回復期看護とは?役割・仕事内容から急性期や慢性期との違いまで徹底解説
回復期看護とは、心身の状態が不安定な「急性期」を脱して、身体機能の回復を図る時期である「回復期」の患者に対する看護のことです。
具体的にどのような看護で、どのような看護師に向いている仕事であるのかを解説していきます。
回復期看護の仕事のやりがい、大変なこと、この仕事の向き・不向きについては、株式会社Donutsが独自に集計したアンケート結果も交えながらお伝えしていきます。
看護師専門転職サービス
「クリアス看護」
LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。
回復期看護とは
回復期看護とは、急性期の治療を終えた患者に対して、ケガや病気を発症する前のように生活できるよう、ADL(日常生活動作)の向上を目的に提供する看護のことです。
なお、厚生労働省は、診療報酬における機能に応じて、医療機関の医療機能を「高度急性期機能」「急性期機能」「回復期機能」「慢性期機能」の4つに分類していますが、このうち回復期看護は、回復期機能を有した医療機関で提供されるものです。
4つの機能の違いは次の通りです。
| 医療機能の名称 | 医療機能の内容 |
| 高度急性期機能 | 急性期の患者に対して、状態の早期安定化に向けて、診療密度が特に高い医療を提供する機能 【高度急性期機能に該当すると考えられる病棟の例】 救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室、新生児治療回復室、小児集中治療室、総合周産期集中治療室であるなど、急性期の患者に対して診療密度が特に高い医療を提供する病棟 |
| 急性期機能 | 急性期の患者に対して、状態の早期安定化に向けて医療を提供する機能 |
| 回復期機能 | 急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能。 特に、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などの患者に対して、ADLの向上や在宅復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に提供する機能(回復期リハビリテーション機能) |
| 慢性期機能 | ・長期にわたり療養が必要な患者を入院させる機能 ・長期にわたり療養が必要な重度の障害者(重度の意識障害者を含む)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を入院させる機能 |
回復期看護を必要とする患者は、上表の通り、急性期を経過した脳血管疾患や大腿骨頚部骨折等の患者をはじめ、在宅復帰のためにリハビリテーションを必要としています。
そのため、回復期にある患者の多くが入院する病棟は、「回復期リハビリテーション病棟」と呼ばれています。つまり、回復期看護に携わる看護師は、基本的には回復期リハビリテーション病棟で働くということです。
加えて、急性期治療を終えたものの、「自宅での生活に不安がある」「もう少し回復を待ちたい」といった患者に対して、在宅復帰に向けた医療や退院支援、リハビリテーションを提供する「地域包括ケア病棟」なども、回復期看護を提供することがあります。
なお、回復期リハビリテーション病棟は、2025年3月時点において、全国約1,600の病院内に2,122病棟存在します。また、回復期リハビリテーションに入院する患者の最長入院日数は180日です。
参照:
一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会「回復期リハビリテーション病棟とは」
厚生労働省「病床機能報告において【回復期】と報告された病床の主な病棟について」
回復期リハビリテーション病棟は、対象疾患に当てはまらないと入院できない
前述の通り、回復期にある患者は、回復期リハビリテーション病棟や地方包括ケア病棟などに入院するのが一般的ですが、この2つの病棟には大きな違いがあります。
前者は、“対象疾患”に当てはまらないと入院できないという点です。また、それぞれの疾患ごとの最長入院期間も決められています。
一方、後者は厚生労働省が公表している次の3つの役割を担うための病棟であって、特定の疾患の患者に限定して受け入れているわけではありません。
【地方包括ケア病棟の役割】
- 急性期治療後の受け入れ(ポストアキュート)
- 在宅・施設からの緊急受け入れ(サブアキュート)
- 在宅復帰支援
そのため、入院している患者の入院理由は多種多様です。
なお、回復期リハビリテーション病棟における対象疾患ごとの入院期間は次の通りです。つまり、回復期リハビリテーション病棟で働く看護師は、この期間内に患者が在宅・社会復帰できるようサポートすることが大切だということです。
| 対象疾患 | 入院期間 |
