看護師の夜勤の仕事内容とは?スケジュール・手当・夜勤専従との違いを解説
「夜勤って、実際どんな1日を過ごすんだろう」「日勤より大変って聞くけど、何がどう違うの」。就職・転職を控えた看護師なら、一度はこう感じたことがあるはずだ。
夜勤は、日勤とは違う時間の流れと役割で動く。少ない人数で病棟全体を見なければならず、緊急時の判断も自分でこなす場面が増える。その分、手当という形で報われる部分もある。
この記事では、夜勤の仕事内容を時間の流れに沿って整理し、2交代制・3交代制の違い、手当の相場、夜勤専従との違い、回数の目安、そして「きつい」と感じたときの工夫までをまとめた。これから夜勤に入る新人ナースにも、夜勤の働き方を軸に転職先を選びたい人にも役立つ内容になっている。
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看護師の夜勤とは?2交代制・3交代制の違い
夜勤とは、日勤の時間帯を過ぎたあとに病棟の看護業務を引き継ぐ勤務のことだ。多くの病院では、次の2つのどちらかの体制で回している。
2交代制は、勤務を「日勤」と「夜勤」の2つに分ける方式だ。夜勤は夕方から翌朝までの約16時間と長いが、勤務回数そのものは少なく済む。
3交代制は、1日を「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3つに分ける方式だ。1回あたりの拘束時間は短くなるが、出勤回数が増え、生活リズムが崩れやすいという声もある。
どちらの体制を採っているかは病院によって違う。急性期の大規模病院は2交代制が主流になりつつある一方、伝統的に3交代制を続けている病院も残っている。就職・転職の際は、どちらの体制かを事前に確認しておくと働き方のイメージがつかみやすい。
夜勤の1日のタイムスケジュール
夜勤中に何をしているのか、具体的な流れをイメージできないと不安は消えない。ここでは2交代制を例に、おおまかな時間の流れを示す。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 16:30頃 | 出勤・情報収集(日勤者からの申し送り前の準備) |
| 17:00頃 | 日勤からの申し送り(患者の状態・当日の出来事を引き継ぐ) |
| 17:30〜21:00頃 | 夕食介助・与薬・検温・巡視・記録 |
| 21:00〜24:00頃 | 消灯後の巡回、急変・入院対応、記録の続き |
| 深夜帯 | 交代で仮眠・休憩(多くは2〜3時間ほど) |
| 早朝 | 検温・清拭・与薬の準備、日勤者への申し送り準備 |
| 9:00頃 | 日勤者への申し送り・退勤 |
前後のシフトとは30分〜1時間ほど時間が重なるのが一般的で、この時間に患者の状態を細かく引き継ぐ。急変や緊急入院が重なると、休憩時間が予定どおりに取れないこともある。
3交代制の場合は、この流れを「準夜勤(夕方〜深夜0時頃)」「深夜勤(深夜0時頃〜早朝)」の2回に分けて担当するイメージになる。
夜勤中の仕事内容と少人数体制で求められること
夜勤帯の仕事内容自体は、日勤と大きくは変わらない。検温、与薬、巡視、記録、急変時の対応といった基本業務は共通している。
違うのは、それを担当する人数だ。夜勤は日勤よりスタッフの数が絞られ、病棟によっては看護師1〜2人で数十人の患者を見ることもある。医師や他職種もすぐには駆けつけられないため、初期対応を自分の判断で進める場面が増える。
そのため夜勤には、ある程度の経験と、一人で状況を判断して動けるスキルが求められる。新人がいきなり夜勤に一人で入ることは少なく、多くの病院では独り立ちまでに数か月〜1年程度の同行研修期間を設けている。
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夜勤手当の相場はいくら?交代制別の金額
夜勤には、負担に見合う分だけ手当が上乗せされる。日本看護協会が公表している「2023年 病院看護実態調査報告書」によると、1回あたりの夜勤手当の相場は次のとおりだ。
