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契約社員とパートの違い|看護師がどちらを選ぶかの境界線と、法律上は同じ扱いになる部分

契約社員とパートの違い|看護師がどちらを選ぶかの境界線と、法律上は同じ扱いになる部分

求人票で「契約社員」と「パート」が並んでいると、どちらが有利なのか迷います。
契約社員のほうが正職員に近い響きがありますが、実際はどうなのか。

先に結論を書きます。
法律上、この2つを分ける定義はありません。 どちらも施設が付けた呼び名です。

そのうえで、実務上ははっきりした違いがあります。
この記事では、何が違って何が同じなのか、そして
自分はどちらを選ぶべきかの境界線を整理します。

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目次
  1. 法律上の区分は「有期か無期か」「フルタイムか短時間か」
  2. 実務でははっきり違う3点
  3. 法律上、同じ扱いになる部分
  4. 無期転換ルール(5年ルール)
  5. どちらを選ぶかの境界線
    1. 契約社員を選ぶのが向いている人
    2. パートを選ぶのが向いている人
    3. どちらも選ばず、正職員を選ぶべき人
  6. 面接前に確認しておく5つのこと
  7. 雇用形態から求人を探す
  8. よくある質問
  9. まとめ
  10. 参考

法律上の区分は「有期か無期か」「フルタイムか短時間か」

労働関係の法律に、契約社員という言葉もパートという言葉も、
雇用形態の定義としては存在しません。

法律が区別しているのは、次の2つの軸です。

区分 根拠
契約期間 有期契約 / 無期契約 労働契約法
労働時間 短時間労働者 / 通常の労働者 パートタイム・有期雇用労働法

一般に、施設が使っている呼び名は次の位置にあります。

  • 契約社員 … 有期契約で、勤務時間はフルタイムに近いことが多い
  • パート(非常勤) … 短時間勤務。有期契約であることが多い

つまり主な違いは勤務時間であって、身分の違いではありません。
「契約社員のほうが格上」という関係ではないということです。

実務でははっきり違う3点

呼び名に定義がなくても、施設の運用としては次の差が出ます。

1. 勤務時間と、それに連動するもの
契約社員はフルタイムに近いため、月給制で、社会保険にも当然に加入します。
パートは時給制が多く、勤務時間によって社会保険の加入要件を満たすかが変わります。

2. 夜勤・オンコールの有無
契約社員は夜勤やオンコールを含む条件になっていることがあります。
パートは日勤のみ、時間帯限定という募集が多くなります。

3. 賞与・退職金の扱い
契約社員には賞与がある施設が一定数あります。
パートは寸志程度か、支給なしのことが多いのが実情です。
ただしこれは施設ごとの規定であって、呼び名から決まるものではありません。

法律上、同じ扱いになる部分

呼び名が違っても、次のものは同じように保障されます。ここは誤解が多い部分です。

有給休暇
週の勤務日数に応じて比例付与されます。
週2日勤務のパートにも有給はあります。「パートだから無い」は誤りです。

社会保険
加入は勤務時間と勤務先の規模で決まります。呼び名では決まりません。
週の所定労働時間が正職員の4分の3以上なら加入します。
それ未満でも、一定の要件(労働時間・賃金・勤務期間・企業規模)を満たせば
厚生年金・健康保険の対象になります。

産休
産前産後休業は、雇用形態を問わず取得できます。

育休
有期契約でも、一定の要件を満たせば取得できます。
かつてより要件は緩和されており、「有期だから育休は無理」とは限りません。

不合理な待遇差の禁止
パートタイム・有期雇用労働法により、
正職員との間で職務の内容や責任が同じであれば、
基本給・賞与・手当について不合理な差を設けることは禁じられています。

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無期転換ルール(5年ルール)

有期契約で働く場合に、必ず知っておきたい制度があります。

同じ施設で有期契約が通算5年を超えたとき、本人が申し込めば無期契約に転換できます(労働契約法第18条)。

ここで注意したいのは、次の2点です。

  • 無期契約になるだけで、正職員になるわけではありません。 賃金や勤務時間は転換前の条件が引き継がれるのが原則です
  • 申し込まなければ転換しません。 自動ではありません

