ナースの勉強部屋

看護観の書き方|経験から言葉にする4つのステップと、実習レポート・新人の振り返り・ラダー面接で使える例文

看護観の書き方|経験から言葉にする4つのステップと、実習レポート・新人の振り返り・ラダー面接で使える例文

実習の最終レポート、新人1年目の振り返り、キャリアラダーの申請書。「あなたの看護観を書いてください」と言われて、手が止まってしまう。「患者さんに寄り添う看護」と書いてみたけれど、誰が書いても同じ文章に見える。そんなときに確認できるよう、この記事では看護観を自分の言葉で書く手順と、場面別の例文をまとめます。

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目次
  1. 看護観とは|自分が看護で大切にしていること
  2. 看護観が抽象的になってしまう理由
  3. 看護観を書く4つのステップ
    1. ステップ1:心に残っている場面を1つ選ぶ
    2. ステップ2:その場面で何が起きたかを書く
    3. ステップ3:そこで何に気づいたかを書く
    4. ステップ4:これからの看護でどうしたいかを書く
  4. 場面別の看護観の例文
    1. 実習レポートの例文
    2. 新人1年目の振り返りの例文
    3. キャリアラダー・昇格面接の例文
  5. 書き方を直すときのチェックポイント
  6. よくある質問
    1. 看護観に正解はありますか?
    2. 看護観は変わってもいいのですか?
    3. 字数が決まっているときは、どこを削ればいいですか?
  7. まとめ

看護観とは|自分が看護で大切にしていること

看護観とは、看護とは何か、看護師として何を大切にして患者さんと関わるのか、という自分なりの考え方です。正解があるものではなく、経験を重ねるなかで変わっていくものです。

看護観を書くよう求められるのは、主に次のような場面です。

  • 看護学生の実習のまとめ、卒業前のレポート
  • 新人看護師の1年目の振り返り、プリセプターとの面談
  • キャリアラダーの申請や昇格の面接
  • 看護研究や研修の課題

どの場面でも、読み手が知りたいのは「どんな経験から、何を大切にするようになったか」です。立派な言葉より、経験と結びついているかどうかが見られます。

看護観が抽象的になってしまう理由

「患者さんに寄り添う看護」「その人らしさを大切にする看護」は、間違いではありません。ただ、それだけでは読み手に伝わりにくくなります。理由は、次の2つです。

  • どんな経験からそう考えたのかが書かれていない
  • 寄り添うとは、具体的に何をすることなのかが書かれていない

看護観は、言葉を先に決めてから理由を探すと抽象的になります。経験した場面から書き始め、そこで気づいたことを言葉にしていく順番にすると、自分にしか書けない文章になります。

看護観を書く4つのステップ

ステップ1:心に残っている場面を1つ選ぶ

実習や勤務のなかで、うれしかった、悔しかった、迷った、と気持ちが動いた場面を思い出します。うまくいった場面でなくてかまいません。複数思い浮かぶ場合は、いちばんはっきり覚えている場面を1つ選びます。

ステップ2:その場面で何が起きたかを書く

患者さんの状態、自分がしたこと、患者さんの反応を、事実として書き出します。患者さんの言葉は、覚えているとおりに書きます。この段階では、気づきや反省はまだ書きません。

ステップ3:そこで何に気づいたかを書く

その場面を振り返って、気づいたことを書きます。次の問いで考えると言葉にしやすくなります。

  • なぜその場面が心に残っているのか
  • 患者さんにとって、何が大切だったと思うか
  • 自分の関わりで、よかった点と足りなかった点は何か

ステップ4:これからの看護でどうしたいかを書く

気づいたことを、これからの看護でどう生かすかを、行動の形で書きます。「寄り添いたい」ではなく、「処置の前に、患者さんが不安に思っていることを1つ聞いてから始める」のように、明日からできることまで書くと、看護観が具体的になります。