| 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発性神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷(わんしんけいそうそんしょう)等の発症後もしくは手術後、または義肢装着訓練を要する状態 | 150日 |
| 高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷および頭部外傷を含む多部位外傷の場合 | 180日 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折、または2 肢以上の多発骨折の発症後、または手術後の状態 | 90日 |
| 外科手術または肺炎などの治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 | 90日 |
| 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節または膝関節の神経、筋または靭帯損傷後の状態 | 60日 |
| 股関節または膝関節の置換術後の状態 | 90日 |
| 急性心筋梗塞、狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患または手術後の状態 | 90日 |
回復期看護に携わる看護師の役割・仕事内容
回復期看護に携わる看護師は、主に次のような役割を担っています。
- 転科・入退院の対応
- リハビリテーション支援
- 健康管理
- 処置・検査
- 日常生活サポート
- 退院支援・在宅復帰サポート
- カンファレンス参加
- 患者や家族のメンタルケア
それぞれ詳しくみていきます。
入院時の対応
前述の通り、急性期を経て回復期リハビリテーション病棟などに入院するパターンが基本となるため、患者の入院手続き・入院生活についての説明のほか、患者についての情報収集や看護計画の立案なども大切な仕事となります。
リハビリテーション支援
歩行の付き添いや声掛けをはじめ、ADLの向上のためのリハビリテーションは、回復期看護においてもっとも大切な業務です。
回復期リハビリテーション病棟でのリハビリは1日3時間まで
厚生労働省の診療報酬制度によって、回復期リハビリテーション病棟におけるリハビリの時間は、1日最大3時間(1単位20分で9単位までOK)まで算定可能とされています。
なお、急性期病院でのリハビリは1日最大2時間までとされているため、回復期リハビリテーション病棟で働く看護師は、急性期病棟で働く看護師より、リハビリに関わる時間が長くなる場合が多いでしょう。
健康管理
回復期の患者は、急性期の患者と比べると状態が安定してはいるものの、急変リスクが全くないということはありません。そのため、バイタル測定や健康状態の観察を通して、異変がないかどうかを継続的にチェックすることが大切です。
処置・検査
採血や経管栄養、あるいは褥瘡や創傷などの処置や検査はありますが、急性期看護とは異なり、心電図モニターなどに関する医療行為は少ないです。
日常生活サポート
食事、入浴、排せつなどの介助も大切な仕事です。患者の状態によっては、介助はほとんど必要としていないこともあります。
退院支援・在宅復帰サポート
先に解説した通り、回復期リハビリテーション病棟では入院期間が定められています。そのため、期限を迎えるまでの間に、在宅・社会復帰へ向けて調整することが不可欠です。
具体的には、家屋状況の確認、福祉用具の調整、家族への説明など、退院後の生活全般を見据えて包括的にサポートします。必要に応じて、患者が暮らしている地域とも連携を取ります。
また、退院後の健康管理に関して、家族に指導を行うこともあります。あるいは、転科が必要だと判断される場合には、転科に関する情報提供などを行う必要があります。
カンファレンス参加
回復期の患者をさまざまな角度からサポートするためには、医師やPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)をはじめとする他職種と必要な情報を共有して、しっかり連携していくことが不可欠です。そのため、日々のカンファレンス参加も大事な業務の一環ということになります。
患者や家族のメンタルケア
回復期の患者は、在宅・社会復帰に不安を抱いていることもあれば、長期間にわたる入院生活によって多大なストレスを抱えていることもあります。
そうした患者が安心して療養生活を送れるよう、不安な気持ちに寄り添うことも大切な仕事です。場合によっては、患者の家族のメンタルケアも重要になってきます。
看護師専門転職サービス
「クリアス看護」
LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。
回復期看護と慢性期看護の違いは?
