プライベート・マネー事情

看護師の夏のボーナスはいつ出る?支給月・査定期間と、転職した年の扱い

看護師の夏のボーナスはいつ出る?支給月・査定期間と、転職した年の扱い

「夏のボーナスは6月?7月?」という疑問は、
実は「うちの職場はいつか」を就業規則で確かめるしかない問いです。
法律で支給日が決まっているわけではないからです。

ただし、設置主体ごとに実態はかなり揃っています。
そして転職を考えている人にとって本当に重要なのは、支給日そのものより
「いつ辞めるとボーナスがもらえないか」のほうです。

この記事では、支給月の実態、査定期間の仕組み、
転職した年に何が起きるかを順に整理します。

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目次
  1. そもそもボーナスに支払い義務はない
  2. 設置主体別の支給月の実態
  3. 査定期間 — 「いつ働いた分」なのか
  4. 支給日在籍要件 — 辞めるタイミングで最も効く条件
    1. 「支給日以降に退職予定の者は減額する」という条項
  5. 転職を考えている人が見る3つの日付
  6. 金額の相場感
  7. 社会保険料と税金の扱い
  8. よくある質問
  9. まとめ
  10. 参考

そもそもボーナスに支払い義務はない

前提として、賞与(ボーナス)は法律上の支払い義務がありません。
労働基準法が定めているのは、賃金の支払い方(毎月1回以上、一定期日)であって、
賞与の有無や金額ではありません。

支給の根拠になるのは次のどれかです。

  • 就業規則・賃金規程(多くの医療機関はここ)
  • 労働協約
  • 労働契約(雇用契約書)
  • 公務員なら条例・人事院規則

🔴 したがって「夏のボーナスはいつ?」の答えは、自院の賃金規程にしか書いてありません。
まずそこを見るのが最短です。

設置主体別の支給月の実態

そのうえで、実態としては次のように分かれます。

設置主体 夏の支給月 根拠・傾向
国立・公立病院、公務員扱い 6月30日ごろ 期末手当・勤勉手当。条例で支給日が定められている
独立行政法人・国立病院機構 6月下旬〜7月上旬 公務員に準じることが多い
民間病院・医療法人 7月上旬〜中旬 就業規則による。7月10日前後が多い
クリニック・診療所 7月、または支給なし 規模が小さいほど制度がない場合がある
訪問看護ステーション 7月、または年俸制で分割 事業所により差が大きい

⚠️ 公立と民間で1〜2週間ずれるのが典型です。
公務員の期末・勤勉手当は6月30日と12月10日が支給日として定められており、
民間はそれを見ながら7月上旬に置く形が多くなっています。

査定期間 — 「いつ働いた分」なのか

支給日より重要なのが、どの期間の勤務が反映されるかです。

代表的なパターンは次の2つです。

パターン 夏の査定期間 冬の査定期間
半年区切り 10月〜3月 4月〜9月
公務員型 12月2日〜6月1日 6月2日〜12月1日

これが「転職した年にボーナスが少ない」理由です。
4月に入職した人の夏のボーナスは、査定期間の大半に在籍していないため、
在籍月数に応じて按分されます。ゼロのこともあります。

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支給日在籍要件 — 辞めるタイミングで最も効く条件

多くの賃金規程には、次のような条項があります。

賞与は、支給日に在籍する者に対して支給する。

これを支給日在籍要件といいます。

🔴 査定期間をフルで働いていても、支給日に在籍していなければ支給されません。
そしてこの条項は、就業規則に明記されていれば有効と解されています。

具体例で見ます。(夏の査定期間が10月〜3月、支給日が7月10日の職場)

退職日 夏のボーナス
6月30日 支給されない(支給日に在籍していない)
7月10日 支給される
7月31日 支給される

6月30日退職と7月10日退職で、丸ごと1回分の差が出ます。

⚠️ 規程に「支給日在籍要件」が書かれていない場合は別です。
書かれていないのに支給しないことには争いの余地があります。
まず自院の賃金規程を確認してください。

「支給日以降に退職予定の者は減額する」という条項

一部の職場には、支給日には在籍しているが退職が決まっている人を減額する
という条項があります。これは有効性が争われやすい領域で、
一律に「有効」とも「無効」とも言えません。規程に書かれているかを先に確認します。

