保育園看護師の給料はいくら?公立・私立の差と、「安い」と言われる理由を分解する
夜勤がなく、土日も休みやすい。子どもと関われて、生活のリズムも整う——保育園看護師は、働き方の面で魅力の多い選択肢です。
一方で「給料が安い」という声もよく聞きます。実際のところ、いくらもらえるのか。そしてなぜ安いと言われるのか。
この記事では公立・私立それぞれの水準を確認したうえで、病院看護師との差がどこから生まれているのかを分解します。数字の理由がわかると、自分にとって割に合う選択かどうかを判断できます。
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保育園看護師の給料
公立と私立で約95万円の差
常勤(正社員)として働く保育園看護師の平均年収は、次のようになっています。
| 勤務先 | 平均年収 |
|---|---|
| 公立の保育園 | 約546万円 |
| 私立の保育園 | 約451万円 |
差はおよそ95万円。 公立は自治体の給与規定に沿うため水準が安定しており、勤続に応じた昇給も制度で決まっています。
一方で私立は、法人の規模や方針によって幅があります。求人ごとに条件を確認する必要があるのはこちらです。
相場としては350万〜450万円
求人ベースで見ると、保育園看護師の年収相場は350万〜450万円とされています。これに対し、病院看護師の相場は400万〜500万円。
つまりおおよそ50万円前後の差があるというのが、一般的な見え方です。
「安い」と言われる理由を分解する
差の正体は、基本給ではなく手当にあります。
1. 夜勤手当がない
最も大きい要素です。保育園は日中のみの稼働なので、当然ながら夜勤がありません。夜勤手当は看護師の給与に占める比重が大きく、回数によっては年間50万〜100万円規模になります。
ここが丸ごとなくなるだけで、病院との差はほぼ説明がついてしまいます。
2. 役職手当がつきにくい
保育園では看護師の配置が1人というケースが大半です。看護部門という組織が存在しないため、主任・師長のような役職に就く道筋がありません。
病院であれば経験を積むほど役職手当が乗っていきますが、保育園では役職による昇給の余地が構造的に小さいわけです。
3. 残業・休日出勤が少ない
これは収入としてはマイナスですが、働き方としてはプラスの要素です。時間外手当が乗らないぶん額面は下がりますが、実働時間も短くなります。
時給換算で比べると評価が変わるのはこの部分です。年収が50万円低くても、月20時間の残業と夜勤4回がなくなっているなら、1時間あたりの単価はむしろ上がっていることがあります。
給料以外に知っておきたいこと
「医療行為はほぼない」が「判断は求められる」
保育園看護師の役割は大きく2つ。園児の健康と成長を見守ることと、職員の健康を守ることです。医療行為は原則としてほとんどありません。
ただし、ここに重要な但し書きがつきます。
看護師が1人配置の園では、園児の応急処置や救急搬送の判断を一人で担うことになります。
熱性けいれん、誤嚥、アレルギー症状、頭部打撲。「これは救急車を呼ぶべきか」を、相談相手がいない状況で判断する場面が実際にあります。病院のように医師や先輩看護師がすぐそばにいる環境ではありません。
医療行為が少ないことと、責任が軽いことはイコールではない——ここは求人票からは読み取りにくい部分です。
保育士としてカウントされる場合がある
制度上、保育園では看護師や准看護師を保育士1人としてカウントすることが可能です。
このため園によっては、健康管理業務だけでなく保育業務そのものを担うことがあります。0歳児クラスに入る、行事の運営に加わる、といった形です。
「看護業務だけを想定していたのに、実際は保育の割合が大きかった」というミスマッチは、この仕組みから生まれます。面接では、保育業務にどの程度入るのかを具体的に確認してください。
求人が少なく、動きも少ない
1園に1人という配置のため、そもそも求人数が限られます。 また離職も少ないため、募集が出るタイミングも読めません。
希望する場合は、求人が出てから動くのではなく、条件を登録して待つほうが現実的です。
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職場を選ぶときの確認ポイント
- 公立か私立か — 年収差は約95万円。安定を重視するなら公立
- 看護師の配置人数 — 1人か複数か。判断を一人で担うかどうかが変わる
- 保育業務の割合 — どのクラスに、どの程度入るのか
- 園医との連携体制 — 相談できる医師がいるか、頻度はどれくらいか
- 緊急時の対応マニュアル — 整備されているか。誰と連携するか
- 年間休日数 — 土曜出勤や行事出勤の有無
2と5は特に重要です。 1人配置でマニュアルも曖昧な園は、入職後の心理的な負担が大きくなります。
よくある質問
Q. 保育園看護師の給料はいくらですか?
常勤の平均年収は公立で約546万円、私立で約451万円。求人ベースの相場は350万〜450万円です。
Q. 病院看護師と比べてどのくらい下がりますか?
50万円前後が目安です。主な理由は夜勤手当がないことと、役職手当がつきにくいことです。
Q. 保育園看護師に経験年数の条件はありますか?
法令上の条件はありませんが、小児科経験や3年以上の臨床経験を求める求人が多い傾向があります。一人で判断を求められる場面があるためです。
Q. 医療行為はどのくらいありますか?
原則としてほとんどありません。主な業務は健康管理、保健指導、応急処置、感染症対策、職員の健康管理です。ただし応急処置と救急搬送の判断は求められます。
Q. パートでも働けますか?
働けます。行事の多い時期だけ、あるいは週数日という形の求人もあります。ただし常勤以上に求人数が少ないのが実情です。
Q. 未経験でも大丈夫ですか?
小児の看護経験がなくても採用されるケースはあります。ただし1人配置の園では相談相手がいないため、複数配置の園や、園医との連携が密な園から始めるほうが安心です。
まとめ
保育園看護師の平均年収は、公立で約546万円、私立で約451万円。求人相場は350万〜450万円で、病院看護師より50万円前後低いのが一般的な見え方です。
ただしその差の中身は、夜勤手当がないことと役職手当がつきにくいことでほぼ説明がつきます。基本給が不当に低いわけではありません。夜勤と残業が減るぶんを考えれば、時給換算では評価が逆転することもあります。
一方で見落とせないのが、1人配置の園では応急処置や救急搬送の判断を一人で担うという点です。医療行為が少ないことと、責任が軽いことは別の話です。
選ぶときは、公立か私立か、看護師の配置人数、保育業務の割合、園医との連携体制の4点を確認してください。とくに配置人数と連携体制は、入職後の働きやすさを最も大きく左右します。