プライベート・マネー事情

自己都合で辞めた看護師の失業保険はいつから?給付制限1か月の判定表と、すぐもらえる人の条件

自己都合で辞めた看護師の失業保険はいつから?給付制限1か月の判定表と、すぐもらえる人の条件

自己都合で退職した看護師が失業保険(雇用保険の基本手当)をもらえるのは、ハローワークで手続きをした日から7日の待期と、その後の給付制限1か月が過ぎてからです。給付制限は、2025年4月1日以降に退職した人から2か月が1か月に短くなりました。

ただし、次のどれかに当たる人は給付制限がかからず、待期の7日が明けた翌日から支給の対象になります。

  • 体調不良・妊娠・介護・結婚による転居など、退職に「正当な理由」がある(特定理由離職者)
  • 残業が多すぎた、ハラスメントを受けたなど、会社都合に当たる理由がある(特定受給資格者)
  • 2025年4月以降に始めた教育訓練を、退職前1年以内に修了した、または退職後に受けている

逆に、過去5年に自己都合で辞めて失業保険の手続きをしたことが2回以上ある人は、給付制限が3か月になります。この記事では、自分がどれに当たるかの判定表と、退職日から振込日までの計算例をまとめます。

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目次
  1. 自己都合退職の失業保険はいつから?離職理由別の判定表
  2. 退職日から振込日までの計算例:2026年10月31日に退職した場合
  3. 失業保険をすぐもらえる条件のチェックリスト
    1. 特定理由離職者になる「正当な理由」
    2. 会社都合(特定受給資格者)に当たる理由
    3. 教育訓練で給付制限が外れる条件
  4. 失業保険の手続きと、次の職場探しの段取り
    1. 給付制限中に転職先が決まったら再就職手当を確かめる
    2. 扶養に入るかどうかは日額で決まる
  5. 次の職場を探しながら受給する
  6. よくある質問
    1. 給付制限中にアルバイトをしてもいいですか?
    2. 2025年3月31日以前に退職した場合も、給付制限は1か月ですか?
    3. 夜勤がつらくて辞めた場合、特定理由離職者になりますか?
  7. まとめ
  8. 参考

自己都合退職の失業保険はいつから?離職理由別の判定表

待期の7日は、離職理由にかかわらず全員にかかります。差が出るのは、その後の給付制限です。

離職理由・条件 待期 給付制限 支給の対象になる日
自己都合(2025年4月1日以降に退職) 7日 1か月 待期明けから1か月後
自己都合で、過去5年に自己都合退職で受給資格決定を2回以上受けている 7日 3か月 待期明けから3か月後
自己都合で、2025年4月以降に始めた教育訓練を退職前1年以内に修了した 7日 解除 待期明けの翌日から
自己都合で、退職後に教育訓練を受け始めた 7日 受講開始日から解除 受講開始日から
正当な理由のある自己都合(特定理由離職者) 7日 なし 待期明けの翌日から
倒産・解雇・会社都合に当たる退職(特定受給資格者) 7日 なし 待期明けの翌日から
自分の重大な責任による解雇(重責解雇) 7日 3か月 待期明けから3か月後(教育訓練による解除も対象外)

数え始めは退職日ではなく、ハローワークに離職票を出して求職の申込みをした日(受給資格決定日)です。退職してから手続きまでに日が空くと、その分だけ支給も後ろにずれます。

もらうための前提として、自己都合の人は退職前の2年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上必要です。特定理由離職者と特定受給資格者は、退職前の1年間に6か月以上あれば足ります。

失業保険を受け取れる期間(受給期間)は、退職日の翌日から1年です。給付制限が3か月の人や手続きが遅れた人は、1年の中に支給日数が収まらないことがあるので、退職したら早めに手続きしましょう。

退職日から振込日までの計算例:2026年10月31日に退職した場合

2026年10月31日に退職し、11月10日(火)にハローワークで手続きをした看護師の例です。初回の失業認定日は、手続き後の説明会でハローワークから日付が指定されます。ここでは4週間後の12月8日(火)と置いて計算します。

区切り 自己都合(給付制限1か月) 給付制限なし(特定理由離職者など)
受給資格決定日 11月10日(火) 11月10日(火)
待期 11月10日〜11月16日 11月10日〜11月16日
給付制限 11月17日〜12月16日 なし
支給の対象になる最初の日 12月17日(木) 11月17日(火)
初めて振り込まれる時期の目安 2027年1月中旬(12月17日以降の分を、1月5日ごろの認定日に認定) 12月中旬(12月8日の初回認定日の約1週間後)

失業の認定は4週間に1回です。振込は認定日の約1週間後になります。給付制限がない人でも、手続きから最初の振込までは約1か月かかる、とハローワークは案内しています。

