プライベート・マネー事情

助産師の給料はいくら?看護師との差・勤務先別の傾向と、収入を上げる4つの道

助産師の給料はいくら?看護師との差・勤務先別の傾向と、収入を上げる4つの道

「助産師のほうが給料は高い」——看護学生のころに一度は耳にした言葉だと思います。

ただ、実際に助産師として働いている人からは「思ったほど変わらない」という声も聞こえてきます。統計上は確かに差があるのに、なぜ実感が伴わないのでしょうか。

この記事では、公的な統計データで助産師の給料を確認したうえで、看護師との差がどこから生まれているのか、そしてその差を実感できる働き方とそうでない働き方は何が違うのかを整理します。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

目次
  1. 助産師の平均年収は約580万円
    1. 統計で見た数字
    2. 看護師との差は約60万円
    3. なぜ「思ったほど変わらない」と感じるのか
  2. 勤務先による傾向の違い
    1. 総合病院・大学病院
    2. 産科クリニック・産院
    3. 助産院
    4. 保健センター・自治体
    5. 企業・産後ケア施設
  3. 給料を上げたいときの4つの道
    1. 1. 夜勤・分娩の当番を増やす
    2. 2. 手当の厚い施設へ移る
    3. 3. 役職に就く
    4. 4. 専門性を重ねる
  4. 収入以外に見ておきたいこと
  5. よくある質問
    1. Q. 助産師と看護師では、どのくらい給料が違いますか?
    2. Q. 助産師手当はいくらくらいですか?
    3. Q. 夜勤なしで働くと年収はどのくらい下がりますか?
    4. Q. 助産院を開業すれば収入は増えますか?
    5. Q. アドバンス助産師になると給料は上がりますか?
  6. まとめ

助産師の平均年収は約580万円

統計で見た数字

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、助産師の平均年収は580万5,600円です。内訳は次のとおりです。

項目 金額
平均月給(きまって支給する現金給与額) 39万9,600円
年間賞与 101万400円
平均年収 580万5,600円

同じ調査における平均年齢は38.7歳、平均勤続年数は8.9年、平均残業時間は月8時間程度とされています。

看護師との差は約60万円

同じ調査での看護師の平均年収は519万7,000円。助産師との差はおよそ60万円です。

月額に直すと5万円ほど。決して小さくはありませんが、「助産師になれば給料が跳ね上がる」というほどの差でもない、というのが正直なところです。

なぜ「思ったほど変わらない」と感じるのか

理由は主に3つあります。

1. 平均年齢と勤続年数が影響している

統計上の平均は、その職種で働く人全体を均した数字です。助産師は資格取得までに時間がかかる分、同じ年齢で比べたときの差は統計の見た目ほど大きくないケースがあります。

2. 助産師手当は施設によって幅がある

多くの施設で助産師手当(資格手当)が支給されますが、金額は月5,000円〜3万円程度と施設差が大きい項目です。手当が薄い施設では、看護師との差はほとんど生まれません。

3. 夜勤の回数が同じなら、夜勤手当も同じ

給与に占める夜勤手当の比重は看護職全体で大きく、助産師だから夜勤手当が高い、という仕組みにはなっていません。同じ夜勤回数なら、この部分の差はゼロです。

つまり助産師の給料の高さは、資格そのものより「どこで働くか」「手当がどう設計されているか」に大きく左右されるということです。

勤務先による傾向の違い

総合病院・大学病院

給与規程が整備されており、安定している一方で個別の上振れは起きにくいタイプです。分娩件数が多く、経験を積む場としては恵まれています。夜勤回数も一定確保できるため、年収は平均前後に収まりやすくなります。

産科クリニック・産院

分娩件数と人員体制次第で幅が大きいのが特徴です。分娩の多い施設ではオンコール手当・分娩手当が積み上がり、病院より高くなることもあります。

一方で、少人数体制のため一人あたりの拘束時間が長くなりやすく、「時給に直すとどうか」を確認しておくべき領域でもあります。

助産院

自ら開業する場合、収入は分娩件数と経営次第です。上限はありませんが、収入の安定性という意味では最もリスクが高い選択になります。嘱託医・嘱託医療機関の確保も必要で、経営者としての側面が強くなります。

保健センター・自治体

母子保健事業や乳幼児健診を担当する働き方です。夜勤がないぶん年収は下がりやすいものの、生活リズムは安定します。公務員として採用される場合は、給与表に沿った昇給が見込めます。

