災害支援ナースとは? 2024年4月に法律の仕組みへ変わった点と、登録までの流れ
災害支援ナースは、災害が起きたときに被災地へ派遣され、被災者や被災した医療スタッフの支援を行う看護職である。
🔴 2024年4月に制度そのものが変わった。古い情報のまま調べると、登録先も研修の主催者も違うものが出てくる。まずそこから整理する。
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2024年4月に何が変わったのか
| 旧制度(〜2024年3月) | 新制度(2024年4月〜) | |
|---|---|---|
| 根拠 | 日本看護協会・都道府県看護協会による事業 | 改正医療法(および感染症法)に基づく仕組み |
| 名称 | 災害支援ナース | 災害・感染症医療業務従事者(通称として災害支援ナース) |
| 派遣される場面 | 自然災害のみ | 自然災害+新興感染症の発生・まん延時 |
| 養成研修の実施主体 | 日本看護協会・都道府県看護協会 | 国(厚生労働省) |
| 登録 | 都道府県看護協会への登録 | 都道府県への登録 |
日本看護協会が2009年から実施してきた旧制度は、2023年度末(2024年3月)で終了している。
🔴 いちばん大きい変更は「新興感染症も対象になった」こと。新型コロナウイルスの流行時に、看護職を計画的に派遣する法的な仕組みが無かったことが背景にある。DMAT・DPATと同じように、法律に基づいて人材を確保する形へ変わった。
派遣の仕組み
新制度では、災害支援ナースが所属する施設と都道府県が協定を締結する形が基本になる。
看護職 → 養成研修を受ける
↓
都道府県へ登録
↓
所属施設と都道府県が協定を締結
↓
災害・感染症の発生時に派遣
所属する施設が無い場合(潜在看護師・フリーランスなど)でも、都道府県の調整により派遣が可能とされている。旧制度では所属施設の推薦が前提になりやすかった点が変わっている。
登録までの流れ
自治体によって細部が異なるため、必ず所属する都道府県の案内を確認する必要がある。共通する流れは次のとおり。
- 要件を確認する — 実務経験の年数などが定められている
- 養成研修を受ける — 実施主体は国。都道府県が実務を担う形が多い
- 都道府県へ登録する
- 所属施設と都道府県の協定を確認する — 施設側の手続きが必要になる
⚠️ 旧制度で登録していた人も、自動では移行しない場合がある。過去に登録していた人ほど、いま自分がどちらの制度に登録されているかを確認する必要がある。
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現地で求められること
派遣先で行うのは、高度な専門処置よりも平時の看護の延長にある仕事が中心になる。
- 避難所での健康管理、感染対策、環境整備
- 被災した医療施設・福祉施設での看護業務の支援
- 被災した看護職の交代要員としての勤務
- 支援を必要としている人からの相談対応
🔴 「自己完結」が前提になる。寝食・移動を自分でまかなえる装備で入る。現地で物資を消費する側になっては支援にならない。
参加するために平時から準備できること
- 所属施設の理解を得ておく。派遣は突然決まる。就業規則上の扱い(出張か休暇か)を事前に確認しておく
- 家庭側の段取りを決めておく。数日から1週間程度、家を空けることになる
- 装備を用意しておく。寝袋、携行食、ヘッドライト、常備薬など
- 所属都道府県の研修情報を追う。募集は年に数回で、締切が早い
よくある質問
Q. 経験年数が浅くても登録できるか
A. 実務経験の要件が定められている。都道府県の募集要項で確認する。
Q. 病院に勤めていないと登録できないか
A. 所属施設が無くても、都道府県の調整により派遣が可能とされている。
Q. 災害看護専門看護師とは違うか
A. 別である。災害看護専門看護師は日本看護協会の認定資格で、専門看護師課程の修了が要る。災害支援ナースは登録制度である。
Q. 派遣中の給与や身分は
A. 所属施設と都道府県の協定、および施設の規程による。登録前に施設側の扱いを確認しておく。
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まとめ
- 災害支援ナースは2024年4月から改正医療法に基づく「災害・感染症医療業務従事者」の登録制度へ移行した
- 日本看護協会による旧制度は2024年3月で終了している
- 新興感染症の発生・まん延時にも派遣されるようになった点が最大の変更
- 養成研修の実施主体は国、登録先は都道府県
- 所属施設が無くても、都道府県の調整で派遣が可能
- 古い情報が多く残っているので、必ず所属都道府県の最新の案内を見る
参考
- 医療法(改正)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
- 公益社団法人日本看護協会「災害看護」