ここまで解説してきた通り、急性期とは、ケガや病気の発症直後で心身の状態が不安定な期間です。一方、回復期は、急性期を経て、身体機能の回復を図る期間です。では、回復期看護と慢性期看護の違いはというと、一言でいうと次の通りです。
- 回復期看護→機能回復・在宅復帰を目指す看護
- 慢性期看護→長期療養生活を支える看護
項目別に比較すると次の表の通りです。
| 項目 | 回復期看護 | 慢性期看護 |
| 主な目的 | ADL回復・在宅復帰 | 病状安定・生活維持 |
| 患者像 | 回復可能性が比較的高い | 長期的な疾患管理が必要 |
| 入院期間 | 数週間〜数か月 | 数か月~年単位も |
| リハビリテーション | 非常に重視 | 維持目的が中心 |
| 看護の特徴 | 患者ができることを増やす | 悪化を防いで生活を支える |
| ゴール | 退院・社会復帰 | 安定した療養生活 |
| よくある病棟 | 回復期リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟 | 療養病棟、介護医療院など |
回復期看護の特徴
回復期看護は、急性期看護と比べると患者の状態が安定しており、“状態の変化から目が離せない”などといったことが起きにくいため、看護師側も落ち着いてじっくり患者と関わることができます。
前述の通り、リハビリの時間が他の看護期と比べて長く、また、入院期間そのものも急性期と比べると長いため、患者との信頼関係が強化されていきやすいでしょう。
また、急性期病棟と比べると入院期間が長い場合が多いとはいえ、回復期看護のゴールは退院・社会復帰であるため、目標とする期限までにADLを回復させて在宅復帰させられるよう、他職種と連携しながらリハビリを進めていくことが不可欠です。
医師やPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)のほか、ソーシャルワーカーや薬剤師などとしっかり連携できるよう、日々のカンファレンスで情報共有・意見交換を行うことが大切です。
参照: 厚生労働省「回復期リハ病棟における病棟専従チームのあり方(看護と他職種との関係づくり)」
回復期看護で求められる能力
回復期看護を提供する看護師に求められる能力は次の通りです。
コミュニケーション能力
回復期においては、看護師は、一人ひとりの患者と比較的長期間にわたって関わっていくことになるため、高いコミュニケーション力が不可欠です。
回復期患者は、「以前のように動けない」「リハビリが辛い」「退院後の生活が不安」などのストレスを抱えやすいため、気持ちが落ち込んでいるときに励まし、意欲を引き出すためにもコミュニケーション力が必要です。
また、小さな回復を一緒に喜ぶことができる看護師であれば、患者のやる気も向上します。さらに、回復期看護を行うにあたっては多職種連携が必須となることから、他職種としっかりコミュニケーションをとっていくことも求められます。
観察力
リハビリを通してADLが向上して、着実に退院・在宅復帰というゴールに向かうことができているのかどうか、しっかり観察することが必要です。
リハビリの成果はある日突然出るものではなく、徐々によくなっていくのが一般的だからこそ、少しの変化にでも気づける観察力がある看護師が重宝されます。
また、なかには、「早くよくなりたい」との思いからリハビリに熱を入れ過ぎて、大きな負荷がかかっている患者、強い疲労を感じている患者もいるので、そういうケースに関しても見落とさないことが大切です。
プラスの変化に関して、たとえば「昨日より立位保持時間が長い」「食事中にむせることが少なくなった」「更衣動作が一部自立した」などを確認できた際には、他職種に共有することも大切です。もちろん、注意したい点として気づいたことに関しても、同じように他職種に共有します。
忍耐力・継続力
リハビリの結果はなかなか出ない場合もあります。そのため、看護師が「毎日続けても変化が見られない」と不安になることもあれば、患者本人が「もうやりたくない」とさじを投げようとすることもあるでしょう。そうした場合に辛抱強く患者を励まし、二人三脚でリハビリを続けていくことが大切です。
また、成果が出にくい場合があるだけでなく、「昨日できたと思ったらまたできなくなっている」など一進一退を繰り返す場合もあるので、そうしたケースも珍しくないことを理解したうえで、長期的視点を持って患者を支えていくことが大切です。
調整力
調整力は、特に退院支援において必要です。地域や転科先と連絡を取り合って、患者が退院後に安心して過ごせるよう環境を整えることが大切だからです。また、日々のリハビリを続けていくにあたって、他職種と意見交換しながら、必要に応じてリハビリの内容を調整していくことも必要になります。
