プライベート・マネー事情

理学療法士の年収は看護師とどう違うか|夜勤の有無で決まる差と、上げる3つの道

理学療法士の年収は看護師とどう違うか|夜勤の有無で決まる差と、上げる3つの道

理学療法士(PT)と看護師の収入を比べたとき、多くの人が「資格の重さの違い」だと考える。しかし実際に差を作っているのは、夜勤があるかどうかである。

この記事では、どこで差がつくのか、どう縮められるのかを整理する。

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目次
  1. 差の正体は夜勤手当
  2. 4つの勤務先で、収入の決まり方が違う
    1. 病院(急性期・回復期)
    2. 介護老人保健施設・特別養護老人ホーム
    3. 訪問リハビリテーション・訪問看護ステーション
    4. 自費(自費リハビリ・パーソナルトレーニング)
  3. なぜ年齢とともに差が開くのか
  4. 打ち手は「役職・施設形態・専門性」の3つ
    1. ① 役職に就く(リハビリ科の主任・科長)
    2. ② 施設形態を変える
    3. ③ 専門性を示す資格を取る
  5. 夜勤を減らしたい看護師が先に計算すること
  6. よくある質問
    1. 理学療法士と看護師では、どちらが収入が高いですか。
    2. 訪問リハビリは収入が高いと聞きました。
    3. 認定理学療法士を取ると手当がつきますか。
    4. 収入だけで転職先を決めてよいですか。
  7. まとめ
  8. 出典

差の正体は夜勤手当

看護師の給与は、基本給に夜勤手当が上乗せされる構造になっている。夜勤の回数が多いほど、年収は上がる。

一方、理学療法士の勤務はリハビリテーションの提供時間に沿うため、夜勤が発生しないのが一般的である。

看護師 理学療法士
夜勤 あることが多い ほぼない
夜勤手当 収入に大きく寄与 ほぼ発生しない
休日 シフト制 病院では日曜休みが多い
収入の変動要因 夜勤回数 役職・施設形態

つまり、日勤のみの看護師と理学療法士を比べると、差は縮まる。 収入差を「資格の差」と捉えると、対策の方向を間違える。

4つの勤務先で、収入の決まり方が違う

理学療法士の勤務先は大きく4つに分かれ、収入の構造が違う。

病院(急性期・回復期)

もっとも一般的な勤務先。回復期リハビリテーション病棟では、リハビリの提供単位数が診療報酬に直結するため、実績が評価につながりやすい。

介護老人保健施設・特別養護老人ホーム

機能訓練指導員として配置される。夜勤はないが、施設によっては加算の算定要件を満たす役割を担うことがあり、その分が処遇に反映される場合がある。

訪問リハビリテーション・訪問看護ステーション

移動を含む働き方になる。件数に応じたインセンティブが設定されていることがあり、収入の幅が大きい。

自費(自費リハビリ・パーソナルトレーニング)

保険外のため単価設定が自由で、収入の上限は高い。ただし集客が収入に直結し、安定性は下がる

なぜ年齢とともに差が開くのか

理学療法士の収入は、若いうちは看護師と大きく変わらないが、年齢とともに差が開きやすい傾向がある。理由は2つ。

  1. 看護師は夜勤回数の分だけ早期から上乗せがある
  2. 理学療法士は役職に就かないと基本給の伸びが緩やかなことが多い

裏を返せば、理学療法士が収入を上げるには「年数を重ねる」以外の道筋が要る。

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打ち手は「役職・施設形態・専門性」の3つ

① 役職に就く(リハビリ科の主任・科長)

もっとも直接的。ただしポストの数が限られる。組織が大きいほど枠はあるが競争も増える

管理職を目指すなら、単位数の管理、実習指導、他職種との調整といった臨床以外の実績が評価される。

② 施設形態を変える

同じ理学療法士でも、勤務先の形態で収入構造が変わる。

  • 訪問リハビリへ移る … 件数連動の要素があり、伸ばせる余地がある
  • 介護分野へ移る … 加算に関わる役割を担うことで処遇が変わる場合がある
  • 自費領域へ移る … 上限は高いが、集客と単価設定が自分の責任になる

「転職=収入が上がる」ではなく、「収入の決まり方が変わる」と捉えるのが正確である。

③ 専門性を示す資格を取る

日本理学療法士協会の認定理学療法士・専門理学療法士の制度がある。取得したこと自体が直ちに手当につながるとは限らないが、次の場面で効く。

  • 役職への登用や配置の判断材料になる
  • 実習指導者・教育担当としての役割につながる
  • 転職時に説明できる材料になる

資格そのものより、資格を取る過程で担った役割が評価されることが多い。

夜勤を減らしたい看護師が先に計算すること

看護師がリハビリ職の収入を気にする場面は、多くの場合「夜勤を減らしたい」という文脈にある。

日勤のみへ移ると夜勤手当が消えるため、収入は理学療法士に近い水準へ寄る。このとき比較すべきは職種ではなく、次の3つである。

  1. 夜勤手当が消えたあとの月収
  2. 賞与の月数
  3. 昇給の幅

「日勤のみに変えたら手取りがいくらになるか」を先に計算する。 職種の平均値を比べても、自分の手取りは分からない。

よくある質問

理学療法士と看護師では、どちらが収入が高いですか。

夜勤の有無で変わります。夜勤のある看護師と比べると理学療法士のほうが低くなる傾向がありますが、日勤のみの看護師と比べると差は縮まります。個別の金額は勤務先・地域・経験年数によるため、求人票の内訳で確認してください。

訪問リハビリは収入が高いと聞きました。

件数に応じたインセンティブが設定されている場合があり、その分の幅があります。ただし移動時間が発生し、天候や利用者の体調で件数が変動するため、安定性は勤務先の制度によります。

認定理学療法士を取ると手当がつきますか。

手当の有無は勤務先の規定によります。資格そのものより、取得の過程で担った教育・管理の役割が評価につながることが多いとされています。

収入だけで転職先を決めてよいですか。

求人票の月額だけでは判断できません。賞与の月数、昇給の幅、みなし残業の有無、手当の内訳を合わせて確認してください。特にみなし残業が含まれている場合、額面が高く見えても実質が変わらないことがあります。

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まとめ

理学療法士と看護師の収入差は、職能の差ではなく夜勤手当の有無によるところが大きい。

収入を上げる道は3つ。

  1. 役職に就く(枠は限られる。臨床以外の実績が評価される)
  2. 施設形態を変える(訪問・介護・自費で収入の決まり方が変わる)
  3. 専門性を示す資格を取る(資格より、過程で担った役割が効く)

そして看護師が夜勤を減らすことを検討する場合、比べるべきは職種の平均値ではなく、夜勤手当が消えたあとの自分の月収・賞与月数・昇給幅である。

出典

  • 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
  • 理学療法士及び作業療法士法
  • 公益社団法人日本理学療法士協会「認定理学療法士・専門理学療法士制度」

※ 本記事は2026年9月時点の情報にもとづきます。実際の給与は勤務先・地域・経験年数により異なります。