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modified Rankin Scale(mRS)の判定基準表|0〜6の7段階と「参考にすべき点」、2と3・3と4で迷う境目と看護記録の例文

modified Rankin Scale(mRS)の判定基準表|0〜6の7段階と「参考にすべき点」、2と3・3と4で迷う境目と看護記録の例文

modified Rankin Scale(mRS、修正ランキンスケール)は、脳卒中などの患者の日常生活がどのくらい自立しているかを、0〜6の7段階で表すスケールです。もとは1957年にRankinが発表したスケールで、1988年にvan Swietenらが現在の形に整えました。

脳卒中の治療の効果を比べる研究で広く使われているほか、病棟では入院時の「発症前のmRS」や、退院時のmRSとして記録に残ることがあります。日本では、指定難病の重症度の判定にも日本版mRSが使われています。この記事では、日本版の判定基準書の表、迷いやすい境目、聞き取り方、記録の書き方を整理します。

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目次
  1. 日本版mRSの判定基準表(0〜6の7段階)
  2. mRSで迷う境目(1と2、2と3、3と4)
    1. 1と2は「発症前の活動に制限があるか」
    2. 2と3は「身の回りのことに介助が要るか」
    3. 3と4は「歩行に介助が要るか」
  3. 「発症前のmRS」を聞き取るとき
  4. mRSとほかのスケールの違い
  5. mRSの看護記録の書き方と例文
    1. 例文
  6. よくある質問
    1. mRSは何点満点ですか?
    2. mRSは誰が判定しますか?
    3. 判定が日によって変わることはありますか?
  7. まとめ
  8. 参考

日本版mRSの判定基準表(0〜6の7段階)

厚生労働省の研究班の資料に載っている「日本版 modified Rankin Scale(mRS)判定基準書」の内容を表にすると、次のようになります。右の列は判定のときに「参考にすべき点」です。

グレード modified Rankin Scale 参考にすべき点
0 まったく症候がない 自覚症状及び他覚徴候がともにない状態である
1 症候はあっても明らかな障害はない:日常の勤めや活動は行える 自覚症状及び他覚徴候はあるが、発症以前から行っていた仕事や活動に制限はない状態である
2 軽度の障害:発症以前の活動が全て行えるわけではないが、自分の身の回りのことは介助なしに行える 発症以前から行っていた仕事や活動に制限はあるが、日常生活は自立している状態である
3 中等度の障害:何らかの介助を必要とするが、歩行は介助なしに行える 買い物や公共交通機関を利用した外出などには介助を必要とするが、通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要としない状態である
4 中等度から重度の障害:歩行や身体的要求には介助が必要である 通常歩行、食事、身だしなみの維持、トイレなどには介助を必要とするが、持続的な介護は必要としない状態である
5 重度の障害:寝たきり、失禁状態、常に介護と見守りを必要とする 常に誰かの介助を必要とする状態である
6 死亡

ポイントは、mRSが麻痺の強さではなく、生活の中で何ができているかを見るスケールだということです。症状が強く残っていても、仕事や生活に制限がなければ1になります。

mRSで迷う境目(1と2、2と3、3と4)