また、「自宅退院できるか」「施設が必要か」をチームで検討する際に、多職種の橋渡し役として立ち回ることが求められる場合も多いです。
指導力
患者や家族の不安な気持ちに寄り添いながらも、患者が退院後、問題なく生活できるよう、ときには適切に指導することが必要です。
具体的には、転倒予防、服薬管理、誤飲を防ぐ食事方法、排泄方法、家族での介助方法、福祉用具の使い方などを、患者やその家族に説明します。
また、患者が自分でできることを増やせるよう、単に教えるだけでなく、「教えたことを実際に患者にやってもらう」「継続できる方法を一緒に考える」なども求められます。
回復期看護のやりがい
回復期看護の一番のやりがいは、患者の在宅・社会復帰を見届けられる点にあります。また、そのゴールに向かって患者と二人三脚でリハビリを続けていく過程においては、一緒に患者の変化を喜び合うことができますし、日々のサポートに対して患者やその家族から感謝してもらえることも多いです。
また、多職種で一丸となって患者の在宅・社会復帰というゴールに向かう経験を通して、チームで患者をサポートすることの意義ややりがいを強く感じられるでしょう。
現役看護師へのアンケートでは次のような声が上がっています。
「“昨日より歩けた”“最初は寝たきりだったのに杖で退院できた”などの目で分かる変化が大きいため、やりがいを感じやすいです」(にくまんさん・20代女性)
「回復していく過程を目の当たりにできるのでやりがいにつながります。歩けるようになった、話せるようになった、食べられるようになったという流れを確認できるのは回復期の大きな特徴です」(りょうさん・30代女性)
「他職種でのチーム医療や連携を楽しめる人は、チームで患者を支援できることにやりがいを感じやすいかもしれません」(まゆこさん・40代女性)
患者の回復を見届けられることや、チームで一丸となって患者をサポートできることが、大きなやりがいだという考えの人は多いようです。
すべての患者が同じように快復に向かうとは限りませんが、スムーズな快復となるパターンとそうでないパターンの両方を経験するからこそ、「こんなときどんなふうにサポートすれば成果が出やすい?」に対する自分なりの答えも見つかりやすいでしょう。
回復期看護の大変さ
回復期看護においては、リハビリテーションや日常生活援助が大きな割合を占めます。リハビリテーションや生活支援の内容によっては、患者の体重を支えなければならない場面があるため、肉体疲労が蓄積されやすいことを辛いと感じる人もいるかもしれません。
また、ADL向上は一朝一夕ではないため、辛抱強く同じことを続けなければならないことをしんどいと感じる人もいるでしょう。
現役看護師へのアンケートでは次のような声が上がっています。
「リハビリの経過を確認しながら、退院先は自宅がいいのか施設がいいのかを検討したり、その患者はどこまで自分でできるようになる必要があるのかを考えたりすることも必要です。大変なぶんやりがいもありますが、患者とその家族の生活背景に寄り添って、その立場になって考えることができる人でなければ務まりません」(juninoaloveさん・30代女性)
「回復期には患者はある程度動けるようになってくるものの、点滴などのカテーテルが体内に留置されている場合が多いため、転倒や抜去のリスクを考慮しながらケアと観察をしなければいけないところ。しかも、離床、退院に向けての生活指導にも責任があるので、実は回復期病棟が一番忙しいように思います」(yukariさん・30代女性)
入院中に患者が安全に過ごすことができるよう、注意深く見守るだけでなく、退院後の生活にも目を向けなければならないことから、「回復期看護はやることが多くて大変」という考えがあることがわかりました。
回復期看護に向いている人
回復期看護に向いている人の特徴としては、「人とじっくり関わるのが好き・得意」「コミュニケーションを大切にできる」「チームで働くのが好き・得意」「医療的処置だけでなく日常生活援助も好き・得意」などが挙げられます。
現役看護師へのアンケートでは次のような声が上がっています。
「急性期を抜けると、変化が小さくなるので、ちょっとした変化を敏感に察知できて、いろんなことを想定して動けるといいと思う」(さささん・20代女性)
「リハビリを目的とした医療をメインに学びたい人に向いています」(nursepapaさん・30代男性)
「身体を動かすことや、お話することが好きな人に向いていると思う」(さっしーさん・20代女性)
仕事内容の好き・嫌い、得意・不得意に加えて、「リハビリを学びたい気持ち」が大きい人も、確かにとても向いているといえます。
