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看護師が仕事と子育てを両立させる方法は?ベストな復帰時期も紹介

看護師が仕事と子育てを両立させる方法は?ベストな復帰時期も紹介

子育て中は、仕事との両立に関して悩むことが多いもの。復帰の時期、復帰後の勤務時間の調整、体力を維持する方法など、考えなければならないことがたくさんです。

有床の医療機関で働いていた看護師であれば、「夜勤はいつから復帰するべきなのか?」なども気になるところでしょう。

そこで今回は、子育て中の看護師の悩みや、悩みを解消する方法について考えていきます。

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目次
  1. 子育て中の看護師が抱く悩みとは?
  2. 産後の仕事復帰時期はいつごろが望ましい?
  3. 少しでも早く現場復帰するには?
  4. 復帰後、勤務時間に融通をきかせてもらうには?
    1. 短時間勤務制度
    2. 子の看護休暇
    3. 時間外労働の制限
    4. 深夜業の制限
    5. 所定外労働(残業)の免除
    6. 転職志望先にアピールするには?
  5. 仕事と子育てを両立できるか心配なあなたに
  6. キャリアを形成できないのが辛いあなたに
  7. 子育ての悩みはひとりで抱え込まないで!

子育て中の看護師が抱く悩みとは?

まずは、子育て中の看護師が抱きがちな悩みをみていきましょう。子育て中の看護師が悩みとしては、主に以下が考えられます。

【育休中】

  • 産後の仕事復帰時期はいつごろが望ましいのか
  • どうすれば少しでも早く復帰できるのか

【復帰時】

  • (出産前の勤務先に戻る場合)復帰後、勤務時間に融通をきかせてもらうためにはどうすればいいのか
  • (出産前の勤務先に戻らない場合)転職志望先にどのようにアピールすればいいのか

【復帰後】

  • 復帰後、仕事と子育てを両立できるか心配
  • キャリアを形成できないのが辛い

それぞれの項目に関して、具体的にどんなことが辛いのか、一般的にはどんな対策を講じることが役立つと考えられているのかをみていきましょう。

産後の仕事復帰時期はいつごろが望ましい?

結論からお伝えすると、女性は12カ月~18カ月での復帰がもっとも割合が多く、男性は1か月~3か月未満がもっとも割合が多いというデータが出ていますので、これに前後するのがいいでしょう。

理想の仕事復帰時期について考えるためにも、育児休業や育児休暇について解説します。

育児休業(育休)とは、原則1歳未満の子どもを養育するための休業のことで、男女ともに取得が認められています。子どもが1歳に達しても保育園に入所できない場合は、最長2歳まで認められています。育児休業は、「育児・介護休業法」によって定められている法律であるため、勤務先の就業規則に育休に関する規定がない場合でも取得が可能とされています。

また、法律上の親子関係があれば、子どもが養子であっても対象となります。ただし、子どもが1歳6か月になる日までに労働契約の期間が満了となることが明らかである労働者に関しては、法律の適用外となります。

一方、企業が独自に設けている、育児のために仕事を休める制度は「育児休暇」といいます。これに関しては、内容も期間も、給与の支給の有無も、企業ごとに異なります。また、育児休暇制度を用意していない企業もあります。

また、法律で定められた育児休業には、両親ともに育児休業をとる場合に、子どもが1歳2か月に達する日まで期間が延長される「パパ・ママ育休プラス」、父親である男性が、産後8週間以内に48週間を限度として2回にわけて取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」なども設けられています。

そのほか、特別な事情がある場合に育休の期間延長を申請することもできますが、ここで、育休の平均取得期間を確認します。厚生労働省が公表している「令和5年度の雇用均等基本調査」によると、令和4年4月1日からの1年間に育児休業を終了して復職した人の育児休業期間は次の表の通りです。

女性男性
5日未満0.4%15.7%
5日~2週間未満0.2%22.0%
2週間~1か月未満0.6%20.4%
1か月~3か月未満1.8%28.0%
3か月~6か月未満4.4%7.5%
6か月~8カ月未満4.6%2.9%
8カ月~10カ月未満11.4%0.8%
10カ月~12カ月未満30.9%1.1%
12カ月~18カ月未満32.7%1.4%
18カ月~24か月未満9.3%0.2%
24か月~36カ月未満3.0%0.0%
参照: 厚生労働省「令和5年度雇用均等基本調査」結果

 

もちろん、これより長く時間をかけて復帰している人も大勢いますが、復帰の目安を考えるうえでは、上記データは参考になるでしょう。

もしくは、これから育児休業や育児休暇をとる予定がある場合や、将来的に育児休業や育児休暇をとりたいと考えている場合は、現在の勤め先もしくは転職志望先などに、育児休暇の制度の有無や、これまでの前例として看護師たちがどのくらい育児休暇をとっているのかなどを確認しておくと安心です。

少しでも早く現場復帰するには?