| 勤務形態 | 手当の相場(1回あたり) |
|---|---|
| 3交代制・準夜勤 | 4,234円 |
| 3交代制・深夜勤 | 5,199円 |
| 2交代制・夜勤 | 11,368円 |
2交代制の夜勤手当が高いのは、拘束時間が長い分をまとめて手当に反映しているためだ。国立病院機構では2交代夜勤1回あたり約13,000円が標準とされるなど、公立病院は民間の平均よりやや高い傾向がある。
ただし、夜勤手当の金額や対象となる時間帯は法律で一律に決まっているわけではない。同じ2交代制でも、病院によって金額に差が出る。求人を比較するときは、基本給だけでなく夜勤手当の単価まで見ておくと、月収のイメージがつかみやすくなる。
夜勤専従との違い
夜勤の働き方の中には、日勤を一切行わず夜勤だけを専門にこなす「夜勤専従」という選択肢もある。
夜勤専従の最大の特徴は、出勤回数が少なくても月収を確保しやすい点だ。2交代制であれば月8〜9回程度の勤務で、常勤と同等かそれ以上の収入になるケースもある。深夜帯の割増賃金(22時〜翌5時は25%増し)に夜勤手当が上乗せされるためだ。日中に行われる委員会や研修に出る必要がない分、看護業務に専念できるという声もある。
一方で、16時間前後の勤務を昼夜逆転した生活リズムでこなすため、体力面の負担は小さくない。正職員としての夜勤専従求人は日勤ありの求人より少ない傾向もあり、雇用形態の選択肢は限られやすい。
夜勤ありの通常勤務か、夜勤専従かは、収入の効率と生活リズムのどちらを優先するかで選び方が変わってくる。
夜勤回数の目安と勤務間インターバル
夜勤は体への負担が大きいため、回数の目安が業界団体から示されている。日本看護協会は2018年、3交代制勤務について「夜勤は月8回以内を基本とする」提言をまとめた。あわせて、前日の終業から翌日の始業までに11時間以上の休息(勤務間インターバル)を確保することも呼びかけている。
ただし、この目安は法律上の上限ではなく、労働基準法そのものに夜勤回数の直接的な制限規定があるわけではない。実際に、この基準を満たしていない病院が一定数残っているという調査結果もある。
面接や求人票で夜勤回数を確認する際は、「月に何回か」だけでなく、「連続何日夜勤が続くか」「夜勤明けから次の勤務まで何時間空くか」まで聞いておくと、入職後のギャップを減らせる。
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夜勤がきついと感じる理由と工夫できること
夜勤が「きつい」と言われる一番の理由は、人間の体が本来、日中に活動し夜に眠るようにできているからだ。そのリズムに逆らって働く以上、多少の負担は避けられない。
長年夜勤をこなしてきた看護師の体験談では、次のような工夫が紹介されている。
- 夜勤に入る前に3〜4時間ほど仮眠を取り、夜間の集中力低下を防ぐ
- 休憩中の仮眠は、アイマスクや耳栓を使って質を上げる
- 夜勤明けは長時間眠り込まず、短時間の仮眠で切り上げて生活リズムのズレを最小限にする
夜勤明けの過ごし方や生活リズムの立て直し方については、より詳しい内容を扱った記事も別途公開している。夜勤中の集中力の保ち方や仮眠の取り方を工夫するだけでも、体感的な負担はかなり変わってくる。
まとめ:夜勤の働き方は自分に合った選び方ができる
夜勤は、日勤とは異なる時間配分と役割で動く勤務だ。2交代制か3交代制か、通常勤務か夜勤専従かによって、負担の種類も手当の金額も変わってくる。
大切なのは、「夜勤=一律にきついもの」と決めつけず、自分の生活スタイルや優先したいことに合わせて働き方を選ぶことだ。夜勤回数や手当の相場を事前に把握しておけば、求人選びの判断材料も増える。転職を考えるときは、夜勤の体制や回数を具体的に確認したうえで、無理なく続けられる働き方を選んでほしい。
参考
- 日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」