わせて年間100万円前後が一つの目安です。大学編入・大学院の場合は2年分が必要になります。

これに加えて、通学期間中の生活費と、収入が減る分を見込んでおく必要があります。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

よくある質問

Q. 保健師の資格は独学で取れますか。

取れません。指定の養成課程を修了することが国家試験の受験資格となっているため、必ず学校に通う必要があります。

Q. 看護師として働いた経験は必要ですか。

資格取得の要件としては不要です。ただし産業保健師の求人では、臨床経験3年程度を条件にする企業が多くあります。行政保健師は新卒採用があり、経験を問われないことが一般的です。

Q. 保健師と看護師で給料は変わりますか。

勤務先によります。行政保健師は公務員の給与体系となり、夜勤手当がないぶん総額では看護師を下回る場合もあります。一方で生活リズムの安定や休暇の取りやすさという面があります。

Q. 資格を取ったあと、すぐに保健師として働けますか。

行政の場合、採用試験に合格する必要があります。募集時期が年1回のため、タイミングが合わないと1年待つことになります。

Q. 養護教諭の免許も取れると聞きました。

保健師資格を取得すると、申請により養護教諭二種免許状を取得できる場合があります。要件があるため、詳細は文部科学省または各都道府県の教育委員会に確認してください。

まとめ

  • 保健師として働くには、看護師資格と保健師資格の両方が必要
  • 看護師からのルートは3つ。1年制の養成学校が最短、大学編入は学士も取れる、大学院は研究職も視野に
  • ⚠️ 大学編入は「保健師課程が選択制で定員あり」の場合がある。募集要項で必ず確認する
  • 実習があるため、フルタイム勤務との両立は現実的でない。退職・非常勤化・修学支援制度のいずれかで臨む
  • 🔴 就業先の7割は行政。ただし公務員採用試験があり、募集は年1回。資格取得と採用試験のスケジュールを合わせる

資格を取ることと、働き始めることは別のハードルです。志望する自治体の採用試験の時期を先に調べてから、学校選びを始めると、無駄な待ち時間を減らせます。


参考