子育て中の看護師や、これから出産して子育てしていきたいと考えている看護師のなかには、「どうすれば少しでも早く復帰できるのか」という悩みを持っている人もいるでしょう。

理由として、「仕事が好きだから早く仕事したい」ということも考えられますが、一番多い理由は、「子どもを育てていくためにも少しでも早く復帰して稼ぎたい」ということではないでしょうか。

育休中に給与が出ないとなると、このように考えることも当然です。しかし、一定の要件を満たしている場合、育休中は給付金を受給できます。給与の満額と比べると当然ながら低い金額ですが、それでも、受給できるとなるとある程度は安心できます。

具体的にどのような給付金を受け取れるのか?についてですが、法律で定められている育児休業に関する給付金は「育児休業給付金」と「出生時育児休業給付金」の2種類があります。

それぞれの支給要件と支給額は次の通りです。

育児休業給付金出生時育児休業給付金
支給要件・1歳未満の子どもを養育するために、育児休業を取得した被保険者である

・休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12ヶ月以上ある

・一支給単位期間中の就業日数が10日以下または就業した時間数が80時間以下である

・(期間を定めて雇用される方の場合)養育する子どもが1歳6ヶ月に達する日までの間に、その労働契約の期間が満了することが明らかでない
・子どもの出生日から起算して8週間を経過する日の翌日までの期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、当該子を養育するための産後パパ育休を取得した被保険者である

・休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある(ない場合は賃金の支払いの基礎となった時間数が80時間以上の)完全月が12ヶ月以上ある

・休業期間中の就業日数が、最大10日(10日を超える場合は就業した時間数が80時間)以下である
支給額休業開始時賃金日額×支給日数×67%
(育児休業開始から181日目以降は50%)

なお、支給日数が30日の場合の支給上限額と支給下限額は以下の通りです。

【給付率67%】
支給上限額:315,369円
支給下限額:57,666円
【給付率50%】
支給上限額:235,350円
支給下限額:43,035円

ただし、育休期間中に賃金が支払われた場合は計算方法が異なります。
休業開始時賃金日額×
休業期間の日数(28日が上限)× 67%

なお、休業開始時賃金日額の上限額は15,690円です(令和7年7月31日までの額)。
よって、出生時育児休業給付金の支給上限額は294,344円(15,690円×28日×67%)になります
参照: 厚生労働省「育児休業給付金について」

 

前述の通り、育休の取得は原則子どもが1歳に達する日の前述まで、子どもが1歳に達しても保育園に入所できない場合は最長2歳までで、育児給付金には日数の上限が記されていないため、最長で2年間受け取れると考えられます。

給付金の給付率は多いときで67%なので、少しでも多く稼ぐことを考えるなら早期復帰が最善の策ですが、給付金をうまく活用しながら、子育てを優先するという選択肢もあることは覚えておくといいでしょう。

復帰後、勤務時間に融通をきかせてもらうには?

続いては、育休から復帰するにあたってよくある悩みをみていきます。

まず、復帰後、勤務時間に融通をきかせてもらうためにとりたい対策としては、育休期間後に利用できる制度を活用することがおすすめです。育休期間後に利用できる主な制度として代表的なものは以下の通りです。

  • 短時間勤務制度
  • 子の看護休暇
  • 時間外労働の制限
  • 深夜業の制限
  • 所定外労働(残業)の制限

それぞれ詳しくみていきましょう。

短時間勤務制度

育児の時間を捻出するために「短時間勤務制度」を利用すれば、1日の所定労働時間が原則として5時間45分から6時間までになります。この制度を利用するためには、以下の要件を満たしている必要があります。

【要件】

  • 3歳に満たない子どもを養育している
  • 1日の所定労働時間が6時間以下ではない
  • 日雇い労働者ではない
  • 労使協定により適用除外とされた労働者ではない

参照: 厚生労働省「育児休業、短時間勤務制度

子の看護休暇

小学校種学前の子どもがケガや病気をした際は、「子の看護休暇」を取得できます。ただし、取得可能日数の上限が、1年間に5日まで(子どもが2人以上いる場合は10日まで)と定められています。また、休暇を取得した場合、有給となるか無給となるかは企業によって異なります。

なお、雇用期間が6か月未満の場合と、1週間の所定労働日数が2日以下の場合はこの制度を利用できません。

参照: 厚生労働省「子の看護休暇制度」

時間外労働の制限

「時間外労働の制限」とは、小学校就学前の子どもを養育している労働者が申し出た場合、事業主は、月に24時間、年間150時間以上の時間外労働をさせてはならないという制度です。労働者側がこの制限を請求する回数に上限はありませんが、制度適用開始予定日の1か月前までに事業主に申し出る必要があります。