しかも、高齢化社会においては、リハビリに強い看護師は重宝されることから、リハビリスキルを伸ばす意欲があるかどうかは重要なキーポイントになっていきそうです。
回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の1日のスケジュール例
続いて、回復期リハビリテーション病棟で働く看護師の、日勤の場合の1日のスケジュール例をみていきましょう。
| 時間 | 主な業務 | 具体的な内容 |
| 8:30 | 出勤・情報収集 | 夜勤看護師から申し送りを受け、患者の夜間状態やリハビリ予定確認 |
| 9:00 | 朝のケア | 更衣介助、洗面、排泄介助、オムツ交換、清拭など |
| 10:00 | 検温・健康管理 | バイタル測定、全身状態観察、環境整備のほか、曜日によっては入浴介助やカンファレンス参加も |
| 11:30 | 昼食準備 | 患者を食堂へ誘導、配膳準備や車椅子移乗 |
| 12:00 | 食事介助・服薬介助 | 食事介助、服薬確認、口腔ケア、嚥下状態観察など |
| 13:00 | 午後のケア | 排泄介助、オムツ交換、ナースコール対応など |
| 14:00 | カンファレンス・ 退院支援 | PT・OT・ST・MSWなど多職種と情報共有して、退院支援やADL評価を実施 |
| 15:30 | 看護記録・ラウンド | 電子カルテ入力、患者状態確認、病棟内リハビリ支援 |
| 16:30 | 申し送り | 夜勤看護師へ患者状態や注意点を共有 |
| 17:00頃 | 退勤 |
夜勤で多い業務
なお、夜勤の場合、これに加えて次のような業務が多くなります。
定時ラウンド
患者の睡眠中には、転倒防止、排泄介助、体位変換、不穏対応などに対応することが多いです。
睡眠管理
回復期リハビリテーション病棟の入院対象となっている疾患は、高齢者がかかる場合が多いため、必然的に高齢患者の割合が高くなります。
そのため、せん妄、夜間離床、認知症対応なども重要な仕事ということになります。
急性期との時間の使い方の違い
回復期リハビリテーション病棟と急性期病棟では、1日の流れにおける時間配分、患者の入院期間における時間配分がかなり異なります。
なぜかというと、
- 急性期=「治療・急変対応が中心」
- 回復期=「生活支援・リハビリ中心」
だからです。
比較イメージは次の通りです。
| 時間の使い方 | 急性期病棟 | 回復期リハビリテーション病棟 |
| 優先事項 | 救命・治療 | ADL回復 |
| 業務ペース | 速い | 比較的ゆっくり |
| 緊急対応 | 多い | 少ない |
| 医療処置 | 非常に多い | 少な目 |
| リハビリ支援 | 補助的 | 日常的 |
| 会話時間 | 短め | 長め |
| 退院支援 | 退院直前中心 | 入院早期から |
回復期看護からのキャリアパス
回復期看護は幅広いスキルを必要とするため、回復期リハビリテーション病棟などで経験を積むと、その後のキャリアの選択肢が広くなります。
経験としての特徴は、「幅広い知識・スキルを得られる」「医療処置も介護寄りのケアもできるようになる」「患者や家族を比較的長期間にわたってサポートできる」であるため、この経験をもとに考えられる選択肢を解説していきます。
病棟内で主任や看護師長などの管理職にキャリアアップする
回復期看護では、多職種連携や退院支援の調整力が重視されるため、管理職への適性を伸ばしやすいといえます。多職種カンファレンスの運営、スタッフ教育、病棟運営などを任されることも多いため、管理職に必要なスキルが自然と身につきます。
専門資格を取得してスペシャリストになる
回復期看護においては、ADL支援、リハビリ看護、退院支援、認知症ケア、家族支援の比重が大きいため、これらを専門化しやすくなります。代表的な資格とは次の通りです。
- 認定看護師
- 専門看護師
- 摂食嚥下関連資格
- 認知症ケア関連資格
- 退院支援・在宅支援関連資格
など
地域連携・退院支援分野に進む
回復期看護では、患者の退院後の生活を強く意識して働くため、次のような職場にシフトチェンジする人もいます。
- 地域連携室
- 退院支援部門
- 入退院支援センター
など
在宅・地域看護に進む
回復期で培う、生活支援、家族支援、自立支援、リハビリ支援の経験は、在宅分野と相性がいいです。そのため、次のような職場にシフトする人も多いです。
- 訪問看護ステーション
- 介護施設
- デイケアセンター
- 介護老人保健施設
など
教育・指導分野へと進む
回復期では、「患者の“できる力”を引き出す関わり」が重要なため、教育的視点を養いやすいといわれています。そのため、市実習指導者、院内教育担当、看護学校教員などの道を選択する人もいます。
