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看護師の社会保険の種類|病院・クリニック・パート・派遣・単発で入る保険はどう違う?働き方別の早見表

看護師の社会保険の種類|病院・クリニック・パート・派遣・単発で入る保険はどう違う?働き方別の早見表

「社会保険完備」と書かれた求人でも、実際に入る保険は職場によって違います。大きな病院なら健康保険組合、クリニックなら医師国保、公立病院なら共済組合と、同じ看護師でも名前がばらばらです。

この記事では、社会保険の種類を一覧で説明したうえで、看護師の働き方ごとにどの保険に入るのかを早見表で整理します。転職や働き方を変える前に、自分がどこに当てはまるかを確かめてください。

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目次
  1. 看護師が入る社会保険の種類
  2. 病院正職員・クリニック・パート・派遣で入る社会保険の違い
    1. 看護師の働き方別の社会保険の種類早見表
    2. クリニックは「法人か個人か」と「人数」で分かれる
    3. パートは「週20時間」と「勤務先の規模」で決まる
    4. 派遣は派遣会社の保険に入る
    5. 単発・スポットのみの場合
  3. 自分がどの社会保険か判定する3つの質問
  4. 社会保険の種類で職場を比べる
  5. よくある質問
  6. まとめ
  7. 参考

看護師が入る社会保険の種類

社会保険は、大きく5つの種類に分かれます。

種類 何のための保険か 主な制度
医療保険 病気やけがの医療費、出産や休業中の手当 健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)、共済組合、国民健康保険、医師国保などの国保組合
年金保険 老後・障害・死亡時の年金 厚生年金保険、国民年金
介護保険 介護が必要になったときのサービス 40歳以上が加入。保険料は医療保険と一緒に納める
雇用保険 失業したときの手当、育児休業給付など 週20時間以上、31日以上雇用見込みの人が対象
労災保険 仕事中や通勤中のけが・病気 働く人全員が対象。保険料は事業主が全額負担

求人票の「社会保険完備」は、一般に健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の4つがそろっていることを指します。ただし、医療保険の中身が健康保険なのか医師国保なのかまでは書かれていないことが多く、ここで職場ごとの差が出ます。

介護保険の仕組みそのものは看護師向け 介護保険法とはで解説しているので、以下では残りの4つを中心に見ていきます。

病院正職員・クリニック・パート・派遣で入る社会保険の違い

看護師の働き方別の社会保険の種類早見表

働き方 医療保険 年金 雇用保険 労災
民間病院・医療法人の正職員 協会けんぽ、または病院グループの健康保険組合 厚生年金 加入 対象
公立病院の常勤職員(地方公務員) 共済組合 厚生年金(共済組合を通じて加入) 対象外が一般的(退職手当の制度がある) 公務災害補償の制度
医療法人のクリニック 協会けんぽなど 厚生年金 加入 対象
個人開業のクリニック(常時5人以上) 健康保険、または承認を受けて医師国保 厚生年金 加入 対象
個人開業のクリニック(5人未満) 医師国保、または市区町村の国民健康保険(任意で適用している場合は健康保険) 国民年金(任意で適用している場合は厚生年金) 加入 対象
パート(週20時間以上など要件を満たす) 勤務先の健康保険 厚生年金 週20時間以上なら加入 対象
パート(要件を満たさない) 国民健康保険、または家族の扶養 国民年金、または第3号被保険者 週20時間以上なら加入 対象
派遣 派遣会社の健康保険 派遣会社の厚生年金 派遣会社で加入 対象
単発・スポットのみ 国民健康保険、または家族の扶養 国民年金、または第3号被保険者 原則対象外 1日だけでも対象

以下、表の中で迷いやすいところを補足します。

クリニックは「法人か個人か」と「人数」で分かれる

健康保険法と厚生年金保険法では、医療の事業を行う個人の事業所は、常時5人以上の従業員を使う場合に加入が義務になります(健康保険法3条3項、厚生年金保険法6条)。法人の事業所は人数に関係なく義務です。

個人開業で5人以上のクリニックでも、医師国保などの国保組合に入っていて、健康保険に入らない承認を受けている場合があります(健康保険法3条1項8号)。この場合、医療保険は医師国保、年金は厚生年金という組み合わせになります。

医師国保と健康保険の違い 医師国保(国保組合) 健康保険(協会けんぽなど)
保険料 組合ごとに定額など独自の決め方 給与に応じて決まり、事業主と折半
扶養家族 家族も1人ずつ組合員として保険料がかかる 扶養の基準内なら保険料はかからない
傷病手当金・出産手当金 組合によって無い、または内容が違う 支給される

