ナースの勉強部屋

MNA-SF(簡易栄養状態評価表)の評価表|6項目の点数と14点満点の判定区分、看護師が聞き取るときのコツと看護記録の例文

MNA-SF(簡易栄養状態評価表)の評価表|6項目の点数と14点満点の判定区分、看護師が聞き取るときのコツと看護記録の例文

入院時の情報収集で、MNA-SFの欄を埋めるように言われた。体重が分からない、本人に聞いても「食欲はある」と言うけれど、本当かどうか分からない。そんなときに確認できるよう、この記事ではMNA-SFの項目と配点、聞き取りのコツ、記録の書き方をまとめます。

MNA-SFは、低栄養のおそれがある人を見つけるためのスクリーニングです。点数だけで栄養状態が決まるわけではなく、結果をもとに医師や管理栄養士、NSTが詳しく評価します。

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目次
  1. MNA-SFとは|6項目・14点満点の栄養スクリーニング
  2. MNA-SFの6項目と配点の表
  3. MNA-SFの判定区分
  4. 看護師が聞き取るときのコツ
    1. 体重の変化は、数字と比べるものを確かめる
    2. 食事量は、「量」と「理由」を分けて聞く
    3. 認知症やうつの項目は、本人の答えだけで決めない
    4. ふくらはぎの周囲長の測り方
  5. MNA-SFの看護記録の例文
  6. MNA・GLIM基準との関係
  7. 高齢者ケアに関わる看護師求人を見る
  8. よくある質問
    1. MNA-SFは65歳未満の人にも使えますか?
    2. どのくらいの間隔で評価し直せばよいですか?
    3. 体重も身長も測れない寝たきりの人は、どう採点しますか?
  9. まとめ
  10. 参考

MNA-SFとは|6項目・14点満点の栄養スクリーニング

MNA-SF(Mini Nutritional Assessment-Short Form、簡易栄養状態評価表)は、65歳以上の高齢者を対象にした栄養スクリーニングツールです。18項目からなるMNA(Mini Nutritional Assessment)から、スクリーニングに使う6項目を取り出した短縮版です。

食事量、体重の変化、移動の力、ストレスや急性疾患、認知症やうつ、BMIの6つを点数にし、合計14点満点で判定します。数分で実施でき、血液検査を使わないため、入院時や施設入所時、在宅訪問のときにも使えます。

日本語版の評価用紙は、MNAの公式サイトから入手できます。用紙には著作権表示があるので、施設で使うときは公式の用紙をそのまま使います。

MNA-SFの6項目と配点の表

項目 何を聞くか・見るか 点数
A. 食事量の減少 過去3か月で、食欲不振、消化器の問題、かむ・飲み込むことの難しさなどで食事量が減ったか 0点:著しく減った/1点:中等度に減った/2点:減っていない
B. 体重の減少 過去3か月で体重が減ったか 0点:3kg以上減った/1点:わからない/2点:1〜3kg減った/3点:減っていない
C. 移動の力 自力で歩けるか 0点:寝たきり、または車いすを常に使っている/1点:ベッドや車いすから離れられるが、歩いて外出はできない/2点:自由に歩いて外出できる
D. 精神的ストレス・急性疾患 過去3か月で、精神的なストレスや急性の病気を経験したか 0点:はい/2点:いいえ
E. 神経・精神的な問題 認知症やうつの状態 0点:強度の認知症、またはうつ状態/1点:中程度の認知症/2点:精神的な問題はない
F1. BMI 体重(kg)÷ 身長(m)の2乗 0点:19未満/1点:19以上21未満/2点:21以上23未満/3点:23以上
F2. ふくらはぎの周囲長 F1のBMIが求められないときに使う 0点:31cm未満/3点:31cm以上

F1とF2は、どちらか一方だけを使います。身長や体重が測れないときは、F1の代わりにF2のふくらはぎの周囲長で採点します。両方を足さないように注意してください。

MNA-SFの判定区分

合計点で、次の3つに分けます。

合計点 判定
12〜14点 栄養状態良好
8〜11点 低栄養のおそれあり(At risk)
0〜7点 低栄養

11点以下の場合は、栄養のリスクがあると考え、施設の手順に沿って医師や管理栄養士に報告します。MNAの用紙を使っている場合は、続けて残りの12項目で詳しい評価を行う流れになっています。

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看護師が聞き取るときのコツ

体重の変化は、数字と比べるものを確かめる

「体重は減りましたか」と聞くだけでは、「変わらない」と答える人が多くなります。次のように、比べる手がかりを示すと答えやすくなります。

  • 「3か月前と比べて、ズボンや服のサイズが変わりましたか」
  • 「前回の健診や受診のときの体重を覚えていますか」
  • 「指輪や入れ歯がゆるくなったことはありますか」