給付制限1か月の人は、12月8日の初回認定日の時点ではまだ給付制限中なので、この日の認定では振り込まれません。給付制限が明けた後の次の認定日で、12月17日以降の分がまとめて認定されます。

過去5年に自己都合退職で2回以上受給している人(給付制限3か月)だと、給付制限は11月17日〜2027年2月16日で、支給の対象になるのは2月17日からです。

1日あたりいくら受け取れるか、何日分もらえるかは「看護師は失業保険をいくらもらえる?受給条件や計算式・申請手順まで徹底解説」で計算しています。

失業保険をすぐもらえる条件のチェックリスト

自己都合で辞めても、次に当たれば給付制限がかからない、または外れます。ハローワークで手続きする前に確かめておきましょう。

特定理由離職者になる「正当な理由」

次の理由で辞めた人は、特定理由離職者として給付制限がかかりません。

  • [ ] 体力の不足、心身の障害、病気、けが、視力・聴力の低下などで、仕事を続けられなくなった
  • [ ] 妊娠・出産・育児で辞め、受給期間の延長を受けた
  • [ ] 親の死亡・病気・けがで扶養が必要になった、または常に看護が必要な家族がいて辞めざるを得なかった
  • [ ] 配偶者や扶養する家族と、別居を続けるのが難しくなった
  • [ ] 結婚による転居で、通勤できなくなった・難しくなった
  • [ ] 保育所の利用や家族への預け先の都合で、通勤が難しくなった
  • [ ] 配偶者の転勤・出向・再就職で通勤が難しくなり、別居を避けるために辞めた
  • [ ] 有期契約で更新を希望したのに、更新されなかった(更新の確約まではなかった場合)

夜勤で体調が悪くなって辞めた場合は、1つ目に当たるかがポイントです。ハローワークが「正当な理由」があるかを判断するので、医師の診断書など、退職の時点で働き続けられなかったことがわかる書類を持っていきましょう。

妊娠・出産・育児を理由に辞めて、すぐには働けない人は、受給期間の延長を先に申し出ます。育休の後に辞めた人の扱いは「育休後に退職した看護師は失業手当をもらえる?受給要件の特例と受給期間延長、給付制限までの判定表」で整理しています。

会社都合(特定受給資格者)に当たる理由

自分から退職届を出していても、次の事情で辞めた人は特定受給資格者として扱われます。看護師が当てはまりやすい項目です。

  • [ ] 退職前の6か月のうち、連続する3か月で残業が毎月45時間を超えた
  • [ ] 退職前の6か月のうち、1か月で残業が100時間を超えた、または連続する2か月以上の平均で80時間を超えた
  • [ ] 給料の3分の1を超える額が、支払日までに払われなかった
  • [ ] 予見できなかった理由で、給料が85%未満に下がった(下がることになった)
  • [ ] 入職時に示された労働条件が、実際と大きく違った
  • [ ] 上司や同僚から故意の排斥・著しい冷遇・嫌がらせを受けた
  • [ ] 妊娠・出産・育休などを理由に不利益な扱いを受けた、または制度の利用を不当に制限された
  • [ ] 病院から退職を勧められた(以前からある早期退職制度への応募は除く)
  • [ ] 有期契約を更新して3年以上働いたのに、更新されなかった

残業時間は、勤務表・タイムカード・給与明細の時間外手当の欄で裏づけます。退職したら手に入りにくくなるので、在職中に控えを取っておきましょう。

特定受給資格者になると給付制限がなくなるだけでなく、年齢と勤続年数によっては所定給付日数も一般の自己都合より長くなります。

教育訓練で給付制限が外れる条件

2025年4月から、自己都合で辞めた人でも、教育訓練を受けていれば給付制限が外れるようになりました。対象は次の訓練で、2025年4月1日以降に受講を始めたものに限ります。

  • 教育訓練給付金の対象になる教育訓練
  • 公共職業訓練など(ハロートレーニング)
  • 短期訓練受講費の対象になる教育訓練

退職前1年以内に修了した人は、待期明けから給付制限が外れます。途中でやめた場合は対象外です。退職後に受け始めた人は、受講を始めた日から外れます。

申し出の期限があります。受給資格決定日か、その後の初回認定日までに、修了証明書や受講開始日がわかる領収書を持ってハローワークに申し出ます。初回認定日の後に受講を始めた場合は、受講開始日の直後の認定日(給付制限中なら「認定日の相当日」)までに申し出ます。