企業・産後ケア施設

産後ケア事業の広がりに伴って選択肢が増えている領域です。夜勤の有無、雇用形態ともに施設によって差が大きいため、求人ごとに条件を確認する必要があります。

給料を上げたいときの4つの道

1. 夜勤・分娩の当番を増やす

最も即効性がありますが、心身への負担と引き換えです。長く続けられるペースかどうかを基準に判断してください。年収を数十万円動かす力はありますが、これだけに頼る設計は勧められません。

2. 手当の厚い施設へ移る

助産師手当・分娩手当・オンコール手当は施設ごとの設計です。同じ働き方でも、施設を変えるだけで年収が変わるのはこの部分です。

求人票を見るときは、基本給だけでなく次を確認してください。

  • 助産師手当の月額
  • 分娩1件あたりの手当の有無と金額
  • オンコールの回数と1回あたりの手当
  • 夜勤回数の目安(月何回想定か)

3. 役職に就く

主任・師長といった管理職に就けば、役職手当が加わります。ただし夜勤から外れることで夜勤手当が減り、トータルではほぼ変わらないというケースもあるため、手当構成を確認したうえで判断が必要です。

4. 専門性を重ねる

アドバンス助産師(CLoCMiP®レベルⅢ認証)、新生児蘇生法(NCPR)、母乳育児支援に関する資格など、専門性を示す認証を積み重ねる道です。直接的な手当につながる施設はまだ限られますが、転職時の交渉材料として効きます。

とくにアドバンス助産師は、院内助産・助産師外来の担当要件として扱われることがあり、任される役割そのものを変える力を持っています。

看護師専門転職サービス
「クリアス看護」

LINE友だち追加で、希望条件に合った求人紹介や
非公開求人のご案内を無料で受けられます。
給与・働き方・勤務条件など、
転職に関するご相談もLINEで気軽に可能です。

収入以外に見ておきたいこと

助産師の働き方を考えるとき、金額と同じくらい効いてくるのが分娩件数と人員配置のバランスです。

分娩の多い施設は経験を積めますが、人員が薄いと1回の夜勤の密度が上がります。逆に件数の少ない施設は落ち着いて働けても、技術の維持に不安が出ることがあります。

求人を見る際は、年間分娩件数と助産師の人数をセットで確認してみてください。「一人あたり年間何件を担当している計算になるか」が分かると、条件の意味が具体的になります。

よくある質問

Q. 助産師と看護師では、どのくらい給料が違いますか?

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、助産師の平均年収580万5,600円に対し、看護師は519万7,000円。差はおよそ60万円です。ただし施設の手当設計によって差は大きく変わります。

Q. 助産師手当はいくらくらいですか?

施設によって月5,000円〜3万円程度と幅があります。求人票に明記されていない場合は、面接時に確認しておくことをおすすめします。

Q. 夜勤なしで働くと年収はどのくらい下がりますか?

夜勤手当が丸ごとなくなるため、回数にもよりますが年間50万〜100万円程度下がるケースが多くなります。保健センターや産後ケア施設など日勤中心の職場を選ぶ場合は、この前提で生活設計を考える必要があります。

Q. 助産院を開業すれば収入は増えますか?

分娩件数と経営次第です。上限はありませんが、収入の変動が大きく、嘱託医・嘱託医療機関の確保、設備投資、広報といった経営面の負担も伴います。安定を重視するなら勤務助産師のほうが向いています。

Q. アドバンス助産師になると給料は上がりますか?

認証そのものに手当を設けている施設は限られます。ただし院内助産・助産師外来の担当要件になっている場合があり、役割が変わることで待遇が動くというルートは現実的です。

まとめ

助産師の平均年収は約580万円、看護師との差はおよそ60万円です(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査)。

ただしこの差は資格そのものが生んでいるというより、助産師手当・分娩手当・オンコール手当といった施設ごとの設計と、夜勤の回数によって作られている部分が大きいのが実際です。「助産師なのに給料が上がらない」と感じる場合、原因は資格ではなく手当構成にあることがほとんどです。

収入を動かしたいときは、まず自分の給与明細を開いて、基本給・助産師手当・夜勤手当・分娩関連手当がそれぞれいくらかを書き出してみてください。どこが薄いのかが見えると、次に取るべき手——手当の厚い施設に移るのか、専門性を積むのか——が具体的に決まります。


参考
– 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」