ナースの勉強部屋

看護師の定年は何歳? 実際は何歳まで働く人が多い?

看護師の定年は何歳? 実際は何歳まで働く人が多い?

看護師の資格があれば、一生働き口に困らないとの考えから看護師を目指した人もいるかもしれませんが、実際のところは、看護師に限ったことではありませんが、誰もが生涯現役で働き続けるわけではありません。では、現状としては、看護師の定年は平均何歳なのでしょうか? また、定年後もパートで働き続ける人は多いのでしょうか? 詳しくみていきましょう。

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目次
  1. 定年とは?
  2. 定年制を導入している医療機関は、看護師の定年年齢を何歳と定めている?
  3. 60歳以上の現役看護師の割合は?
  4. 最高齢の現役看護師は?
  5. なぜ60歳以上でも働く看護師が多いの?
    1. 平均寿命、健康寿命が延びている
    2. 少子高齢化社会に突入したことで、高齢世代の労働力が求められるように
    3. 医療従事者の人手不足
    4. 物価高で高齢世代の労働意欲が高い
  6. 定年後も活き活きと働くためにはどうすればいい?

定年とは?

労働基準法第47条では、定年は以下のように定められています。

1 定年とは、労働者が一定の年齢に達したことを退職の理由とする制度をいいます
2 労働者の定年を定める場合は、定年年齢は60歳を下回ることはできません
3 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第9条において、事業主には65歳までの高年齢者雇用確保措置が義務付けられています。したがって、定年(65歳未満のものに限る)の定めをしている事業主は、①定年の引上げ ②継続雇用制度の導入 ③定年の定めの廃止 のいずれかの措置を講じなければなりません。なお、平成25年3月31日までに労使協定により継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた事業主については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第78号)の経過措置として、平成37年3月31日(※編集部注:2025年3月31日)までは、老齢厚生年金の支給開始年齢以上の年齢の者について継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めることが認められています
4 定年について、労働者の性別を理由として差別的扱いをしてはなりません

参照:厚生労働省「第7章 定年、退職および解雇」

なお、前述の「高年齢者等の雇用の安定法に関する法律」は2021年に改定されて、65歳までの雇用確保の義務化に加えて、70歳までの就業確保措置を講じることが努力義務となっているので、要約すると以下の通りとなります。

  • 定年年齢は60歳を下回ることはできない
  • 定年を65歳未満に定めている企業は、定年制の見直しもしくは65歳までの継続雇用制度の導入が必要
  • 70歳までの就業確保措置を講じることも努力義務とする
  • 参照:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律

    また、労働基準法第47条の2に記載の通り、上記条件は「労働者の定年を定める場合」のものであって、定年制を導入するかどうかは各企業の任意とされています。そのため、定年制が導入されていないクリニックや病院に勤めている場合、基本的には何歳まででも働けるということになります。

    定年制を導入している医療機関は、看護師の定年年齢を何歳と定めている?

    定年制を導入している医療機関の多くは、看護師の定年年齢を60歳と定めています。ただし、2000年の法律改正によって、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられることが決まって以降、定年を65歳とする医療機関も増えてきています 。

    さらに、求人メディアなどの募集要項のなかには、「定年65歳以上」「定年一律65歳」などのコピーを前面に打ち出しているものもあります。このことは、それだけ60歳を過ぎても働きたいと考える看護師が多い証拠といえます。

    参照:厚生労働省「いっしょに検証!公的年金~年金の仕組みと将来~」

    60歳以上の現役看護師の割合は?

    続いては、実際のところ、60歳以上で就業している看護師の割合はどの程度なのかをみていきます。厚生労働省が令和5年に公表した「看護師等(看護師職員)の確保を巡る状況」なる資料によると、60歳以上の就業看護職員の割合は下記の表の通り年々増加しています。

    2008年 2010年 2012年 2014年 2016年 2018年 2020年
    60~64歳 3.1% 4.2% 5.1% 5.4% 5.6% 6.1% 6.8%
    65歳以上 1.8% 1.9% 2.3% 3.0% 3.9% 4.5% 5.0%

    上記の通り、2020年時点においては、60歳以上の看護師が全体の11.8%を占めているということになります。ただし、全員が正社員ではなくパートタイムの看護師も含む結果ですが 、現時点で全体の1割強が60歳以上となると、少子高齢化が進んでいる現状を考えると、今後はさらに高い割合で高齢者が活躍する時代が訪れる可能性が高いといえます。

    参照:厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」

    最高齢の現役看護師は?

    「60歳以上」といっても、60代も70代も80代も当てはまるため、「最高で何歳まで働けるの?」という疑問を持つ人もいるかもしれません。

    最高齢の現役看護師に関する調査などはおこなわれているわけではありませんが、2022年には、97歳の現役看護師がメディアで取り上げられた事例があります。19歳で看護の世界で働き始めたその女性が、2022年に88歳になったときに、今の職場に転職したとのことなので、90歳前後であっても「うちで働いてほしい」とするクリニックが実際に存在するということになります。

    参照:97歳現役看護師「死ぬまで、働く」そのワケは?夫を亡くして23年 スマホは苦手…でも年下の入居者には“心強い存在”に

    参照:97歳 輝く現役看護師 手際良く 優しい声掛け 津の池田さん、若い同僚の励みに

    なぜ60歳以上でも働く看護師が多いの?

    60歳以上でも働く看護師が多い理由はいくつか考えられます。

    平均寿命、健康寿命が延びている

    医療の進歩などによって、平均寿命、健康寿命ともに延びていることに伴い、60歳を過ぎても活き活きと働ける人、働きたい人が増えていることはもっとも大きな理由と考えられます。

    参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「平均寿命と健康寿命」

    少子高齢化社会に突入したことで、高齢世代の労働力が求められるように

    少子高齢化社会に突入したことで、若い働き手が少なくなっています。そのぶん、本来なら定年を迎えている年齢の働き手であっても雇いたいとする企業が増えています。

    医療従事者の人手不足

    医療従事者は基本的に常に人手不足とされていますが、新型コロナウイルスの流行などを経て、さらに看護師が不足しています。

    物価高で高齢世代の労働意欲が高い

    電気代もガス代も水道代も上がり、国民の生活が苦しくなっている昨今、定年までに貯めておいたぶんだけではとてもじゃないけど暮らしていけないという人も増えています。

    定年後も活き活きと働くためにはどうすればいい?

    これから看護師になる人のなかにも、現在、看護師として働いている人のなかにも、「自分も少しでも長く看護師として働いて社会に貢献したい」と考える人がいるでしょう。しかし、定年後も末永く働くためには、まず、自分自身が心身ともに健康でなければなりません。そのため、今現在の働き方が自分にとって負担が大きく、身体を壊してしまう可能性があると感じているなら、早い段階で、「健康をキープしながら働く方法」を考えてみてもいいかもしれません。場合によっては転職も視野に入れる必要が出てくるかもしれませんが、「長く働き続けるためにはどうすればいいか?」に目を向けることによって、もっと快適な働き方が見付かることもあるかもしれませんよ。