「雇い止めの不安がなくなる」という点で意味は大きい制度です。
契約社員・パートのどちらであっても対象になります。

どちらを選ぶかの境界線

順位を付けるものではないので、条件で分けて考えます。

契約社員を選ぶのが向いている人

  • フルタイムで働けるが、正職員の異動や委員会活動は引き受けたくない
  • 収入を月給で安定させたい
  • 数年後に正職員登用や無期転換を視野に入れている
  • 社会保険に確実に加入したい

契約社員は「働く量は正職員に近く、負う役割は限定的」という位置に置かれていることが多く、
責任範囲を絞りたい人に向きます。

パートを選ぶのが向いている人

  • 育児・介護・自分の通院など、勤務時間を確実に制限したい事情がある
  • 週の勤務日数を自分で決めたい
  • 複数の職場を掛け持ちしたい
  • ブランクからの復職で、まず慣らしたい

時間の主導権を持てるのがパートの最大の利点です。
収入の総額は下がりますが、それと引き換えに時間を買っていると考えると判断しやすくなります。

どちらも選ばず、正職員を選ぶべき人

  • 賞与・退職金・昇給を含めた生涯の収入を最大化したい
  • 教育体制や研修に参加したい(有期雇用だと対象外の研修がある施設もある)
  • 住宅手当など、正職員限定の手当が生活設計に効く
  • 認定看護師など、施設の支援を受けて資格を取りたい

有期雇用は、施設側の教育投資の対象から外れることがあります。
キャリアを積み上げる時期にいるなら、正職員のほうが素直です。

面接前に確認しておく5つのこと

呼び名では決まらないので、条件そのものを確認します。

  1. 契約期間と更新の有無(何年で更新か、更新上限があるか)
  2. 社会保険に加入するか(週の所定労働時間で判断される)
  3. 賞与の有無と支給実績(「あり」と書いてあっても額は要確認)
  4. 夜勤・オンコールが条件に入るか
  5. 正職員登用の実績(制度があるかではなく、直近で何人登用されたか)

5つ目は、聞き方を工夫すると答えが返ってきます。
「制度はありますか」ではなく「直近1年で登用された方はいますか」と聞いてください。

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雇用形態から求人を探す

同じ職場でも、契約社員・パート・正職員で条件がまったく違います。

看護師の求人を雇用形態から探すと、
常勤・非常勤や勤務時間の条件を指定して比べられます。
気になる求人が見つかったら、上の5点を面接で確認してみてください。

よくある質問

Q. 契約社員のほうがパートより給料は高いですか。
勤務時間が長いぶん月収は高くなるのが一般的ですが、時給換算では逆転することもあります。
夜勤や休日勤務がある分だけパートの時給を高く設定している施設もあります。
時給ベースで比べてください。

Q. パートでも有給は取れますか。
取れます。週の勤務日数に応じて比例付与されます。
週1日勤務でも、6か月継続勤務し出勤率8割以上なら付与されます。

Q. 契約社員から正職員になれますか。
施設に登用制度があれば可能です。制度の有無と実績を確認してください。
なお5年を超えた場合の無期転換は、正職員化とは別の制度です。

Q. 契約更新されないことはありますか。
有期契約なので更新されない可能性はあります。
ただし何度も更新を重ねている、更新を期待させる説明を受けていたといった事情があれば、
雇い止めには一定の制限がかかります。

まとめ

契約社員とパートを法律上分ける定義はありません。違うのは主に勤務時間です。
有給・社会保険・産休・育休は、要件を満たせばどちらでも保障されます。

選ぶ基準は、時間の主導権をどれだけ持ちたいかです。
時間を制限したいならパート、量は働くが役割は限定したいなら契約社員、
収入とキャリアを積み上げたいなら正職員。

呼び名で判断せず、契約期間・社会保険・賞与・夜勤・登用実績の5点を確認してください。

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参考

  • 労働契約法第18条(有期労働契約の無期転換)
  • 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律
  • 労働基準法第39条(年次有給休暇の比例付与)
  • 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
  • 厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」