医師国保の給付の中身は組合ごとに違います。産休や病気での休業を考えている人は、クリニックが加入している組合名を聞いて確認しておきましょう。出産手当金の条件は出産手当金がもらえないケースも参考になります。

パートは「週20時間」と「勤務先の規模」で決まる

パート看護師が勤務先の健康保険・厚生年金に入るかは、週の所定労働時間、賃金、学生でないか、勤務先の規模の4つで決まります。賃金の要件(月額8.8万円)は2026年10月に撤廃される予定で、勤務先の規模の要件も2027年10月から段階的に縮小されます。詳しくは106万円の壁撤廃は2026年10月で整理しています。

扶養内で働くかどうかの考え方は看護師が「扶養内で働く」とは?にまとめています。

派遣は派遣会社の保険に入る

派遣で働く場合、雇用主は派遣先の病院や施設ではなく派遣会社です。そのため社会保険も派遣会社で入ります。加入の要件はパートと同じ考え方で、週20時間以上などを満たせば加入します。

なお看護師の派遣は、法律で働ける場所や形が限られています。派遣の働き方そのものは派遣看護師のメリット・デメリットで解説しています。

単発・スポットのみの場合

1日単位の単発の仕事は、健康保険法の「日々雇い入れられる者」にあたり、1か月を超えて続けて働かない限り勤務先の健康保険には入りません(健康保険法3条1項2号)。雇用保険も、31日以上雇用される見込みが無いため原則として対象外です(雇用保険法6条)。

労災保険だけは、1日だけの仕事でも対象になります。本業がある人の副業として単発で働く場合は、医療保険と年金は本業のもののままです。副業の注意点は看護師の副業におすすめのバイト・派遣は?を参考にしてください。

自分がどの社会保険か判定する3つの質問

働き方を変える前に、次の3つを順に確かめると、入る保険の見当がつきます。

  1. 雇い主は誰か。 病院・クリニック・派遣会社のどれか。法人か個人か。公立か民間か
  2. 週の所定労働時間は何時間か。 正職員の4分の3以上か、週20時間以上か、20時間未満か
  3. どのくらいの期間働くか。 2か月を超える見込みがあるか、31日以上の見込みがあるか、単発か

この3つが決まると、上の早見表のどの行に当てはまるかが分かります。求人票に書かれていない場合は、面接で「健康保険はどちらの保険者ですか」と聞くのが確実です。

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社会保険の種類で職場を比べる

産休・育休や扶養の予定がある人にとっては、給与額よりも入る保険の種類のほうが影響が大きいこともあります。条件を比べながら求人を探してみてください。

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よくある質問

Q. 「社会保険完備」と書かれていれば、どこでも同じ保険ですか。

同じではありません。医療保険が健康保険か医師国保かで、扶養家族の保険料や傷病手当金・出産手当金の有無が変わります。面接で保険者の名前を確認しましょう。

Q. 公立病院から民間病院に転職すると、年金はどうなりますか。

2015年10月から公務員の年金も厚生年金に統一されているため、年金は厚生年金のまま続きます。医療保険は共済組合から、転職先の健康保険に切り替わります。

Q. 試用期間中は社会保険に入れないと言われました。

加入の要件を満たす働き方なら、試用期間中でも入職日から加入するのが原則です。法律上、試用期間を理由にした例外はありません。雇用契約書の記載を確認し、必要なら年金事務所に相談しましょう。

Q. 掛け持ちで2か所のパートをしています。どちらの保険に入りますか。

加入の要件は、原則として勤務先ごとに判断されます。2か所の労働時間を合計して判定するわけではないので、それぞれの契約で週20時間以上かどうかを確認してください。

まとめ

  • 社会保険は医療・年金・介護・雇用・労災の5種類。求人の「社会保険完備」は一般に介護を除く4つを指す
  • 同じ正職員でも、民間病院は健康保険、公立病院は共済組合、個人開業のクリニックは医師国保のことがある
  • 個人開業のクリニックは常時5人以上で健康保険・厚生年金が義務。5人未満は国保と国民年金になりやすい
  • パートは週20時間と勤務先の規模で決まる。派遣は派遣会社の保険に入る
  • 単発のみなら国保・国民年金か扶養。労災は1日でも対象

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参考

  • 健康保険法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070
  • 厚生年金保険法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115
  • 雇用保険法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
  • 労働者災害補償保険法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000050
  • 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/tanjikan.html
  • 厚生労働省「社会保険適用拡大 特設サイト」 https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/