認定看護師の教育課程や、資格の講座が教育訓練給付の対象かどうかは、講座ごとに違います。受講した講座の案内か、ハローワークで確かめましょう。

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失業保険の手続きと、次の職場探しの段取り

退職から受給までの流れを、看護師が迷いやすいところと合わせて並べます。

  1. 退職前に、病院の総務へ「離職票の交付を希望する」と伝える。残業が多かった人は、勤務表や給与明細の控えを取っておく
  2. 退職後、病院から離職票(-1、-2)が届く。病院が電子申請で手続きし、本人がマイナポータルと雇用保険WEBサービスを連携していれば、マイナポータルで受け取れる
  3. 届いたら離職票-2の離職理由を確かめる。病院が書いた理由と、本人の判断を書く欄がある。病院の書いた理由に納得できなければ、異議ありとしてハローワークで事情を伝える
  4. ハローワークへ、離職票、マイナンバーカード(または個人番号確認書類と身元確認書類)、写真2枚、本人名義の通帳かキャッシュカードを持っていく。この日が受給資格決定日で、待期が始まる
  5. 説明会と初回認定日は、指定の日時に出る。教育訓練による解除を申し出るなら、ここまでに
  6. 4週間ごとの認定日までに、決められた回数の求職活動をする

国民健康保険や年金、住民税など、失業保険以外の手続きは「退職後の手続き一覧」に期限順でまとめています。

給付制限中に転職先が決まったら再就職手当を確かめる

失業保険を受け取る前に次の職場が決まっても、条件を満たせば再就職手当が出ます。支給日数を3分の2以上残して就職すれば残りの日数分の70%、3分の1以上残していれば60%です。

給付制限がある人は、注意点が1つあります。待期が明けてから1か月の間に就職する場合、ハローワークか職業紹介事業者の紹介による就職でないと、再就職手当の対象になりません。病院のホームページから直接応募して決まった場合は、この1か月を過ぎてからの就職でないと受け取れない、ということです。

ほかにも、ハローワークで手続きする前から内定していた職場は対象外です。退職前に次の病院が決まっている人は、再就職手当は期待しないで計画を立てましょう。

扶養に入るかどうかは日額で決まる

失業保険を受け取る間、配偶者の健康保険の扶養に入れるかは、基本手当の日額で判定されます。給付制限中は受け取っていないので扶養に入れる場合もあります。詳しくは「失業手当を受けながら扶養に入れる?日額の判定表と、看護師が扶養に入るタイミング」を見てください。

次の職場を探しながら受給する

失業保険は、次の仕事を探している間の生活を支えるための給付です。受給中も4週間ごとに求職活動の実績が必要なので、どんな職場に移りたいかを先に決めておくと、認定日に慌てずに済みます。夜勤の回数や日勤のみの働き方など、条件を絞って求人を見ておきましょう。

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よくある質問

給付制限中にアルバイトをしてもいいですか?

給付制限中のアルバイト自体は禁止されていません。ただし、待期の7日間に働くとその日は待期に数えられず、支給の開始が遅れます。給付制限中に働いた日も、失業認定申告書で正しく申告します。働き方によっては「就職した」と扱われることがあるので、始める前にハローワークに確かめましょう。

2025年3月31日以前に退職した場合も、給付制限は1か月ですか?

1か月になるのは、退職日が2025年4月1日以降の人です。2025年3月31日以前に退職した人の給付制限は、原則2か月のままです。受給期間は退職日の翌日から1年なので、いまから手続きする人の多くは1か月の対象です。

夜勤がつらくて辞めた場合、特定理由離職者になりますか?

夜勤がつらいという理由だけでは、特定理由離職者には当たりません。夜勤で体を壊して働き続けられなくなった場合は「体力の不足、心身の障害、疾病」として当たる可能性があり、ハローワークが診断書などで判断します。残業が月45時間を超える月が3か月続いていた場合は、特定受給資格者に当たるかを先に確かめましょう。

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給与・働き方・勤務条件など、
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まとめ

  • 自己都合で辞めた看護師の失業保険は、手続き日から7日の待期と、給付制限1か月の後に支給の対象になる(2025年4月1日以降の退職)
  • 過去5年に自己都合退職で2回以上受給している人は、給付制限が3か月
  • 体調不良・結婚による転居・介護などの正当な理由、長時間残業やハラスメントがあれば、給付制限なしで待期明けから対象になる
  • 2025年4月以降に始めた教育訓練を受けていれば給付制限が外れる。申し出は初回認定日まで
  • 給付制限がある人が待期明け1か月以内に就職するなら、再就職手当はハローワークか職業紹介事業者の紹介が条件

参考

  • ハローワークインターネットサービス「よくあるご質問(雇用保険について)」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/help/question05.html
  • ハローワークインターネットサービス「特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_range.html
  • ハローワークインターネットサービス「基本手当の所定給付日数」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html
  • ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
  • 都道府県労働局・ハローワーク「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」https://www.mhlw.go.jp/content/001441564.pdf
  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職手当のご案内」https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/saishuushokuteate.pdf
  • 厚生労働省「マイナポータルを利用した離職票の受け取り FAQ」https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001367146.pdf