mRSは段階の数が少ないぶん、1つの段階の幅が広く、境目で判定が分かれやすいスケールです。

1と2は「発症前の活動に制限があるか」

1と2の違いは、発症前から行っていた仕事や活動が、いまも同じようにできているかです。

  • 発症前と同じように仕事や趣味を続けられている → 1
  • 身の回りのことは自分でできるが、仕事を辞めた、運転をやめた、趣味の外出ができなくなった → 2

ここで比べるのは、一般的な基準ではなくその人の発症前の生活です。もともと仕事をしていなかった人であれば、発症前に続けていた家事や外出と比べます。

2と3は「身の回りのことに介助が要るか」

2と3の違いは、身の回りのことに人の手が要るかどうかです。

  • 身の回りのことは介助なしでできる → 2
  • 歩行や食事、トイレは自分でできるが、買い物や公共交通機関を使った外出などに介助が要る → 3

判定基準書の「参考にすべき点」が、3の例として買い物や外出を挙げているのが見分けの手がかりです。

3と4は「歩行に介助が要るか」

3と4の違いは、歩くことと、食事・身だしなみ・トイレなどの身体的な要求に介助が要るかです。

  • 通常の歩行は介助なしでできる → 3
  • 歩くとき、食事、トイレなどに介助が要る → 4
  • そのうえで、常に誰かの介助や見守りが要る → 5

杖や歩行器を使って一人で歩ける場合は、人の介助は要らないため、4ではなく3以下を検討します。施設で判定の取り決めがある場合は、それに従ってください。

「発症前のmRS」を聞き取るとき

入院時の記録では、発症前(病前)のmRSを残すことがあります。治療の判断や退院先の検討で、もともとの生活の状態を知るために使われます。

聞き取りのときは、本人だけでなく家族にも、具体的な場面で聞くと判定しやすくなります。

  • 「発症前は、お一人で買い物に出かけていましたか」
  • 「仕事や家事は、以前と同じように続けていましたか」
  • 「家の中を歩くときに、誰かの手を借りることはありましたか」

本人が話せない場合は家族から聞くことになります。誰から聞いたかを記録に残しておくと、後から情報が違っていたときに確認しやすくなります。

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mRSとほかのスケールの違い

脳卒中の患者の記録には、mRSのほかにもいくつかのスケールが並びます。何を見ているかが違うので、混ぜずに使い分けます。

スケール 何を見るか
mRS 生活全体の自立度(0〜6)
NIHSS 意識・運動・言語などの神経の症状の重さ
バーセルインデックス(BI) 食事・移乗・トイレなど10項目のADL
FIM 運動13項目・認知5項目の、している介助量

mRSは1つの数字で生活全体を表せる反面、どの動作に介助が要るかまでは分かりません。退院支援など細かい情報が要る場面では、BIやFIMの結果と並べて見ると役に立ちます。

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mRSの看護記録の書き方と例文

記録には、グレードだけでなく次の点を書くと、判定の根拠が伝わります。

  • いつの状態か(発症前、入院時、退院時)
  • 判定の根拠になった生活の様子(歩行、身の回りのこと、外出、仕事)
  • 誰から聞いたか(本人、家族)

例文

発症前mRS 1。自宅で妻と二人暮らし。週3回の清掃の仕事を継続し、自家用車で通勤していた(本人・妻より聴取)。

退院時mRS 3。病棟内は杖歩行で自立、食事・トイレ動作も自立。買い物や通院は家族の付き添いが必要と判断。

発症前mRS 2(長女より聴取)。身の回りのことは自立していたが、昨年から運転をやめ、趣味のグラウンドゴルフにも行かなくなっていた。

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よくある質問

mRSは何点満点ですか?

0〜6の7段階です。点数を合計するスケールではなく、1つのグレードを選んで判定します。0が「まったく症候がない」、6が「死亡」です。

mRSは誰が判定しますか?

医師が判定する場面が多いですが、病棟によっては看護師やリハビリ職が判定や聞き取りをします。研究では判定者の研修が求められることもあるため、施設の決まりに従ってください。

判定が日によって変わることはありますか?

あります。入院中は状態が変わりやすいため、いつの状態を判定したかを必ず書き添えます。発症前、入院時、退院時のように時点を分けて記録しておくと、変化が追いやすくなります。

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まとめ

  • mRSは、生活全体の自立度を0〜6の7段階で表すスケール
  • 1と2は発症前の活動に制限があるか、2と3は身の回りのことに介助が要るか、3と4は歩行に介助が要るかで分ける
  • 比べるのは一般的な基準ではなく、その人の発症前の生活
  • 記録には時点、判定の根拠になった生活の様子、誰から聞いたかを書く

参考