なお、日雇い労働者、雇用期間が1年に満たない者、1週間の所定労働日数が2日以下のものはこの制度の適用外です。

参照: 厚生労働省「時間外労働の制限」

深夜業の制限

小学校低学年の子どもがいる場合、22時から翌時までの間、労働を免除してもらえる制度です。夜勤を避けたい看護師にはとても役立つ制度であるといえるでしょう。ただし、雇用期間が1年に満たない者、1週間の所定労働日数が2日以下のものはこの制限の適用外です。

参照: 厚生労働省「深夜業の制限」

所定外労働(残業)の免除

3歳に満たない子どもがいる場合、所定労働時間を超えた勤務の免除を請求できる制度です。ただし、雇用期間が1年に満たない者、1週間の所定労働日数が2日以下の者はこの制度の適用外です。

参照: 厚生労働省「所定外労働の免除」

また、もうひとつ重要なことは、勤務先の育児中・もしくは過去に育児中だった看護師の話を聞くなどして、どんなふうに勤め先に交渉してきたかを確認することです。なぜなら、前例があれば、自分も同じように融通をきかせてもらえる可能性が高いためです。ただし、前例がないとしても交渉次第では融通をきかせてもらえることもあるので、勤め先にしっかりと自分の希望を伝えることも大切です。

転職志望先にアピールするには?

子育て中に就職活動・転職活動するにあたっては、「時短勤務を希望していることを話したら採用してもらえないかもしれない」「子どもが熱を出したときも休ませてもらえない職場だったらどうしよう」などの不安な気持ちになることもあるかもしれません。

しかし、看護師を必要とする職場のなかには、育児に理解のある職場もたくさんあります。また、無床クリニックでもともと残業がない場合などは、最初から夜勤の心配がありません。また、訪問看護ステーションは土日が休日であるケースが多いため、育児と仕事を両立させやすいといえます。

もちろん、それ以外の施設に関しても、育児に理解のある職場は存在します。なお、子育て中の看護師が働きやすい職場かどうかは、求人票からもある程度見極めることができます。

たとえば、保育費用負担制度があったり、院内に保育所を設けていたりする職場なら、自分以外にも子育て中の看護師がいる可能性が高いので、子育て中の忙しさを理解してもらいやすいでしょう。

仕事と子育てを両立できるか心配なあなたに

ここからは復帰後に関する不安をみていきます。

仕事に復帰したい思いがあるものの、復帰後、仕事と子育てをちゃんと両立していけるのか不安だという人もいるでしょう。

育休をとったのが女性看護師の場合、出産したのも自分であることから、まず、体力が落ちているのではという心配もあるでしょう。また、育休期間が長ければ、看護師としてのスキルが衰えていないだろうかという不安もあると思います。

こうした不安を緩和するためにも、最初のうちは短時間勤務制度などを使いながら、少しずつ身体を慣らしていくことが望ましいでしょう。

育休をとったのが男性看護師の場合は、体力的な衰えはなく、育休期間が長いケースもあまりないため、女性看護師のような不安は抱きにくいと考えられます。

むしろ、家族と一緒に育児を経験したことで、これまで以上に、子どもがいる患者や、小さな子どもの患者に寄り添った看護を提供できるのではないでしょうか。

キャリアを形成できないのが辛いあなたに

仕事と育児を両立させることだけにいっぱいいっぱいになって、キャリアを築いていけないことに不安や焦りを感じる人も多いかもしれません。特に、同世代の看護師が出世している場合などはその思いが強くなる傾向にあります。

しかし、仕事に育児にと忙しく、自由な時間が少ないときこそ、悩みやストレスに押しつぶされている無駄な時間を持たないように意識することが大切です。

たとえば、キャリア形成のために新たな資格をとるために、1日15分の勉強を続けるなど、できることはたくさんあるので、まずは、自分にとっての理想のキャリアを考えることからスタートして、そこに到達するための道筋を見出していってはどうでしょうか?

子育ての悩みはひとりで抱え込まないで!

子育て中、これまで通りに仕事を進めることができず、悩んでしまうことは誰にでもありますが、悩んだときにひとりで考え込んで、何日も暗い気持ちを引きずってしまうことはよくありません。

そんなときは、家族や職場の人間などに相談するのも一手ですが、具体的なサポートがほしいなら、子育て後の看護師復帰を応援する行政の支援サービスを利用するのもおすすめです。

たとえば、厚生労働省の委託事業「仕事と育児カムバック支援サイト」でも、役立つ情報がさまざまに発信されているので、ぜひ参照してみてくださいね。

参照: 厚生労働省委託事業「仕事と育児カムバック支援サイト」