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医療センターと病院の違い|医療法上の位置づけと、看護師が職場を選ぶときの見分け方

医療センターと病院の違い|医療法上の位置づけと、看護師が職場を選ぶときの見分け方

医療センターと病院の違いは、法律上の種類の違いではありません。「医療センター」は施設が付けている名前の一部で、医療法の上では「〇〇医療センター」も「〇〇病院」も同じ「病院」です。

そのため、看護師が職場を選ぶときに「医療センターだから大きい」「急性期だ」と名前で判断すると、入職後に想像と違ったということが起こりえます。この記事では、法律上の区分と、名前の代わりに何を見れば職場の中身がわかるかを整理します。

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目次
  1. 医療センターと病院の違いは法律上の種類ではなく名前
  2. 医療法で決まっている病院と診療所の区分
  3. 地域医療支援病院・特定機能病院は名乗るのに承認が要る
  4. 医療センターか病院かを看護師が見分けるポイント
  5. 医療センターが向く看護師・一般の病院が向く看護師
  6. 看護師の求人を実際に見る
  7. よくある質問
    1. 医療センターは病院より大きいのですか?
    2. 医療センターと総合病院の違いは何ですか?
    3. 救命救急センターと医療センターは同じですか?
    4. 医療センターは公務員として働けますか?
  8. まとめ
  9. 参考

医療センターと病院の違いは法律上の種類ではなく名前

医療法には「医療センター」という種類はありません。医療法が定めている医療機関の区分は、入院できるベッドの数で分かれる「病院」と「診療所」です。

「〇〇医療センター」という名前の施設は、ほとんどがベッドを20床以上持つ病院です。独立行政法人国立病院機構の病院や、自治体が運営する病院には「医療センター」を名乗るところが多く、複数の診療科や救急の機能をまとめたことを名前で表していることがよくあります。

一方で、「がんセンター」「こども医療センター」のように特定の分野に絞った専門病院や、健診や透析を中心にした診療所が「センター」を名乗っている例もあります。名前だけでは、規模も機能も判断できないというのが出発点です。

医療法で決まっている病院と診療所の区分

医療法1条の5は、病院と診療所を次のように分けています。

区分 医療法上の定義 看護師の職場としての特徴
病院 20人以上の患者を入院させるための施設を持つ 病棟勤務・夜勤がある職場が中心
診療所 入院施設を持たない、または19人以下の入院施設を持つ 外来中心。有床診療所は夜勤があることも

名前については、医療法3条で「病院でないものは病院と紛らわしい名称を付けてはならない」「診療所は病院と紛らわしい名称を付けてはならない」と定められています。「医療センター」そのものを名乗ることを直接禁止する規定はなく、紛らわしいかどうかで判断されます。

「医院」「クリニック」と病院の違いは、医院と病院の違いとは?で詳しく扱っています。

地域医療支援病院・特定機能病院は名乗るのに承認が要る

「医療センター」は自由に付けられる名前ですが、医療法には承認を受けた病院だけが名乗れる名称があります。看護師が職場の役割を知るうえでは、こちらのほうが手がかりになります。

名称 根拠 主な要件 承認する人
地域医療支援病院 医療法4条 紹介患者への医療、救急医療の提供、地域の医療従事者の研修。原則200床以上 都道府県知事
特定機能病院 医療法4条の2 高度の医療の提供・開発・研修、高度の医療安全。400床以上 厚生労働大臣

どちらも、承認を受けていない病院が同じ名称や紛らわしい名称を付けることは禁止されています。「〇〇医療センター」が地域医療支援病院の承認を受けていることもあれば、受けていないこともあります。

特定機能病院は大学病院の本院が中心です。全国の一覧は特定機能病院の一覧にまとめています。

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医療センターか病院かを看護師が見分けるポイント

名前の代わりに、次の4つを確かめると、その職場がどんな役割を持つ病院なのかがわかります。

確かめること わかること 調べ方
病床数と病床の種類 規模と、一般病床・療養病床などの構成 病院の公式サイト、医療情報ネット(ナビイ)
病棟ごとの入院料 急性期・地域包括ケア・回復期リハビリなど病棟の役割と看護配置 病院の公式サイトの施設基準の掲示、求人票
地域医療支援病院・救命救急センターなどの指定 地域の中で担っている役割 病院の公式サイト、都道府県のサイト
運営母体 給与体系・異動の範囲・福利厚生 求人票、病院の概要

厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)では、全国の病院・診療所の病床数や診療科を調べられます。求人票に病床数が書かれていないときは、ここで確認しておくと安心です。

運営母体によって、働き方も変わります。国立病院機構や自治体の病院は、同じグループの別の病院への異動がありえます。給与は運営母体ごとの給与規程に沿って決まるため、同じ「医療センター」でも条件は大きく違います。

医療センターが向く看護師・一般の病院が向く看護師

「医療センターだから」ではなく、確かめた中身で向き・不向きを考えます。

複数の診療科と救急を持つ大きな病院(「医療センター」に多い)が向く人

  • 急性期の看護を幅広く経験したい
  • 教育体制やクリニカルラダーが整った環境で経験を積みたい
  • 認定看護師などの資格取得を考えている

地域の中小規模の病院が向く人

  • 一人ひとりの患者と長く関わる看護がしたい
  • 急性期から退院支援まで、一つの病院の中で流れを見たい
  • 異動の少ない職場で働きたい

どちらでもない選択肢

病棟にこだわらないなら、外来中心のクリニック、訪問看護、介護施設も選択肢です。夜勤をなくしたい、決まった時間に帰りたいといった条件が先にある人は、病院の種類より働き方で探したほうが早いこともあります。判断の軸は看護師の病院の選び方で詳しく整理しています。

看護師の求人を実際に見る

病床数や病棟の種類がわかったら、求人票の条件と並べて比べてみてください。同じ地域の「医療センター」と「病院」を見比べると、名前と中身の違いがつかみやすくなります。

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よくある質問

医療センターは病院より大きいのですか?

必ずしも大きいとは限りません。「医療センター」は名前の一部で、医療法上の区分ではないからです。規模は病床数で確かめましょう。

医療センターと総合病院の違いは何ですか?

「総合病院」は、かつて医療法で定められていた区分でしたが、1997年の医療法改正で制度としてはなくなり、現在は名前として使われているだけです。医療センターと同じく、中身は病床数や診療科で確認します。

救命救急センターと医療センターは同じですか?

別のものです。救命救急センターは、重い救急患者を受け入れる体制として都道府県の医療計画に位置づけられた機能で、病院の中の部門として置かれます。「〇〇医療センター」の中に救命救急センターがある、という関係になることがあります。

医療センターは公務員として働けますか?

運営母体によります。自治体が直接運営する病院では地方公務員になることがありますが、国立病院機構や地方独立行政法人の病院は法人の職員です。求人票の雇用主の欄で確認しましょう。

まとめ

  • 医療法に「医療センター」という区分はなく、中身は病院(20床以上)であることがほとんど
  • 病院と診療所の違いは入院できるベッドが20床以上かどうか
  • 地域医療支援病院・特定機能病院は承認を受けた病院だけが名乗れる
  • 職場選びでは、名前ではなく病床数・病棟の入院料・指定・運営母体を確かめる

参考

  • 医療法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205
  • 医療法施行規則(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/323M40000100050
  • 厚生労働省「医療情報ネット(ナビイ)」 https://www.iryou.teikyouseido.mhlw.go.jp/