転職を考えている人が見る3つの日付

① 賃金規程の支給日
夏・冬それぞれの支給日を確認します。

② 支給日在籍要件の有無
あるなら、退職日を支給日の後に置くという選択肢が生まれます。

③ 転職先の査定期間
入職時期によっては、転職先の初回ボーナスがほぼゼロになります。
「今の職場の夏を受け取ってから動く」か「早く動いて次の冬に間に合わせる」かの判断です。

⚠️ ボーナスだけで退職日を決めないほうがよい場面もあります。
転職先の入職希望日が決まっている、有給の消化日数が多い、
繁忙期を外したいなど、金額以外の条件と並べて考えます。

金額の相場感

賞与の金額は「基本給の○か月分」で決まる形が一般的です。
月数は経営状況と評価で変動します。

確認すべきは、求人票に書かれた「賞与年○か月」が何を基準にしているかです。

基準 実際の金額
基本給×か月数 手当を含まないので、思ったより少ないことがある
月給(手当込み)×か月数 基本給基準より多くなる

🔴 看護師の給与は夜勤手当の比重が大きいため、
「基本給×か月数」だと想定より小さくなりがちです。

面接や条件提示の場で、「賞与の算定基礎は基本給ですか、月給ですか」
確認しておくと、入職後の齟齬がありません。

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社会保険料と税金の扱い

ボーナスからも、給与と同じように控除があります。

  • 健康保険料・厚生年金保険料 … 標準賞与額(1,000円未満切捨て)に保険料率を掛けます。
    厚生年金は1回あたり150万円が上限、健康保険は年度累計573万円が上限です
  • 雇用保険料 … 賞与額に料率を掛けます
  • 所得税 … 前月の給与額と扶養親族の数から税率を求めて源泉徴収します
  • 住民税賞与からは引かれません(毎月の給与から特別徴収されるため)

⚠️ 産前産後休業・育児休業中は、賞与にかかる社会保険料も免除されます。
ただし育児休業については、1か月超の育休を取得している場合に限るという
要件があります(2022年10月改正)。

よくある質問

Q. パート・非常勤にもボーナスは出ますか。
規程次第です。ただし、正職員と職務内容・責任が同じなのに賞与だけ支給しない形は、
パートタイム有期雇用労働法が禁じる不合理な待遇差に当たり得ます。

Q. 産休・育休中に支給日が来たらもらえますか。
在籍はしているので、支給日在籍要件はクリアします。
ただし査定期間の勤務実績で按分されるのが一般的で、金額は減ることが多くなります。

Q. 試用期間中はもらえますか。
査定期間の在籍が短いため、按分またはゼロが一般的です。規程を確認してください。

Q. 求人票に「賞与年2回」とだけ書いてあります。
月数が書かれていない場合、面接で必ず聞きます。
「昨年度の実績で何か月分でしたか」と聞くと、答えが具体的になります。

まとめ

夏のボーナスの支給月は、公立系が6月末、民間が7月上旬〜中旬が実態です。
ただし法律で決まっているものではないので、答えは自院の賃金規程にあります。

転職を考えているなら、見るのは支給日そのものではなく次の3つです。

  • 支給日在籍要件があるか(あるなら、退職日を支給日の後に置ける)
  • 査定期間はいつからいつまでか(転職先の初回がゼロになる可能性)
  • 算定基礎は基本給か、月給か(夜勤手当の比重が大きいほど差が出る)

まず賃金規程を開いて、この3つを確認するところから始めてください。

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参考

  • 労働基準法 第24条・第89条(賃金の支払、就業規則の記載事項)
  • 一般職の職員の給与に関する法律(期末手当・勤勉手当)
  • 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律 第8条
  • 日本年金機構「標準賞与額の決定」「産前産後休業・育児休業等期間中の保険料免除」
  • 国税庁「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」