ま上記のほかに、回復期で一定期間経験を積んだ後、急性期に戻る、あるいは転向する人もいます。
看護師専門転職サービス
「クリアス看護」
LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。
回復期看護に関してよくある質問
続いては、回復期看護に関してよくある質問とその答えをみていきましょう。
Q. 回復期看護は楽?
A.急性期とは異なる負担があります。
回復期リハビリテーション病棟は、急性期病院に比べて、緊急入院や救急搬送、急変などへの対応や高度医療処置が少ない傾向にあるため、時間に追われる感覚や精神的緊張が少ないことから、楽だと思われることがあります。
しかし、急性期とは異なる負担があります。
特に大きいのが、移乗介助、排泄介助、入浴介助、車椅子介助、ADL支援などの生活援助です。リハビリを進めるため、患者自身に「やってもらう」支援が必要で、単純介護よりも時間がかかる場合があります。そのため、腰痛、体力消耗、慢性的な疲労を感じる看護師も少なくありません。
Q. 急性期から回復期に転職できる?
A.急性期病院から回復期リハビリテーション病棟に転職する看護師はかなり多いです。
むしろ、急性期経験者が歓迎されるケースも少なくありません。回復期リハビリテーション病棟の患者は、急性期治療を終えた直後の患者が中心だからです。
つまり、回復期にあっても、全身状態の観察、術後完治、急変の早期発見、医療処置などが必要になる場場面があるため、急性期経験が評価されやすいということです。
ただし、急性期経験者が回復期にシフトすると、それまでとは異なり、「患者ができるのを”待つ看護”が必要」「ADL支援が多い」「多職種連携がかなり密」などの急性期とのギャップによって、戸惑いやすいです。
なお、急性期から回復期に転職する理由としては、「救急対応の緊張が続いて疲弊した」「急性期では患者とじっくり関われなかった」「夜勤負担を減らしたい」「リハビリ看護に関心がある」などが挙げられます。
特に、「治療中心」から「生活支援中心」に関わり方を変えたいというケースは多く、また、生活支援中心に関わることのできる看護師のニーズも増えています。
Q. 回復期看護に必要なスキルは働きながら身につけられますか?
はい。回復期看護に必要なスキルは、実際のところ、働きながら身につけていく看護師が多いです。そもそも、回復期リハビリテーション病棟の多くは、新卒や急性期からの転職者を受け入れており、最初から高度なリハビリ知識を完璧に持っていることを求めていません。
特に、回復期看護に必須である「移乗・ポジショニング」「リハビリ」「多職種連携」などの経験がないと、最初は不安に思うかもしれませんが、すべて入職後に身につけることができます。
ただし、働いているだけで自然と身につくというわけではなく、「必要な知識・スキルを習得しよう」という意欲や、勉強する姿勢は不可欠です。特に、脳卒中、高次脳機能障害、認知症、摂食嚥下、廃用症候群などは、基礎知識を学び直すと理解しやすくなるでしょう。
なお、多くの病院では、OJTや院内研修、勉強会、プリセプター制度などを設けていますが、職場に対して教育制度の充実を望む場合は、就職活動時・転職活動時に志望先についてよく調べることが大切です。
回復期看護は、患者の在宅・社会復帰を担う重要な看護期
回復期看護には、必要な知識・スキル・視点が多く、学ばなければならないことがたくさんですが、そのぶんやりがいが大きいです。
患者の在宅・社会復帰を担っていることから、責任も大きくなりますが、患者がこれまでできなかったことができるようになる過程を目の当たりにすることで、サポートしている側としても大きな喜びを感じやすいです。
急性期とは異なるやりがいのある看護期なので、自分の向き・不向きなども考慮しながら、回復期での経験を視野に入れてみるのもいいかもしれません。
看護師専門転職サービス
「クリアス看護」
LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。