本人が分からない場合は、家族や介護者、紹介状、前回入院時の記録から体重の推移を確かめます。それでも分からなければ、Bは「わからない」の1点にします。

食事量は、「量」と「理由」を分けて聞く

Aの食事量は、減ったかどうかに加えて、何が原因かも聞いておくと、その後のケアにつながります。

  • 食欲がないのか
  • 食べたいけれど、かみにくい・飲み込みにくいのか
  • 買い物や調理が難しくなったのか

かむ・飲み込むことに問題がありそうな場合は、嚥下の評価もあわせて検討します。

認知症やうつの項目は、本人の答えだけで決めない

Eの項目は、本人に聞いても分からないことがあります。診療記録の診断名、家族からの情報、入院後の言動をもとに採点します。判断に迷うときは、採点の根拠を記録に残しておきます。

ふくらはぎの周囲長の測り方

F2を使うときは、ふくらはぎのいちばん太い部分にメジャーを巻き、皮膚を締めつけない強さで測ります。測る姿勢と左右どちらで測るかは、施設の手順にそろえ、毎回同じ条件で測ります。むくみがあると実際より太く測れてしまうので、むくみの有無もあわせて記録します。

MNA-SFの看護記録の例文

記録には、合計点だけでなく、項目ごとの点数と、情報の出どころを残します。次に評価する人が、同じ条件で比べられるようにするためです。

11/4 入院時 MNA-SF実施。合計9/14点(低栄養のおそれあり)。A:1点(3か月前から食欲低下あり、本人より「量が食べられない」)、B:2点(家族より、夏以降に約2kg減少との情報)、C:1点(室内は伝い歩き、外出は家族の付き添いで車いす)、D:0点(9月に肺炎で入院歴あり)、E:2点、F1:3点(BMI 23.4)。結果を主治医・管理栄養士へ報告し、NSTへの依頼を相談する。食事摂取量を毎食記録する。

11/4 入院時 MNA-SF実施。身長が測定できないため、F2(ふくらはぎ周囲長)で採点。右下腿周囲長29.5cm、下腿のむくみなし。合計7/14点(低栄養)。主治医へ報告済み。

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MNA・GLIM基準との関係

MNA-SFは、低栄養のおそれがある人を見つけるための「スクリーニング」です。スクリーニングで引っかかった人に対して、より詳しく調べるのが「アセスメント」や「診断」です。

ツール・基準 位置づけ 誰が主に使うか
MNA-SF 高齢者の栄養スクリーニング(6項目) 看護師、管理栄養士など
MNA(全18項目) MNA-SFに12項目を加えた栄養アセスメント 管理栄養士など
GLIM基準 スクリーニングでリスクありとされた人の低栄養を診断する国際的な基準 医師、管理栄養士、NST

GLIM基準では、最初の段階で、MNA-SFのような妥当性が確かめられたスクリーニングツールを使うことになっています。看護師が入院時に行うMNA-SFは、その後の栄養評価の入り口になります。

NSTの役割や、看護師が関わる場面は、NST(栄養サポートチーム)とは?で解説しています。

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栄養のスクリーニングは、急性期病棟だけでなく、療養病棟や介護施設、訪問看護でも日常的に行われます。高齢者の看護の経験を生かせる職場を探すときは、施設の種類や働き方から求人を比べてみてください。

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よくある質問

MNA-SFは65歳未満の人にも使えますか?

MNA-SFは、65歳以上の高齢者を対象に作られたツールです。65歳未満の人には、施設で決められている別のスクリーニングツールを使います。

どのくらいの間隔で評価し直せばよいですか?

MNAの公式資料では、病院や長期療養の施設では3か月ごと、地域では年1回の実施が目安として示されています。入院中に食事量や体重が大きく変わったときは、施設の手順に沿って評価し直します。

体重も身長も測れない寝たきりの人は、どう採点しますか?

F1のBMIの代わりに、F2のふくらはぎの周囲長で採点します。体重の変化(B)が分からない場合は、「わからない」の1点として採点し、記録にその理由を書いておきます。

まとめ

MNA-SFは、食事量、体重の変化、移動の力、ストレス・急性疾患、認知症やうつ、BMI(またはふくらはぎの周囲長)の6項目で、14点満点の栄養スクリーニングを行うツールです。12〜14点は栄養状態良好、8〜11点は低栄養のおそれあり、0〜7点は低栄養と判定します。聞き取りでは比べる手がかりを示し、本人から分からない情報は家族や記録で補います。記録には項目ごとの点数と情報の出どころを残し、11点以下なら医師や管理栄養士に報告しましょう。

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参考