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場面別の看護観の例文

実習レポートの例文

老年看護学実習で、認知症のあるAさんを受け持った。Aさんは食事の介助を嫌がり、私が声をかけるとスプーンを手で払うことが続いた。困って指導者に相談すると、Aさんは若いころ料理屋を営んでいたと教えていただいた。翌日、配膳のときに「今日の煮物は味がしみていますね」と話しかけると、Aさんは器を手に取って「これは火が通りすぎだ」と笑い、自分で食べ始めた。この経験から、介助を受け入れてもらえない理由は、介助の方法ではなく、Aさんがどんな人生を送ってきた人なのかを知らないことにあったと気づいた。私の看護観は、ケアの前に、その人が大切にしてきたことを知ろうとすることである。看護師になってからも、初めて受け持つ患者さんには、病気のことだけでなく、仕事や暮らしについて1つは話を聞くことから関わりを始めたい。

新人1年目の振り返りの例文

入職して半年ほどは、時間内に処置と記録を終わらせることで精一杯だった。ある日、術後のBさんから「忙しそうだから、痛いと言えなかった」と言われた。私は検温のたびに「お変わりないですか」と聞いていたが、Bさんにとっては話しかけにくい雰囲気だったのだと思う。この経験から、患者さんが訴えを口にできるかどうかは、看護師の態度に左右されることに気づいた。1年目を終えるいま、私が大切にしたい看護は、患者さんが我慢せずに伝えられる関係をつくることである。2年目は、訪室のときに手を止めて目線を合わせ、「痛みはどうですか」と具体的に聞くことを続けたい。

キャリアラダー・昇格面接の例文

面接で話すときは、1〜2分で話せる長さにまとめます。

私が看護で大切にしているのは、退院後の生活を見据えて、入院中から本人と家族ができることを一緒に増やしていくことです。以前、心不全で入退院をくり返していたCさんを担当しました。毎回の退院指導で塩分制限を説明していましたが、自宅で料理をしているのは奥さまだと分かり、奥さまと一緒に普段の献立を見直したところ、その後の再入院の間隔が延びました。この経験から、指導は本人だけでなく、生活を支える人に届いて初めて生きると考えるようになりました。今後は、チームの後輩とも退院支援の事例を共有し、病棟全体で家族を含めた指導ができるようにしていきたいと考えています。

書き方を直すときのチェックポイント

書き終えたら、次の点を見直します。

見直す点 直し方
「寄り添う」「その人らしさ」など、抽象的な言葉だけで終わっている その言葉が、具体的に何をすることなのかを1文足す
経験の場面が書かれていない 気持ちが動いた場面を1つ選び、何が起きたかを書く
反省だけで終わっている 気づいたことを、これからどう行動するかまで書く
理論や名言の引用が中心になっている 引用は1つまでにし、自分の経験と結びつける
患者さんが特定できる情報が入っている 氏名・年齢・病院名などは書かず、「Aさん」などにする

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よくある質問

看護観に正解はありますか?

ありません。読み手は、看護観の内容そのものより、経験から考えを導き出せているか、これからの行動につながっているかを見ています。ほかの人と似た言葉になっても、経験が自分のものであれば、自分の看護観になります。

看護観は変わってもいいのですか?

変わってかまいません。学生のころと、病棟で何年も働いたあとでは、大切にしたいことが変わるのは自然なことです。以前に書いた看護観と比べて、何がきっかけで変わったのかを書くと、成長を伝える文章になります。

字数が決まっているときは、どこを削ればいいですか?

経験の場面の説明を短くし、気づきとこれからの行動は残します。場面は、患者さんの状態と、自分の関わり、患者さんの反応の3点が分かれば十分です。

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まとめ

看護観は、看護で自分が大切にしていることを、経験から言葉にしたものです。抽象的な言葉から書き始めず、気持ちが動いた場面を1つ選び、何が起きたか、何に気づいたか、これからどうしたいかの順に書くと、自分にしか書けない看護観になります。最後に、抽象的な言葉が具体的な行動に置き換わっているかを見直しましょう。