ナースの勉強部屋

男性は助産師になれる?法律で「女子」と定められている理由と、代わりに選べる3つの道

男性は助産師になれる?法律で「女子」と定められている理由と、代わりに選べる3つの道

「男性でも助産師になれますか」——看護学生や、周産期に関心のある男性看護師からよく出る問いである。

答えははっきりしていて、なれない。法律の条文で「女子」と定められているためで、実習先の方針や病院の判断ではない。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

目次
  1. 条文で「女子」と書かれている
  2. なぜ助産師だけが限定されているのか
  3. 周産期に関わりたい男性が選んでいる3つの道
    1. 1. 産科・NICU の看護師として働く
    2. 2. 母子保健に関わる保健師になる
    3. 3. 周産期の周辺領域へ進む
  4. 進路を決める前に確認すること
  5. よくある質問
    1. 海外なら男性の助産師になれますか。
    2. 助産師学校に男性が入学した例はありますか。
    3. 男性看護師が産婦人科に配属されることはありますか。
    4. 将来、法律が変わる可能性はありますか。
  6. 助産師でなくても周産期で働ける求人を探す
  7. まとめ
  8. 参考

条文で「女子」と書かれている

保健師助産師看護師法(保助看法)は、4つの資格をそれぞれ定義している。助産師の条文だけが、対象を女子に限定している。

資格 条文の書き方
保健師(2条) 「…保健指導に従事することを業とする
助産師(3条) 「…助産又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子
看護師(5条) 「…療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする
准看護師(6条) 「…行うことを業とする

保健師・看護師・准看護師は「者」、助産師だけが「女子」である。この1語の違いが、男性が受験できない根拠になっている。

助産師国家試験の受験資格そのものが、女子に限られる。助産師養成課程(大学院・専攻科・専門学校)も、男性の入学を受け付けていない。

なぜ助産師だけが限定されているのか

1948年(昭和23年)に保助看法が制定された時点で、この規定が置かれている。それ以前の産婆規則(1899年)から続く形が引き継がれた。

その後、たびたび見直しの議論が行われてきた。男性看護師が増え、他の医療職に性別の制限が無いことから、助産師だけを女子に限る合理性が問われた場面がある。

議論のなかで挙げられてきた論点は、おおむね次の2つに整理される。

  • 職業選択の自由・性別による差別の観点 —— 他の資格に性別要件が無いなかで、助産師だけを限定する根拠が問われる
  • 出産・内診という場面の特性 —— 出産する側が男性の立ち会いを望まない場合に、どう配慮するか

2026年時点で、条文は「女子」のまま変わっていない。今後改正される可能性はあるが、いま進路を決めるなら「なれない」という前提で考える必要がある。

周産期に関わりたい男性が選んでいる3つの道

助産師にはなれないが、周産期の現場で働くこと自体は制限されていない。男性看護師が実際に選んでいるのは次の3つになる。

1. 産科・NICU の看護師として働く

産婦人科病棟や新生児集中治療室に、男性看護師が配属されている施設はある。助産行為(分娩の介助)はできないが、次のような業務は看護師の資格で行える。

  • 妊婦・褥婦の療養上の世話
  • 新生児のケア(保育器の管理、沐浴、観察)
  • 診療の補助(点滴、投薬、器械の準備)
  • 家族への説明の同席、退院指導の一部

施設によっては、患者の希望を踏まえて配属を限定していることがある。求人に応募する前に、男性看護師の配属実績を確認するのが現実的である。

NICU は比較的、男性看護師の配属が進んでいる分野とされる。新生児のケアが中心で、分娩の場面に直接関わらないためである。

2. 母子保健に関わる保健師になる

保健師には性別の要件が無い。自治体の保健センターで、乳幼児健診、家庭訪問、育児相談などに関わる道がある。

「出産の瞬間」ではなく「産前産後の生活」を支える側に回る形になる。妊婦訪問や産後うつのスクリーニングなど、周産期と地続きの業務が多い。

3. 周産期の周辺領域へ進む

  • 不妊治療のクリニック —— 培養室(胚培養士は別資格)、外来看護
  • 小児科 —— 乳幼児期以降の継続的な関わり
  • 母子保健に関わる企業・行政 —— 母子手帳アプリ、医療機器、行政の母子保健事業

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

進路を決める前に確認すること

「助産師になれない」で終わらせず、何をしたいのかを分けて考えると選びやすい。

やりたいこと 助産師でなければできないか
分娩の介助をする 助産師でなければできない(保助看法30条。医師・助産師以外の業として禁止)
内診・分娩の進行を判断する 助産師(または医師)でなければできない
妊婦・褥婦の看護 看護師でできる
新生児のケア 看護師でできる
育児相談・母子保健指導 保健師・看護師でできる
産前産後の家族支援 看護師・保健師でできる

分娩の介助そのものが目的なら、男性には道が無い。それ以外なら、看護師や保健師として関わる形が残っている。

よくある質問

海外なら男性の助産師になれますか。

国によっては男性の助産師が存在する。ただし、その資格で日本国内の助産行為はできない。日本で働くには日本の助産師免許が必要で、男性は取得できない。

助産師学校に男性が入学した例はありますか。

受験資格が女子に限られるため、養成課程への入学もできない。問い合わせても案内されるのは同じ内容になる。

男性看護師が産婦人科に配属されることはありますか。

ある。ただし施設によって方針が分かれる。求人票に「産科病棟」とあっても、男性の配属実績があるとは限らないため、面接や見学の段階で確認する。

将来、法律が変わる可能性はありますか。

議論は過去に何度も行われてきたが、2026年時点で条文は変わっていない。改正の時期を見込んで進路を決めるのは現実的ではない。

助産師でなくても周産期で働ける求人を探す

産科・NICU・小児科は、施設によって男性看護師の受け入れ方針が違う。条件から絞り込んで、実際にどんな職場があるかを見ておくと判断しやすい。

勤務地・施設形態・こだわり条件で絞り込める。いますぐ動かなくても、どんな条件の職場があるかは見ておける。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

まとめ

  • 助産師は保健師助産師看護師法3条で「女子」と定められており、男性は資格を取れない。保健師・看護師・准看護師は「者」で性別の要件が無い
  • 受験資格そのものが女子に限られるため、養成課程にも入学できない
  • 分娩の介助と内診は助産師(または医師)でなければできない。それ以外の周産期の看護は看護師の資格で行える
  • 実際に選ばれている道は、産科・NICUの看護師/母子保健の保健師/周産期の周辺領域の3つ

参考