保育園の看護師求人|1人職場の実際と、応募前に確認する6項目
保育園の看護師求人は、病院やクリニックの求人とは探し方そのものが違います。
理由は3つあります。募集が年に1〜2回に集中すること、多くが1園に1人であること、そして「看護師」ではなく「保育士としてカウントされる」働き方があることです。
給与の水準については別記事(保育園看護師の給料はいくら?公立・私立の差と、「安い」と言われる理由を分解する)で扱っています。ここでは求人の探し方と、応募前に見ておく点に絞ります。
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そもそも保育園に看護師は必須ではない
ここを知らずに応募すると、園ごとの扱いの違いに戸惑います。
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の第33条第1項が保育所に置くことを義務づけているのは、保育士・嘱託医・調理員です。看護師は入っていません。
では、なぜ多くの保育園に看護師がいるのか。同基準の附則に、次の規定があるためです。
当分の間、当該保育所に勤務する保健師、看護師又は准看護師(中略)を、一人に限り、保育士とみなすことができる
つまり、看護師を1人置くと、その1人を保育士の配置数に算入できる——これが保育園が看護師を採用する制度上の理由です。
「当分の間」という経過措置であること、「一人に限り」であることが、そのまま求人の性質を決めています。
なお、乳児の数が4人未満の保育所についてはただし書きがあり、子育てに関する知識と経験を有する看護師等を配置し、かつ保育士による支援を受けられる体制を確保することが求められます。
この制度が求人に与えている影響
| 制度 | 求人に表れる形 |
|---|---|
| 一人に限り | 1園1名。同僚の看護師はいない |
| 保育士とみなす | 保育補助の業務が入る。「看護業務だけ」の求人はほぼ無い |
| 必置ではない | 園の方針で置いたり置かなかったりする。欠員補充の求人が突然出る |
| 経過措置 | 制度の位置づけが将来変わりうる |
求人票に「保育補助あり」と書かれていなくても、実際には入ります。保育士としてカウントされている以上、クラスに入る場面は必ずあると考えてください。
求人が出る時期と探し方
時期
年度替わりに集中します。
- 10月〜12月……翌年4月入職の募集。もっとも数が多い
- 1月〜3月……欠員が出た園の追加募集
- 年度途中……産休・急な退職の補充。数は少ないが競合も少ない
「今すぐ探したい」時期と、求人が出る時期がずれるのがこの領域の難しさです。急ぐ事情がなければ、秋を待つほうが選べる園は増えます。
応募経路は4つ
① 自治体の採用試験(公立)
公立保育園は自治体の職員採用です。年齢制限や試験があり、募集は年1回が基本。待遇は安定しますが、配属先は選べません。
② 社会福祉法人・学校法人の直接応募
法人サイトの採用ページに出ます。求人サイトに載らない募集がここに集まるので、通いたいエリアの法人が決まっているなら直接見るのが早いです。
③ 保育系・看護系の求人サイト
看護師向けサイトと保育士向けサイトの両方に載ります。看護師向けサイトだけを見ていると取りこぼします。保育士向けサイトで「看護師」を条件に検索すると、別の求人群が出てきます。
④ 企業主導型保育事業・院内保育所
企業が従業員向けに設けている保育施設です。病院が運営する院内保育所は、看護師にとって条件が読みやすい(母体の給与規程が適用されることがある)ので、選択肢に入れる価値があります。
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応募前に確認する6項目
① 看護師は自分1人か、複数いるか
大規模園では2人配置のところもあります。1人職場は、判断も責任も分散しません。ブランクがある人や、初めて保育の現場に入る人ほど、ここは効きます。
② 保育補助の割合
「保健業務3割・保育補助7割」といった実態の園もあります。1日のタイムスケジュールを見せてもらうのがもっとも確実です。
③ クラス担任を持つか
持つ園があります。担任になると、行事の準備・保護者対応・記録が加わります。求人票では読み取れないので、面接で聞いてください。
④ 0歳児クラスに入るか
乳児が多い園ほど、看護師の役割は保健寄りになります。逆に3歳以上児が中心の園は、保育補助の比率が上がる傾向があります。
⑤ 嘱託医との連携の仕方
体調不良児の判断を1人で背負う場面が出ます。嘱託医にどこまで相談できるか、園長の判断との線引きがどうなっているかは、働きやすさに直結します。
⑥ 休みの取り方
1人職場なので、自分が休むと代わりがいません。有給が実際にどう回っているか、看護師不在の日は誰が対応するかを確認してください。
向いている人・向いていない人・急がなくてよい人
向いている人
- 夜勤なし・カレンダー通りの休みを最優先したい
- 医療処置より、健康管理と保健指導に関心がある
- 子どもと保護者に長期的に関わりたい
向いていない人
- 1人で判断する場面に強い不安がある(新人・長いブランク明けは、まず複数配置の園から)
- 医療的なスキルを積み上げたい
- 保育補助を「看護師の仕事ではない」と感じる
急いで転職しなくてよい人
- いまの職場に不満はないが、なんとなく気になっているという段階なら、秋の募集期を待って比較したほうが選べます
- 年収を下げたくないなら、まず院内保育所や病院併設の施設を見る。一般の認可保育園より条件が読みやすい
よくある質問
Q. 保育の経験は必要ですか。
多くの求人で不問です。看護師資格が要件で、保育の経験は入職後に身につける前提の園がほとんどです。
Q. 准看護師でも応募できますか。
できます。上の附則の規定は「保健師、看護師又は准看護師」を対象にしています。ただし園の募集要件で看護師に限定していることはあります。
Q. 認定こども園や小規模保育でも同じですか。
根拠となる基準が施設類型ごとに違います。認定こども園、地域型保育事業(小規模保育など)、企業主導型はそれぞれ別の基準で運営されているので、配置の考え方も変わります。求人票で施設類型を必ず確認してください。
Q. 病院に戻れなくなりませんか。
医療処置から離れる期間が長くなるのは事実です。戻る可能性を残したいなら、院内保育所や、健診・予防接種に関わる機会がある園を選ぶと接点が保てます。
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まとめ
- 保育園に看護師は必置ではない。附則の「当分の間・一人に限り保育士とみなす」規定が根拠
- 1園1名が基本。保育補助は必ず入ると考える
- 求人は10〜12月に集中。保育士向けサイトと法人の直接応募も見る
- 確認するのは人数・保育補助の割合・担任の有無・0歳児クラス・嘱託医との連携・休みの取り方
- 不安があるなら複数配置の園か院内保育所から